- 週間ランキング
2022年4月29日・30日に幕張メッセで開催されている『ニコニコ超会議2022』の中でも異彩を放っているのが『超テクノ法要×向源』。福井県福井市の浄土真宗本願寺派・照恩寺の朝倉行宣住職による『テクノ法要』を中心に、蝉丸Pの動画供養といった「ならでは」なステージから、仏師・小塚友彦氏による仏像彫刻定点生放送、各宗派の僧侶やキリスト教の牧師と話すことができるブースや『サイレント座禅』といった体験型のブースまで揃っています。
3年ぶりのリアル開催となった『超会議』。1日目の29日は朝倉住職の「ただいま!」の一言からスタート。『自社フェス向源』の代表を務める天台宗常行寺の友光雅臣副住職は「入場ゲートで皆さんを入っているところを見て、もう4回泣いているんですけれど。感無量すぎて言葉が見つからない」と話し、生放送では「泣きすぎ」というコメントも……。
今回の『テクノ法要』は、さまざまなコラボが新境地。オープニングでは京都の雅楽チーム『響音』による伝統的な歌謡とミニマルなMIXが融合。4Kプロジェクターをフルに活かしたKen-ichi KAWAMURA氏の美麗なVJも合わせて、いきなり飛ばします。
「般若心経」コーラスバージョンなどで世界的に美声を響かせている薬師寺寛邦キッサコ氏のライブに加えて、朝倉住職とのユニット・Re:Buddha (リブッダ) はリアルで初披露となりました。「讃仏偈」「世尊偈」の詠唱の後のトークでは、「”旦那さん”という言葉は、サンスクリット語で”贈る・ほどこす”という意味の”ダーナ”から来ている。それが英語圏に行くと”ドネート”(寄付する)になっている」という豆知識が飛び出しました。
圧巻だったのは、神戸市兵庫区・満福寺の岩田尚登住職を中心とした踊り念仏プロジェクト『YUYAKU(踊躍)』とのコラボ。『YUYAKU』は時宗の開祖・一遍上人(1239-1289)の踊り念仏の継承とブラッシュアップを目指しているといいます。
浄土真宗と時宗のどちらでも大事にされている「仏説阿弥陀経」の後に詠唱された「踊り念仏」。Ken-ichi KAWAMURA氏の映像では、踊り念仏の振り付けを再現。声明の言葉が現れては消え、光のシャワーが降り注ぎ、イメージが絶えず展開されていく様に圧倒されます。
朝倉住職によるMIXはオートチューンから4つ打ち、さらにドラムンでナムいサウンドが岩田住職のメロディアスな詠唱に重なるという、これまでの『テクノ法要』からさらに深化した世界が広がってました。
2020年の『DOMMUNE』スタジオ、2021年の築地本願寺でのライブ配信を経て、幕張メッセへ3年ぶりの帰還を果たした『超テクノ法要×向源』。1日目は約32000の視聴者を集めており、注目度の高さが窺えます。2日目の30日には、また別の演目が用意されているとのこと。目撃する価値ありです。
『超テクノ法要×向源』(ニコニコ超会議2022)
https://chokaigi.jp/2022/plan/technohoyo.html [リンク]