EXILE NAOTO主演、SABU監督最新作の映画、『DANCING MARY ダンシング・マリー』が公開となりました。解体予定のダンスホールに棲みついたダンサー・マリー(坂東希)の霊の依頼で恋人ジョニー(吉村界人)を探してほしいと頼まれたしがない市役所職員の研二(EXILE NAOTO)と、霊能力がある女子高生・雪子(山田愛奈)の奮闘を描く物語で、観る人によって抱く印象が変わりそうなノンジャンルな作風も魅力の異色作となっています。その本作に、2020年に解散したE-girlsのパフォーマーであり、現在は女優として活躍する坂東希さんが出演。解体予定のダンスホールに棲みついたダンサー・マリー役を好演しています。インタビューの前半では作品について、後半では卒業後の現在について、坂東さんにお話をうかがいました。

■公式サイト:https://www.dancing-mary.com/ [リンク]

■マリーには共感する部分は多かったような気がします

●本作はSABU監督作品のファンとしても楽しく拝見したのですが、最初の脚本の感想はいかがでしたか?

最初はもうちょっとホラー寄りの、怖い作品になるのかなと思っていました。でも、実際に完成した作品を観たら、ほっこりするようなお話だったのでびっくりしました。会話のシーンも一連でカットを入れずに撮ることがたくさんあり、自分の想像とまったく違いました。でもそれはたぶん、わたしが演じるダンサー・マリーのシーンが、そういう場面が多かったから、そう思っただけなのかも知れません(笑)。

●演じられたダンサー・マリーは、どう理解して演じたのですか?

彼女は言葉が話せなくて耳が聴こえない子で、ぜんそくがあり、とてもハンデが多いのですが、ダンサーとして人気者なんです。でもある時、ぜんそくが元で亡くなってしまうのですが、その当時付き合っていたジョニー(吉村界人)と会いたくて、まったく成仏できずにいます。強いパワーを持っている霊なんです。

●難しそうなキャラクターですが、何を軸に演じたのですか?

彼女が生きていた時の回想シーンでジョニーと対話するシーンがあったのですが、彼女は話せないので、どうやったら観ている人に伝わるのか心配でした。手話などを先生にも教わったのですが、確かに話せないというハンデはあるけれども、人を好きになる、一生懸命に踊っている姿は等身大であり、わたしも撮影当時は20歳の頃だったので、そのリアルな生々しい感覚で演じていたと思います。

●ジョニーがいわゆるダメな男なのでセリフによる説明がなくても、対象的にマリーの人間性が際立っていましたよね。

ジョニーとマリーは、とてもちぐはぐな存在なんですよね。20歳の頃ってとても多感な時期で、とてもいろいろなものを知りたいみたいな時期だと思うので、その時のわたしも自分が持っていないものを持っている人に興味がある時期だったので、マリーには共感する部分は多かったような気がします。

■ちょっとくらい辛くても、楽しみながらやっていこう

●撮影は3年前だったそうですが、その時の撮影現場の様子って覚えていますか?

とても緊張していました。そももそも、あの当時まだE-girlsがありましたし、ちょうど人数がガラッと変わる時期でもあり、毎日がめまぐるしかったことを覚えています。それこそ今年に入ってE-girlsが終わって振り返ってみても、当時の記憶がほとんどないんです。本当に駆け抜けて来て、その中での撮影だったなと思っています。

●映画の仕事、俳優の仕事は、改めていかがですか?

不安になることは多いのですが、撮影現場に行くと相手役の方がいて、その方と対峙しないとわからないんですよね。なので現場に行ったらガッと集中して、いろいろと考えるので、それは楽しい作業なのかなと思います。そこで生まれていくので、完成していく過程を見ているとわくわくしますし、現場は楽しいです。

●今回の作品を経て、表現者として成長を実感したりは?

あの当時、何を考えていたかよく覚えてはいないのですが、ガラッと変わったように思います。E-girlsの頃はあれもこれもやりたいと生き急いでいたところがあって、今現在のことも不安だし、未来のことも不安だしと、不安症なところはありました。自分のことで精一杯だったから、それこそ共演者の方たちと話すなど、コミュニケーションは上手くはなかったと思うんです。でも今はみんなに興味を持って、いろいろ話せるようになったかなと思う。そこは成長できたところかなと思います。

●新たに歩み出した今、心がけていることは何でしょう?

考えすぎたり、悩んだりするタイプではあるのですが、ある人に「どんなことでも楽しめたほうがセンスいいよね」と言われたことがあり、なるほどなと思いました。なので人に「センスがいい」と言われたいという下心もあるのですが(笑)、ちょっとくらい辛くて大変だと感じることがあっても、楽しみながらやっていこうと思うんです。そうすれば、辛いことも乗り越えられそうな気がしています。

■ストーリー

解体予定のダンスホールに棲みついたダンサー・マリー(坂東希)の霊から恋人のジョニー(吉村界人)を探してほしいと頼まれた、しがない市役所職員の研二(EXILE NAOTO)と霊能力を持つ女子高生・雪子(山田愛奈)が二人の恋を成就させるため、時空を超えて奮闘するヒューマン・コメディ。

公開中

(執筆者: ときたたかし)

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 坂東希、E-girls時代は「自分のことで精一杯だった…」 新たな一歩を踏み出した今は考え方に変化も 映画『DANCING MARY ダンシング・マリー』が公開