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ARIAシリーズ蒼のカーテンコール最終章となる新作アニメーション『ARIA The BENEDIZIONE』(アリア ザ ベネディツィオーネ)が劇場公開中。メインとなる姫屋メンバーを演じる皆川純子さん、斎藤千和さん、中原麻衣さんのインタビューをお届けします。
本作は天野こずえ先生が描いた未来形ヒーリングコミック『ARIA』のアニメシリーズの新作アニメーション。2005年に『ARIA The ANIMATION』からアニメシリーズがスタートし、2006年に『ARIA The NATURAL』、2007年に『ARIA The OVA ~ARIETTA~』、2008年に『ARIA The ORIGINATION』、2015年にTVアニメ放送開始10年目を記念して、“蒼のカーテンコール”と銘をうち、完全新作アニメーション『ARIA The AVVENIRE』が制作されました。そして、今年3月に公開された『ARIA The CREPUSCOLO』に続き、『ARIA The BENEDIZIONE』が“蒼のカーテンコール”の最終章を飾ります。
――姫屋にスポットが当たったお話ですが、どんなストーリーになっているのでしょうか?
皆川:過去話もありつつ、藍華が未来への一歩を踏み出す話でもあります。皆さんお待ちかねの藍華のプリマ昇格試験の詳細がわかります。
――台本を読んだときの印象をお聞かせください。
皆川:私は台本を読んで感動してボロボロ泣いて、「これを演じるんだ」と思ったら、すごい緊張してきたし、これを演じるには気持ちをグッと上げないと演じきれないなと、とてもエネルギーがいると思いました。一番心配だったのは、“泣かないで演じられるか”でした。泣いたら鼻声になっちゃうし、泣きながら演じるようなシーンばかりじゃないし、晃を保ちつつ演じるにはどうしよう、と本当に悩みました。ところが、実際のアフレコでは泣かなかったんです。でも、本当に台本を読んだ一番の心配は“泣いたらどうしよう”でした(笑)。
斎藤:私も純子ねえが泣いちゃうっていうのが最初の感想でした。これは収録大変だぞ!って(笑)。もちろん自分も感動したんですけど、純子ねえのことのほうが心配で、すぐに連絡しました。「純子ねえ、泣いちゃうと思う!」って(笑)。
皆川:それで、「ティッシュ1箱持って行きます」と言って、ちゃんと収録現場に持ってきてくれました。
斎藤:でも、私自身もプリマ昇格試験の話だとは聞いていたんですけど、こんな感じだったんだ、と新しい発見がありました。もちろん、藍華というキャラクターがすでにあって、その裏にいろんな時間が流れているんだろう、というのは自分が想像していた部分もあったけど、今回1つちゃんと答えとして中学生くらいの時期の藍華のちょっと暗めな部分が明確に見えたのが初めてだったので、「こういう葛藤を乗り越えて今の藍華なんだ」と思ったら、私はもっと好きになりました。元々大好きだったけど、より彼女を身近に感じるというか。ただ強いだけの子じゃなくて、ちゃんと乗り越えたが故の彼女の今までの言動なんだというのが、また新しく書き換えられて感動しました。
中原:私は台本を読んだときに、やっぱりコロナ禍という状況だったので、「これみんなで収録できるかな~?みんなで収録したいな~」とすごく思ったのが一番の感想でした。最終章だし、みんなでやりたいなって。
――実際の収録はどのような感じになったのでしょう?
