- 週間ランキング
カップ麺やスナック菓子、ファストフードなどのアレンジレシピを研究する“B級フード研究家”としても活動している、ノジーマこと野島慎一郎です。
いつもガジェット通信ではアレンジレシピを紹介する記事を中心に執筆していますが、普段から研究としてカップ麺をよく食べているので、1か月で食べたカップ麺のなかから個人的に美味しいと感じたカップ麺ベスト5をご紹介しています。
今回は2021年6月のランキングです。新旧問わずに美味しいと感じたものを選んだ個人的なランキングではありますが、皆さまのカップ麺選びの参考にしていただければ幸いです。
5位に選んだのは明星食品の「博多バリカタ 高菜豚骨まぜそば」。こちらの特徴はなんといっても待ち時間60秒の超極細ノンフライ麺にあります。この完成度の高さがもう最高!
カップラーメンの麺がただ細くなっただけでなく、食感も小麦の風味もお店で食べる博多ラーメンをちゃんと思い出せる仕上がりになっているんですよね。よくこんな麺を開発したもんだ!
タレもまた本格的で、開封した瞬間に豚骨の香りが部屋中に充満。職場とか学校で食べたら怒られるレベルのニオイレベルです。味は濃厚マイルドで、かやくの高菜がシャキッとした食感と独特のピリ辛味がいいアクセントに。バランスが最高ですね!
ただ麺もタレも本格的すぎるからこそ、逆に本物の具が恋しくなってしまうのが複雑なところ。ここにキクラゲとか、乾燥していないネギとかが入ってきたら最高なんだろうなあ~と、どうしてもプラスアルファがほしくなってしまう。
そこで僕は途中から紅生姜をガッツリ入れて食べたら満足度が一気に跳ね上がりました。土台としては申し分なしなので、お好みの具をトッピングすること前提で食べることをおすすめします!
明星食品が昨年立ち上げた新ブランド「麺神(女神)」の新作「極旨 塩豚骨」を4位に選出しました。
「ラーメン店のような神旨の一杯」をコンセプトにしている麺神シリーズは「神食感」「神旨の一滴」なんて具合に“神”を乱発して自らハードルをガッツリと上げていくスタイルなんですが、もっちりとした食感の手もみ風麺は確かにハイレベル。それが神の域まで到達しているのかはわかりませんが、多くの人が満足できるうまさだとは思います。
「極旨 塩豚骨」のスープは豚と焦がしネギの旨味を活かした調味油がすごくいい風味で、濃厚だけど優しい口当たりの塩豚骨スープと見事にマッチ。繊細な味わいがたまりません。
ワイルドな食感の麺との相性はどうかなと思いきや、麺をワシワシと噛み締めるほどに小麦の風味も口の中で広がって麺とスープが一体化。いい感じのパワーバランスでまとまります。噛むことの大切さを教えてくれる一杯ですね!
マルちゃんが2019年に「冷しぶっかけたぬきそば」を発売して話題になってから2年。今年は大手メーカー各社が冷やし系カップ麺を次々に投下してきているのですが、そのなかでも寿がきやの「全国麺めぐり 静岡藤枝 朝ラーメン」は特に素晴らしい冷やし系カップ麺でした。悩みに悩んだ末、3位に選出です。
こちらは熱湯を注いで6分待って湯切りし、さらに冷水を注いで切るのを何度か繰り返すことで麺を冷やすのですが、これがまあ面倒くさい。でもこれをちゃんとやらないと麺がぬるくなるのでやるしかないのですが、熱湯を注いで3分で食べられるカップヌードルと比べたら手軽さは雲泥の差です。
しかしそこまで手をかけてでも食べる価値があると思えるのがこの一杯。見てください、この美しさを!
透き通るスープに生麺っぽさが見て取れる麺。そしてプカリプカリと浮かぶ氷。写真を眺めているだけでも部屋の温度が下がりそうな、清涼感あふれる冷やしラーメンですよ。そうそう、暑い夏はこういうのを食べたいんだよ!
氷水でキンキンに冷やした麺はもちろん食感も最高。ただでさえモチモチ食感が特徴的な寿がきやの麺ですが、氷締めすることでさらに生麺のような弾力が感じられます。
スープはもはや鰹だしのめんつゆそのものなのですが、冷たい中華麺を冷たいめんつゆで食べるというのも従来のカップ麺ではなかった組み合わせ。想像通りの味ではありますが、それでいいんだ!
