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時代劇、SF、友情、恋愛、全ての要素が華麗にシンクロ。物語は奇跡的なラストシーンへと向かい、唯一無二の魅力を放つーー。この夏の必見映画『サマーフィルムにのって』が現在大ヒット上映中です。本作は、第33 回東京国際映画祭で上映されるやいなや話題を集め、世界各国の映画祭での上映が続々と決定。すでに映画を観た映画ファンからも絶賛の声が寄せられています。
本作の主演、勝新を敬愛する高校3年生のハダシを演じたのは伊藤万理華さん。ハダシの前に突然現れた青年・凛太郎を金子大地さんが演じています。映画のクライマックスでは見事な殺陣シーンも披露したお2人に、映画についてお話を伺いました。
【ストーリー】勝新を敬愛する高校3年生のハダシ。キラキラ恋愛映画ばかりの映画部では、撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。そんなある日、彼女の前に現れたのは武士役にぴったりな凛太郎。すぐさま個性豊かな仲間を集め出したハダシは、文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。青春全てをかけた映画作りの中で、ハダシは凛太郎へほのかな恋心を抱き始めるが、彼には未来からやってきたという秘密があった――。
ーー本作大変楽しく拝見させていただきました! お2人がとてもみずみずしく演じていらっしゃって、素晴らしかったです。共演のご感想はいかがですか?
伊藤:私はそんなに場数が多くなくて、(金子さんは)役者一本でやってこられている方で、そういう方を一番近くで見ることが出来てすごく勉強になりました。撮影の最後の方私が結構疲れていて、そんな時に金子さんに声をかけてもらった印象が強くて。凛太郎がハダシを助けてくれた様に私のことを助けてくれるのを感じていました。私は、突っ走っていくハダシの役柄的にもそうですが、自分のこと以外を気にかける余裕が無かったので。なので、金子さんの様に周りを見て動く心構えを、この先身につけていきたいなと思いました。
金子:今まで会ったことが無いタイプの女優さんで、一緒に演じられて楽しかったですし、新鮮で、気付かされることがたくさんありました。撮影は本当に楽しかったです。
伊藤:めっちゃ楽しかったから、終わるのがすごく寂しくて。
金子:僕たち2人のシーンが最後に残っていたんですが、その前に他のキャストの皆は帰ってしまっていて。クランクアップよりも、皆が帰っていく瞬間の方が寂しかったです。
伊藤:皆で一緒に終わりじゃないの〜?!って本当に寂しくて、その分最後のシーンは気合が入りました。そのくらい、離れがたくなるくらい、皆のことを素直に愛おしいと思えました。
ーーその関係性が作品からもよく伝わってきました。高校生の青春の葛藤と、SFと、アクションと、ほんとに色々な要素が絡みあっていくストーリーが本当に見事でした。
金子:脚本の三浦さんとは以前もご一緒したことがあって。三浦さんが書く世界ってキャラクターがそれぞれ濃いのですが、何故か応援したくなるんです。僕も凛太郎のことをすごく好きになって演じられましたし。改めてすごいなと思いましたね。
伊藤:私も松本監督と三浦さんの組み合わせでご一緒させていただくのは2回目で、本作は読んでいてすごく面白かったですし、ハダシに対して「この子に一番愛情を注いであげたい」と思いました。「みんながついてきてくれる」という説得力を持って演じたいなと思いました。
ーーまた、本作は「映画」や「エンターテイメント」自体のありかたというか、存在の大切さが描かれていて、すごく考えさせられました。
金子:この映画にも出てくる「運命論」というのがすごく切ないなと思っていて。今作っている映画が未来に残らないという悲しさというか。僕たち『サマーフィルムにのって』チームも順調に撮影が行えたわけではないので、運命には勝てないんだと思うこともあって。現実とリンクしている部分があるなと感じました。
伊藤:自分自身がコロナ禍で映画の公開がどうなるか分からない状態の時に、たまたま知り合いの演出家さんがやっている舞台を観に行って。疲弊しきっていて、何も観る気が起きなかった時に思い切って観たのですが、本当に元気をもらって、これがエンターテイメントだなと思ったんです。こうやって作品は人に元気を与えることが出来るんだって実感出来て、『サマーフィルムにのって』とも通じる部分だなと思いました。
ーー私も本当にエンターテイメントに助けられました。
伊藤:今は配信サービスなど便利なものがどんどん出てきて、もちろん自分もたくさん使ってるのですが、家の外に出かけて映画館に行って、そこで初めて見た看板の作品を観るという発見の仕方ってすごく大事だなって。散歩しながら見たどこかの景色だったり、本当にちょっとした事が一人の人間の記憶に残るんだと思うんです。『サマーフィルムにのって』を観て感じてくださったことがあれば嬉しいですし、「映画」というものをずっと忘れないで欲しいなと思います。
ーークライマックスの殺陣のシーンも圧巻でしたね。撮影は大変だったのでは無いでしょうか。
金子:身長差があるのですごく難しかったです。斬る位置にどうしても苦戦して
伊藤:身長差とか体格差で劣って見えたら、それはハダシじゃないから。たくさん練習はしたのですが、そう劣っている様に見えなければ嬉しいなと思います。
金子:全然、劣っていなくてカッコ良かった。
伊藤:(金子さんが)すごくサポートしてくれたから。
ーー監督も作品資料の中でおっしゃっていましたけど、伊藤さんは体の使い方・動かし方をよく知っていると。
金子:覚えるのが本当早くて。
伊藤:やっとここで活きました。自分が運動してきたことが。殺陣も振り付けに近い形で覚えていたので。
ーーまた、「時代劇」がキーワードとなっていて、そこも見どころですよね。
伊藤:これまでは触れる機会がなくて、この作品をきっかけに観ました。松本さんにいただいたリストを順番に観ていって、ハマりましたし、もっと早くに観ておけば良かったと思いました。すごくカッコ良いですし、全部がつまっているし、これが人を楽しませる映画だ!と思って。真似したくなるシーンもたくさんありますし、そういう部分がハダシがハマった所なのかなと思いつつ。
金子:大河ドラマは観た事があっても、ハダシが好きな日本の昔の映画というのは観た事がなかったです。昔の映画ってすごくリアリティがあるなと思います。
ーーお2人が、ハダシたちの様に学生時代に夢中になっていたことはありますか?
金子:僕は全く無いです。どうぞ!(笑)
伊藤:(笑)。私は高校の時からグループにいたので、その時期は活動が忙しかったのですが、中学の時は漫画を描いていました。絵を描いたら、皆が寄ってきて「すごいね」って言ってくれるので、それが嬉しくて。卒業文集とか○○委員のポスターとか色々と任せていただいて。昔から自分で何か生み出すことが好きなので、もし自分がアイドルにならなかったら、ハダシみたいに物づくりをしていていたのかもしれないなと思います。
金子:本当素敵な思い出で羨ましいです。僕は勉強もせず、ただ毎日ダラダラと学生時代を過ごしていました(笑)。
伊藤:あはは!(笑)でも、それも青春の一つだと思う。
ーーその時にしか味わえない瞬間ですよね。本作でも、撮影の合間にお菓子を食べながらおしゃべりするシーンがありますよね。大好きなシーンです。今日は本当に楽しいお話をありがとうございました!
『サマーフィルムにのって』大ヒット上映中!
(C)2021「サマーフィルムにのって」製作委員会
撮影:オサダコウジ