世界屈指のアーティスト・Sia(シーア)が初監督を務め、オリジナル楽曲でカラフルに彩る新体感ポップ・ミュージック・ムービー『ライフ・ウィズ・ミュージック』が全国公開中です。

Siaの名曲の数々と共に紡がれるストーリーは、ポップでカラフル、時にダークな唯一無二の映像美。個性的なファッションやメイクもスクリーンを輝かせます。

【ストーリー】アルコール依存症のリハビリテーションプログラムを受け、孤独に生きるズー(ケイト・ハドソン)は、祖母の急死により長らく会っていなかった自閉症の妹・ミュージック(マディ・ジーグラー)と暮らすことに。頭の中ではいつも音楽が鳴り響く色とりどりの世界が広がっているが、周囲の変化に敏感なミュージックとの生活に戸惑い、途方に暮れるズー。そこへアパートの隣人・エボ(レスリー・オドム・Jr.)が現れ、優しく手を差し伸べる。次第に3人での穏やかな日々に居心地の良さを覚え始めたズーは、孤独や弱さと向き合い、自身も少しずつ変わろうとしていくが……。

今回は、メイクアップアーティストとして活躍しながら、オリジナリティあふれるメイクとポジティブな言葉が人気を集め、著書『自尊心削られながら個性を出せって、どんな罰ゲームだよ?』など書籍を発表。YouTubeチャンネルも注目されているVanessa(ヴァネッサ)さんに、『ライフ・ウィズ・ミュージック』にインスパイアされたカラフルメイクをしていただきました! 映画の内容や、Vanessaさん自身のお話についてもお聞きしています。

『ライフ・ウィズ・ミュージック』の印象的なシーンをメイクに!

――とてもとても素敵なメイクに仕上げていただきましたが、映画のどの部分をイメージしましたか?

『MUSIC』という楽曲の音楽シーンで、青の壁紙とお花が印象的でした。そのお花が散ってまつ毛に落ちてきた…という光景を想像して、花びらを使っています。

青の壁紙と、涙に溺れているイメージでアイホールはブルーに。グラデーションで眼球のまるみを強調して。ラインストーンも涙のイメージです。アシンメトリーにすることが好きなので、左右で変えています。

――アイホールのグラデーションがとても綺麗ですね。

欧米だといわゆるキャットラインっぽく目尻に向かってが濃くなるようなグラデーションの付け方をすることが多いですが、今回は目頭側も濃くしています。これはヴィヴィッドなブルーなので外出は難しいと思いますが(笑)、ベージュやピンクだったらもっと馴染むと思います。

――それはやってみたいです!その他、今回のメイクを普段使いに落とし込むためのポイントはありますか

アイラインの本当に目尻の端だけでもカラーを入れると新鮮になると思います。目尻に△の青いグラフィックなラインを描いてみたりとか。花びらの代わりに目尻だけ赤いマスカラとか。メイクって、鏡の中の自分を真っ直ぐ見ながらしますが、人って案外真っ直ぐ前を見ている時間って少なくて、目を伏せていたり、横顔を見る時間の方が長いと思うんです。なので、目尻に視線が逸れた時だけ分かるようなポイントを持ってくるのはおすすめです。

――素敵なポイントをありがとうございます! Vanessaさんが、もともと、メイクの仕事をしようと思ったきっかけはどんなことだったんですか?

6つ上の姉がいて、小さな頃から美的センスは姉から得ていたんですね。姉が学生の時は、浜崎あゆみ、倖田來未世代で当時いつもガッツリお化粧していて、それを見て「メイクって良いなぁ」と。それと、「ディズニー・チャンネル」が好きで欧米のものに憧れを抱いていました。「海外っぽいメイクって良いなあ」と思いつつ、私はアジア圏の人間なので難しいと思っていたのですが、ショーガールの方のYouTubeを見たときに「あ、できるんだ!」と思って。そこから自分に落とし込んでいきました。Amazonで買った2000円くらいの安いパレットを使ってメイクし始めたのが始まりです。仕事のきっかけとは少し違いますね(笑)

――ディズニー・チャンネルというと、もしかして「ハイスクール・ミュージカル」とかお好きでしたか?