ラーメンのスープと違って油分が少なく、麺もノンフライ麺なので、脂質はわずか1.3gというのも嬉しいところ。罪悪感なく食べられます!
2位には北海道のご当地カップ焼きそば「やきそば弁当」シリーズの「札幌みそラーメン風」を選びました。焼きそばなのかラーメンなのか、理解するのがなかなか難しい商品ではありますが、どうやら今年の2月に新発売となった“味噌ラーメン風の焼きそば”ということのようです。
それってただの“味噌ダレ焼きそば”なんじゃないの? と思いながらも買って食べてみたのですが、食べてみると納得。スープは一滴も入っていないのに、脳内で描かれるのはなぜか札幌味噌ラーメン。ただ味噌ダレを絡めたカップ焼きそばではなく、完全に札幌味噌ラーメン風焼きそばになっているのです。
いったい何が札幌味噌ラーメンを思わせるのかというと、それはなんといってもラードの風味! スープの上にプカプカと浮かぶアブラの層や炒め野菜は札幌ラーメンの特徴なのですが、そのアブラの要素を味噌ダレを融合させて見事に札幌味噌ラーメン風の味にまとめているんですよね。
そんな味付けになっているものだから、キャベツ+コーン+肉というカップ焼きそばでは王道な組み合わせのかやくも一段とうまい! 味噌自体の味も甘すぎずしょっぱすぎず、味のバランスの細かいチューニングが本当に絶妙!
北海道のご当地カップ焼きそばブランドが札幌ラーメンの魅力を伝えるために、本気でこだわって作っていることが伝わってくるのもストーリーとして完璧だと思いました。北海道に行く機会があればぜひお土産に!
2021年6月の1位はニュータッチの凄麺シリーズから出た夏の新作「冷し中華 海藻サラダ風」を選びました!
2021年5月も1位に凄麺シリーズの「汁なし担々麺」を選んでしまったので、さすがにほかのメーカーに忖度しようかな……とも思いましたが、やっぱり1位に選ばざるを得ない完成度の高さだと思いました。だって、本当に普通に冷やし中華なんだもの!
3位にランクインさせた寿がきやの「全国麺めぐり 静岡藤枝 朝ラーメン」と同様に調理工程は手がかかるのですが、きっちりと冷やした麺はもはや生麺そのもの。タレは酸味としょっぱさとまろやかさのバランスが完璧ですし、麺とタレだけを切り取ればそのへんの中華料理屋で出てくる冷やし中華とまるで大差がありません。
ただ、もちろん冷やし中華といえばきゅうり、錦糸たまご、ハムなどの具もたっぷり盛り付けられているわけですが、今作ではそれらは一切使わず、使用具材はわかめなどの海藻類と刻み紅生姜のみ。これが見事に功を奏しました。
乾燥したたまごやハムなども入っていたらもちろん賑やかにはなりますが、きっと同時にカップ麺っぽさが一気に増してしまうはず。違和感なく水戻しできる海藻類と、乾燥させずに封入できる紅生姜だけを具材に採用することで、カップ麺っぽさを完璧に払拭しているんですよね。これはコンセプトの大勝利!
海藻類は水を吸収してかなり膨張するので具材の寂しさを感じることもありません。でもせっかくなので、お好みの具材をトッピングして自分好みの冷やし中華にカスタムして食べるのが正義でしょう。今年の夏は凄麺冷し中華とたくさんの思い出を作りたい!!
以上、2021年6月の美味しかったカップ麺ベスト5でした。
2019年から大手メーカーが投入し始めた冷やし系カップ麺ですが、3年目を迎える今年は冷やしラーメン、冷やし中華などと変わり種が続々と登場し、その幅が一気に広がっているように感じます。
これから夏本番を迎えるにあたり、さらに新ジャンルの冷やし系カップ麺が登場することはあるのでしょうか。7月以降も冷やし系カップ麺に注目していきたいと思います。
というわけで、次回2021年7月のランキングは8月上旬頃に発表予定です。次回もどうぞお楽しみに!
(執筆者: ノジーマ)