中原:やっぱりみんな一緒には出来ずで、私はアーニャ役の茅野愛衣ちゃんと一緒に録りました。
皆川:私達は晃と藍華と明日香さん(島本 須美)の3人で録りました。
斎藤:レジェンドと。それも気が引き締まった1つの要素でしたよね。
皆川:そう、憧れの大先輩だったので。
斎藤:すごく見守ってくれていたんですよね。その存在があったからこそ、気が引き締まってできたような気はします。
皆川:私は個人的に須美さんの大ファンなので、本当に嬉しかったです。改めて「大好きです!」と伝えられてすごく嬉しかったですね(笑)。
中原:あと姫屋って他のカンパニーの子たちよりも少しシャキシャキ喋るから、台本がいつもよりもセリフ数が多いと思いました(笑)。「あ、こういうところが姫屋だな~」って。掛け合いのテンポ感が一番速いので、見ていてテンポがいいなと思いました。
皆川:みんな想いをちゃんとぶつけ合うんだよね。言い出せなくて内に秘める、とかじゃないもんね。
――あずさもストレートに聞いていて、それが姫屋っぽいなと思いました。
中原:姫屋イズムです(笑)。
皆川:でも、あずさと藍華を観ていると、やっぱり昔の藍華と晃に本当に似ているなと思って。あずさの藍華へ直接当たっていく、お互い気持ちをぶつけ合う感じが姫屋の伝統を感じる作品でした。
――今作で、あずさがやっぱり姫屋の子なんだなと感じたというか、ガツガツ先輩に言う子だという一面もきちんと描かれていますよね。
中原:なかなか他の子たちは、わーっと言う感じではないので(笑)。だから収録しているときも、他のみんながふわっとしているから、よく後輩3人でリアクションを取るんですけど、引っ張られてふわっとしちゃいそうになるんです。「いけない、私は姫屋の子。キリッと締めないと」と気をつけます(笑)。
――今作で演じるにあたり、どんなディレクションがありましたか?
斎藤:今回も特になかったです(笑)。
皆川:私が気持ちが入りすぎて熱くなりすぎて、もうちょっとフラットにいきましょう、と言われたくらいで。
斎藤:『ARIA』って元々、「こうやってください」と言われることがあまりなくて、結構お任せしてくださるんです。もちろん、「ここはこのくらいの距離感です」とか、画や物語の補足はあるんですけど、私達の思ったことをやって「はい、いきましょう!」みたいな感じです(笑)。
皆川:信頼していただいているのを感じるよね。
中原:私は実はあずさ以外の役も兼役でやっていて、そちらのほうがキャラ作りに時間がかかりました(笑)。あずさはもう滞りなく!
斎藤:どのキャラなのか、探してみてほしいですね!
中原:ぜひ探して楽しんでください!
――『ARIA』はカンパニーごとのカラーがそれぞれしっかりあるなと感じますが、その中でも姫屋はまた空気が違い、『ARIA』史上こんなに激しいシーンがあるだろうか!?と驚きました(笑)。
皆川:今まであんなに激しくゴンドラを漕ぐことありました?
斎藤:あんなに速いゴンドラなかなかないし、場面転換がめっちゃ多い(笑)!
皆川:もちろん、これまでの劇場版の2つのシリーズの空気感とは多少違うものになるとは思っていて、それが姫屋の良さだし、でも全体的に『ARIA』としてまとまっていたので不思議なんですけど、今回は余すことなく姫屋の魅力が出ていたと思います。泥臭いというか、体育会系というか。でもやっぱり気持ちの繊細さも出ていて、ザ・姫屋でしたね。
斎藤:確かに、ザ・姫屋でした。静と動の“動”がちょっと多めだったんですけど、今回は夜のシーンが多いなと思ったんです。プリマ昇格試験シーンもそうだし、藍華と晃さんの印象的なシーンとか、夜が多くて。出来上がった映像を観たときに、「なるほど、ちょっと新しい感じ」と思ったんですよね。『ARIA』って青空の青い海のイメージがあったから。
皆川:確かに!
斎藤:夜が多いんだ!と思って。でも、静かな感じでいくと、もうちょっと暗くなってしまうのが、あれだけ動くから夜でもカッコよくて。月をバックに立ってる晃さんとか、なんかもう「怪盗かよ!」みたいな(笑)。すごくバランスが良くて、新しい世界観だなと思ったんです。そこから、一番良いシーンで夜が明けて青空が広がっていく感じとか、「うわ~」と思いました。藍華の少しくすぶっている気持ちだったり、これからもっと進化したい、みたいな気持ちがすごくよく表れていて、姫屋っぽい部分と『ARIA』っぽい部分がキレイに繋がっていて、とても姫屋の感じだなと思いました。
斎藤:『ARIA The CREPUSCOLO』は夕焼けとかのイメージで、「ああ、やっぱりオレンジぷらねっとだ」と思って。だから、姫屋ってどんな感じなんだろう?と。もっとギラギラな太陽のイメージが最初はあったから、どういう映像になるのかな?と思ったら、「あ、夜なんだ!」って。夜からパーッと明けていく、光が入ってくる感じがすごく姫屋っぽい。ARIAカンパニーはもっとぽかぽかしているイメージがあるから。
皆川:天気の良い昼間だよね。
斎藤:そう、でもギラギラはしてない。『ARIA』全体がギラギラではないし、姫屋のギラつく感じをどう出すんだろう?と思ったら、夜が明ける光が入ってくる瞬間の眩しさみたいなものがすごく姫屋っぽいと思いました。
――そして今作の晃さん、めちゃくちゃカッコよかったです!!!
