12月2日から12月27日まで、神奈川県横浜市の日産グローバル本社ギャラリーにて、次世代型モビリティイベント「Nissan Futures」が開催されている。電動化を進める日産の技術によって開発が進められている、2030年の実現を目指すコンセプトカーのお目見えとなったが、実車ではなくモーションキャプチャー技術とリアルタイムCG合成技術によって描き出されるという趣向がポイントだ。

実際に会期中の日産グローバル本社ギャラリーを訪れてみると、コンセプトカー『NISSAN CHILL-OUT』の実寸台モデルを展示していた。

そのほか日産初のクロスオーバーEV「日産アリア」のデモンストレーションや、1947年に登場した日産の初代電気自動車「たま」などが展示されており、電動化の過去から未来を体感することができる。

会場に直接出向くことはもちろん、自宅に居ながらオンラインで会場を巡るバーチャル体験も可能だ。「Innovation Walk」は金・土・日に2回ずつ実施されており、360°視点移動できるロボットに乗り込んで会場を巡る。アーカイブも日産自動車株式会社公式YouTubeチャンネルにて視聴することができ、画面を自由に動かして会場内を見渡すことができる。

本イベントで注目すべきは、モーションキャプチャー技術にリアルタイム CG合成技術を組み合わせた「Concept Car Virtual Stage」だ。L字方に配置されたLEDステージ上に立つことで、ステージに日産が思い描く、2030年の未来のコンセプトカーが出現。モニター上で合成された映像を見ると、自分の真横にコンセプトカーが実際にいるかのように映し出されている。

「Concept Car Virtual Stage」に登場する コンセプトカーは3種類。近未来を舞台にした映画の中から飛び出してきたかのようなオープンカー「NISSAN MAX-OUT」、家族でのアウトドアの可能性を広げるユーティリティー・ビークル「NISSAN HANG-OUT」、活動の多様性を拡張するコンセプトを持ったピックアップトラック「NISSAN SURF-OUT」だ。

体験終了後には記念撮影した動画を自身のスマホにダウンロードして持ち帰ることも可能。実際に2030年になるまで大切に保管しておきたいところ。

イベント体験後、日産自動車の青山真理子氏・栗原一郎氏・片岡春菜氏に今回のイベントを企画した意図を伺うと、「情勢的な問題もあって、お客様とのコミュニケーションをバーチャルとリアル両方で体験できるイベントを企画した。日産はユーザーにワクワクできるような体験を提供していきたいと思っているので、デジタル技術をうまく使うことで(体験性の)選択肢が増えることになってくれれば」とコメントしてくれた。

直接的にイベントで使用されているデジタル技術がコンセプトカーに反映されるわけではないものの、実物を作成するのではなくデジタル上で検証を行うことやマーケティングにもデジタル技術は応用されているという。「デジタル技術を取り入れて進化していきつつ、あくまでソリューションのひとつとしてうまく使っていくことになる」という。

電動化を進めていく中でも今回のコンセプトカーは「移動するだけの道具ではなくワクワクできる体験を提供できるようにシフトしていく」宣言とのことで、これから先の2030年に向けて車というものがどのように進化していくのか、さまざまな過去を経た現在の立ち位置を確認することができた。

また、日産が進める自動運転に関しても「自動運転になってまったく運転をしなくてもよくなるのではなく、日産は運転の楽しみを追求していくことを守っている。自動運転時の楽しみ方の提案も選択肢を増やすことにつながれば」とのこと。さまざまなニーズに応えてくれる進化を実感できた。今後の日産は選択肢の提示がキーポイントになるのだろう。

電動化によって従来の価値観から大きく変わった、新しい体験の可能性を感じ取れる「Nissan Futures」。現地でリアルに体験するもよし、オンラインでバーチャルに感じるもよしのイベントとなっているので、期間中にぜひチェックしてみてほしい。

「Nissan Futures」概要

会場:日産グローバル本社ギャラリー
(〒220-8686 神奈川県横浜市西区高島1丁目1番1号)
開場時間:10:00~20:00(JST)
公式サイト:https://www.thenissannext.com/jp/nissanfutures/index.html

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 2030年の未来の車をバーチャル体験!? 車の価値観を変える日産のコンセプトカーとは