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イチローの愛称で知られる元プロ野球選手の鈴木一朗氏が、こよなく愛した中華食堂が存在する。JR有楽町駅前の交通会館で営業を続けている『交通飯店』(東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1F)だ。
イチロー氏は交通飯店のチャーハン(焼飯)が大好物で、帰国するたびに交通飯店に出向き、チャーハンを食べていたといわれている。そんなカリスマに愛された伝説ともいえる交通飯店が、2022年3月31日の営業を最後に閉店することが判明した。
交通飯店の閉店は、イチロー氏が愛したチャーハンが消滅することを意味する。いつも行列ができている交通飯店だが、閉店を知った人たちが「イチローが愛したチャーハン」を求めて、さらに長い行列を作っている。
交通飯店は11時から営業開始となるが、10時30分にはすでに行列ができている。11時から並んだとすれば、約1時間の行列は覚悟したほうがよいかもしれない(ラッキーならば30~40分程度の並びで入れることもある)。
ここのチャーハンはミニ(600円)、中(750円)、大(850円)の3サイズあり、ミニサイズでも他店の一人前か、それ以上の量がある。中は他店の大盛りと同じと考えていい。オススメは餃子チャーハンセット(1000円)で、ミニサイズのチャーハンと餃子、漬物、中華スープがセットになったもの。
交通飯店のチャーハンは繊細な味付け。奇抜さはないが昔ながらの食堂的な仕上がりで「こういうのが食べたかったんだよ」と思えるもの。そのまま食べると「普通だな」と感じる人がいるかもしれないが、ちょっと待って。交通飯店のチャーハンはそのまま食べても美味だが、ひと工夫すると、グンと美味しさが増す(と筆者は感じている)。
まず普通にチャーハンを食べ進め、その味を知ったところで、レンゲに乗せたチャーハンを中華スープに沈め、米粒が中華スープでヒタヒタになったらそれを頬張る。これがもう、衝撃的なウマさ。イチロー氏もこうして食べていたのかもしれない。そう思うと、なんだか感慨深い。
しかし、そんな激うまチャーハンも、2022年3月31日で食べられなくなってしまう。おいしいものがこの世から消えてしまう。それはとても悲しいことだ。
閉店するまであと数回通って、交通飯店のチャーハンの味を記憶に刻んでおきたいと思う。
店名: 交通飯店
住所: 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1F
(執筆者: クドウ@食べ歩き)