皆川:ありがとうございます! 超嬉しい(笑)。
中原:もう間違いない。
――もう何回キュンとさせてくるのか、みたいな(笑)。
斎藤:本当に。アニメ界でも屈指のイケメンですよ。
――本当にイケメンでしたよね!
斎藤:もう非の打ち所がない。
中原:ほんっとに!
――また、TVシリーズを観ていたときに、藍華が髪をバッサリ切ってそこから髪型がそのまま変わったことに当時すごく衝撃を受けました。今作でも藍華はたくさん髪型が変わりますよね。そういう面でも藍華の成長が見える作品になっていると感じました。
斎藤:灯里とかもちょっと違いますもんね。もっともみあげがあったけど、今回は結ばれたりしていて、結構みんな髪型が変わったりしています。
――皆さんの注目ポイントを教えてください。
皆川:見どころばっかりなんですけど、「お!」と思ったのは、ミドルスクール時代の藍華。藍華って前向きで積極的で明るい、陽のイメージがあったんですが、今回は陰のほうの藍華が見れたので、髪型も含め別人のようで。その頃の藍華は言動も含め見どころの1つだと思います。そして、そんな藍華を晃がどんなやり方で見守り導くのかも、見どころの1つです。
斎藤:藍華が、これまでの『ARIA』の世界観では見なかったような顔をしているシーンが結構あって、あずさともぶつかったりとか。他のカンパニーでは、行き違いとか、お互いが想いすぎてすれ違いみたいなことがあるんですけど、もう完全にぶつかってくるっていうのが姫屋らしくて(笑)。もちろん着地点は感動して素敵な想いで終わる『ARIA』らしさもあり、ちょっと今までとはまた違うような、ちゃんと火花を散らす感じが姫屋っぽくて、そのあたりがまたそれぞれのカンパニーの味を感じていただける部分なんじゃないかなと思います。
中原:私はやっぱり晃さんの藍華ちゃんへの「バサッ」のシーンです!(※本編でぜひご確認ください!)
斎藤:「バサッ」のシーンね(笑)。
中原:もう「バサッ」のシーンが、本当に惚れちゃう!! めっちゃキュンポイントでした。
斎藤:あれが絵になる人、なかなかいないからね。
中原:本当に素敵だった! 晃さんは、全女子がやってほしいことをやってくれるじゃないですか。
斎藤:月をバックに橋の上でババーン!とか(笑)。
中原:ああ、素敵!好き~!って感じです(笑)。観ているときってやっぱり藍華ちゃんに視点を合わせて観るので、藍華ちゃんの気持ちで観ているところに、バサッ! 晃さ~ん!!!って、あの2人の関係性があるからまた良いんですよね。
皆川:わかる、わかる(笑)。
中原:あと、キャラクターに寄ったときのまつ毛の感じがめっちゃ好きで。
――とても素敵ですよね!
中原:すごく繊細ですよね。そういう細かいところも観てほしい!