…そうです!そこからヴァネッサをもらったんです! 私はベトナム人ですが、長期休暇くらいしかベトナムに行かないので、ベトナム語のテレビを観てもあんまりわからないんですよ。唯一、観られるテレビが「ディズニー・チャンネル」くらいで。元々、ディズニーが好きだったのもあり、ドラマの世界に憧れて、どんどん観るようになって。なので、ミュージカル映画とか、この『ライフ・ウィズ・ミュージック』の様な音楽が絡んでいる作品は抵抗なく楽しめます。急に歌い出しても、うーん…なるよねえ!って。踊るよねえ…みたいな!

Siaって本当に「表現者」なのだと思います

――本作『ライフ・ウィズ・ミュージック』をご覧になって、どの様な所がお好きですか?

そうですね。主人公が分かりやすく排他的というか。最初は(ミュージックに)向き合おうとしていなかったじゃないですか。ミュージックは周りの人たちに愛されているけれど、途中で登場してきた実の姉が唯一、ミュージックを異質に見る感じ。ミュージックのことは理解しているつもりだけど、彼女の毎日のルーティーンとか、パニックになった時の対処法を分かっていない感じ。

その感覚って視野を大きくしたら、観客一人一人にもあるんじゃないかなと思って。ベースは理解できるし、抵抗ないと思っていたけど、自分の予想とちょっと違うことが起きた時に、まわりが出来ているのに自分が出来ていない。なんでなんだろう。同じ時間を過ごしてきたのにと思った時のギャップに苛まれていく…。という。主人公は元々、逃げ癖があったじゃないですか。

――そうですね、それ故のトラブルも抱えていて。

でも、ミュージックに対して、どうしてもうまく立ち回れない瞬間が出てきた時に、「無理!出来ない!」と言いつつ乗り越えることが出来た。そこが良いなと思いました。

――様々な楽曲が使われていますが、一番お好きなのはどの曲ですか?

楽曲として好きなのは主題歌でもある「Together」です。
https://www.youtube.com/watch?v=RxaOuftVSd4

私は歌詞に重きを置くタイプで。比重で言うと、歌詞6、曲4くらいなんですね。空白がある歌詞が好きで。点と点を置いて。その間をどう繋ぐのかって言うのを聞き手に委ねるみたいなものが好きなんです。でも、すごいしんどい時にそういう曲を聴くのは辛い。自分のことを考えるので精一杯だから…みたいな。だから、辛い時は単純明快で起承転結がわかりやすいストレートなものを求める傾向があって。「Together」はすごくストレートな歌詞で。人を愛するには、まず自分を愛さないとダメだよって。ブッダが言ってることに通ずるなって。自己愛を形成してからこそ、他者への愛が育まれるというか。他者に目が向くというか。

――主人公のズーも自分を大切にしてないとまではいかないけど、ちょっと自暴自棄になる時期もありますもんね。

そうですね。自己愛があるというより、甘いんだと思うんですね。なので、やる前からできないことはできないって言いますし、やりたくないものはやらないし、自分がやりたいことに対して他人が被害を被るようなことになれば切り捨てるし。自分勝手と自己愛って違うわけですから。ただ、自己愛を経て他者への愛を育んでいるコミュニティに入ったので、ちょっとずつ影響されたのかなと思います。

――すごく根本的な感想になってしまうのですが、Siaって素敵な声ですよね。

良い声だと思いました! かすれてる声って魅力的だなって思うのが、激しい曲だと、より激情的な感じがして。静かな曲だと、泣いているように聴こえて。より、感情を乗せられるというか。なんとなく自分の感情が分からない時に吐き出してもらえるような、助長してもらうような曲としても聞けるのかなと。

――すごく素敵な感想ですね。本作はSiaの自伝的ストーリーとなっていますが、Siaの生き方について、ジャンルは違えど同じアーティストとして感銘を受けることはありますか?