斎藤:アップになったときのみんなの目の色がキレイなんですよ。
皆川:キレイだよね、見入っちゃう。
――では、『ARIA』ファンの方にメッセージをお願いします。
皆川:もう好きに感じていただきたい!どっぷり『ARIA』の世界に浸って、感情を揺さぶっていただきたいです。泣いたり、感動したり、癒されたり、励まされたり。見た人それぞれが、いろんなポジティブな感情で幸せな時間になればいいなと思います。
斎藤:結構ギャップがある話かもなと思いました。今まで『ARIA』を好きで観てくださって、姫屋の印象を持ってくださっている方に、良い意味でのギャップがあった上でより好きになれる話なのかなと思います。他のカンパニーではない空気感だけど、結果『ARIA』に着地するという。そのアクロバティックな楽しみ方なのかなって。今までの『ARIA』のほわっと浸る感じとは違うかもしれないけど、最後にくる感動は一緒。「ちょっと違う味だったけど『ARIA』だった」みたいなものを楽しんでいただいて、もっと『ARIA』の世界も広がるんじゃないかなと思います。
中原:最初に流れてくる音楽を聴いた時点で、一瞬にして「『ARIA』の世界に戻ってきたな~」と感じて、そこからドタバタいろんなことがあって、最後にまた『ARIA』らしく音楽で締めていくという、本当にいつも通り気負わず観に来てもらえれば、裏切られることなく『ARIA』の世界に浸れると思います。
――ちなみに、最終章と言っていますが、まだまだやりたいという気持ちはありますか?
皆川:もちろん。最終章といわれても、という感じです。今までもこれで終わりって言われたことがあったので(笑)。
斎藤:何回かありましたね(笑)。
皆川:「もうこれで晃を演じられなくなるのか・・・」と何度も思いながらも、またこうやって演じられているので、最終章と書かれていても自分の中には実感がなくて、まだまだきっと何かがあるだろうと思っています。なので、これで締めの作品だなんて思ってはいないので、「またお会いしましょう」という気持ちでいます。
――ありがとうございました!
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未来形ヒーリングストーリー蒼のカーテンコール《最終章》は、姫屋のメンバーを中心に描かれる完全新作アニメーション『ARIA The BENEDIZIONE』。
天野こずえ描き下ろしの原作をもとに、前作と同じく総監督・脚本:佐藤順一、監督:名取孝浩、アニメーション制作: J.C. STAFF の布陣で制作されます。
水の惑星を舞台に紡がれてきた、過去・現在・未来を繋ぐ想いの軌跡ーーそのフィナーレを、ぜひ劇場で見届けてください。
<『ARIA The BENEDIZIONE』 あらすじ>
⻑い冬を迎えたネオ・ヴェネツィア。寒空の下、合同練習をしていたアイ、あずさ、アーニャの3人は、いつもと様子が違う晃の後をつけたのをきっかけに水先案内人ミュージアムを訪れることになりました。出迎えた館⻑の明日香は、姫屋の伝説的なウンディーネとして知られる晃の大先輩。二人は姫屋の創業時から大切に乗り継がれてきた1艘のゴンドラの継承者でもあるのですが、晃の話によると、次の乗り手として期待される藍華にはその気がないというのです。納得がいかないあずさは、どうしてなのか理由を探ろうとするのですが……。
【CAST】
藍華・S・グランチェスタ:斎藤千和
晃・E・フェラーリ:皆川純子
あずさ・B・マクラーレン:中原麻衣
水無灯里:葉月絵理乃
アリシア・フローレンス:大原さやか
愛野アイ:水橋かおり
アリア社⻑:⻄村ちなみ
アリス・キャロル:広橋涼
アテナ・グローリィ:佐藤利奈
アーニャ・ドストエフスカヤ:茅野愛衣
出雲 暁:野島裕史
アルバート・ピット:渡辺明乃
愛麗・S・グランチェスタ:平松晶子
明日香・R・バッジオ:島本須美
【STAFF】
原作 天野こずえ「ARIA」(ブレイドコミックス/マッグガーデン刊)
総監督・脚本 佐藤順一
監督 名取孝浩
キャラクターデザイン・総作画監督 伊東葉子
美術監督 氣賀澤 佐知子(スタジオユニ)
色彩設計 木村美保
撮影監督 間中秀典
音楽 Choro Club feat. Senoo
OP テーマ 「エスペーロ」牧野由依
ED テーマ 「ウンディーネ〜2021 edizione〜」牧野由依
音楽制作 フライングドッグ
音響制作 楽音舎
アニメーション制作 J.C.STAFF
製作 松竹
配給 松竹 ODS 事業室
【公式サイト】ariacompany.net[リンク]
【公式 Twitter】@ARIA_SENDEN
(C)2021 天野こずえ/マッグガーデン・ARIA カンパニー