Sia自体、元々熱狂的なファンではなかったので色々と調べたんですけど。元々あまり表に立ちたくない人じゃないですか。過去には出していたこともあるけど、今は顔を隠して活動している。リアーナとか、ケイティ・ペリーとか、いろんなアーティストをプロデュース、楽曲提供として関わってきて、彼女たちがいかに(表舞台に立つことで)苦しんできたのかを知っているからこそ「自分は、ああなりたくない」と顔を隠したわけで。

顔を隠して活動するということは、伝えたいものを伝える上で、本質を見て欲しいのかなと。ある程度、フィルターさえあれば自分が伝えたいものが出せる人って多いと思うんです。例えば、対面だったら無理だけど、電話だったら流暢に喋れる方もいるし、自分の顔を出さないのであれば、自分の意見が言えるとか。良くも悪くも。

Siaは素晴らしい歌声を持って、地位を築いてきたわけじゃないですか。その結果、自分が表現したいものも、その時々で変わるわけですよ。それで、今回の様に視覚的に何か伝えたいっていう意図があって作ったと思うと、本当に「表現者」なのだなと思います。

――「表現者」そのとおりだと思います。

私が好きな星野源は、文筆家であり俳優であり音楽家でありプロデューサーなんです。それを総じて星野源って言うんですよ。Siaも歌い手であり、作詞作曲家であり、プロデューサーであり監督でもあるわけじゃないですか。ミュージックビデオで監督をするアーティストって結構多いと思うんですよ。それが映画になっただけなので、伝え方はそれぞれですけど。ストーリーがあるかどうかで受け取りやすいって言う人もいると思うので。

――Vanessaさんもメイクアップアーティストでありながら、本の執筆など色々と活動されていますが、今後何かあたらしくはじめたいことはありますか?

過去にやったことはあるんですけど、また改めてやりたいなと思うのは対面イベントですね。今、鬱蒼とした世の中じゃないですか。見たくもないものが見えてしまったり、見たいものが隠されてしまったりって言うのがあるので、無条件に自分のことが好きな人たちに囲まれたいなって(笑)。

――良いですね!トークイベントですか?メイクのイベントで?

どちらでも。とにかく人に会いたいです(笑)! YouTubeも最近始めたので、より自分のことを好きな人と密になるというそんな空間を作りたいですね。

――ぜひ開催できた暁には、私も参加させてください!今日はとても素敵なお話をありがとうございました。

Vanessaさん、素敵なメイクとお話をありがとうございました!

◆VanessaさんTwitter:https://twitter.com/hsm_0715 [リンク]
◆instagram:https://www.instagram.com/vanessadesu/ [リンク]
◆YouTube チャンネル:https://www.youtube.com/c/Vanessasanvn [リンク]
◆Radio talk:https://radiotalk.jp/program/72773 [リンク]

映画『ライフ・ウィズ・ミュージック』全国公開中

監督・製作・原案・脚本:シーア
キャスト:ケイト・ハドソン(『あの頃ペニー・レインと』)、マディ・ジーグラー(Sia「シャンデリア」MV)、レスリー・オドム・Jr.(ミュージカル「ハミルトン」)
原題:MUSIC/2021/アメリカ/107分/カラー/シネスコ/DCP/5.1ch/字幕翻訳:原田りえ/監修:山登敬之 【G】
配給:フラッグ
公式Twitter/Instagram:@lifewithmusicjp #ライフウィズミュージック
(C)2020 Pineapple Lasagne Productions, Inc. All Rights Reserved.

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情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 人気メイクアップアーティストのVanessaさんが『ライフ・ウィズ・ミュージック』にインスパイアされたカラフルメイクを披露!