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どうもライターの丸野裕行です。
副業としてヴィンテージ時計に投資をしている30~50代に、時計についての知識やアンティークROLEXの大人の投資術について解説する反響の大きい《オトナの時計投資》シリーズ。
【連載】『シリーズ:オトナの時計投資』
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コロナショックが続いても、ヴィンテージロレックスの価格はまた上昇しつつあります。その中でもスポーツモデルの取引では、コロナ禍があっても値段が戻るという感じです。ドレスモデルにしても少しずつではありますが、高額になってきています。
そこで今回も番外編として、高額で売買される《ROLEXクロノグラフデイトナ》を愛用し続ける有名人について解説していきたいと思います。
12回目の連載を重ねてきた今回も、ヴィンテージROLEXマニアが泣いて喜ぶキング・オブ・ロレックス《ROLEXクロノグラフデイトナ》について綴っていきますので、ロレックス好きは必読です。
前回に引き続いて、取材の協力をしていただけるのは、ヴィンテージROLEXコレクターとして知られる時計投資家・神戸製薬株式会社代表の吉田ナリアキラさん。
最高級のクロノグラフデイトナを「偏愛する」有名人にはどんなタレントや俳優、著名人がいるのか、ワンランク上の極上スポーツモデルの魅力をとくとお聞きください。
丸野(以下、丸)「クロノグラフデイトナとは、どのような時計なんですか?」
吉田さん「世界中で最も知名度が高い腕時計メーカー・ロレックス社の中でも一番人気の高いモデルが、このキング・オブ・ロレックス、クロノグラフデイトナです。定番のステンレスは名だたる著名人の中でもダントツに着用率が高いですね。このモデルは、ロレックスが1963年にカーレーサーのために開発した時計になります」
丸「カーレーサーですか?」
吉田さん「車というものが生まれて、人の移動するスピードそのものに変化が出ました。カーレーサーは、サーキットを一周するために何秒の時間がかかるのかを知らなければいけません。ですから、スタートとストップ、リセットを瞬時に行えるようにできる時計を開発したわけですね。文字盤とインダイヤルを反転カラーにして、コントラストを強調。タキメーターの目盛りを文字盤からべセルへ移動させました。考えられないほどの人気で、現在流通している一に関しては、すべてがプレミア価格。“いつかはデイトナ”と成功者の目標になっているように、ステイタスの象徴になっているわけです。時計にこだわる本物の人のためのヴィンテージROLEXですね」
丸「デイトナの価値って一体MAXでどれくらいの値段になるんですか?」
<写真:ポールニューマンモデルと同じバルジューの手巻きムーブメントが入った『ジャケモナ』(筆者所有)>
吉田さん「そうですね、デイトナが生誕した頃は、ロレックス社はクロノグラフムーブメントの自社開発が進んでいなかったんです。そこで、バルジュー社製Cal.72系手巻きムーブメントを採用して作ったんですが、その頃の手巻きデイトナで600万円越え。ポールニューマンモデルに関しては、数千万で取引されています。最高額だと、2013年に行われたオークションで、日本円にして1億1千万の値が付いたモデルもあります」
丸「1億超えですか!」
吉田さん「故ポールニューマンがちゃんと愛用していたモデルは、20億円の価値が付いたそうです。デイトナは、今後さらに値段が上がるはずです。でも、今現在手巻きモデルの正規修理は受け付けていませんから、細部においてオリジナル性を重要視するんじゃなくて、妥協点をちゃんと見つけて、時計投資しないといけないわけです。それを踏まえると、デリケートな時計の内部的にも金額的にも非常に難しい時計といえるでしょうね」
丸「デイトナってどういう意味なんでしょうか?」
吉田さん「今のデイトナの正式名称は《コスモグラフデイトナ》。初期のモデルには、文字盤に“DAYTONA”の表記はありません。当初の名称は、カーレーサー向けということもあり、“Le Mans”だったといわれていますね。デイトナに変更になったのは、フロリダにあるレース場『デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ』と親密な関係にあったからだといわれています」
丸「有名人のデイトナ愛用者って誰がいるんですか?」
吉田さん「“DAYTONA”表記のないポールニューマンモデルを愛用しているのは、もちろん故ポールニューマン本人。俳優としてアカデミー主演男優賞を獲得しているポールニューマンは、カーレーサーとしても活躍していて、デイトナ24時間耐久レースやル・マン24時間耐久レースでも輝かしい成績を残しています。実際にデイトナコレクターで、その特殊デザインのデイトナが“ポールニューマンモデル”と呼ばれるようになったわけです。日本のアイドルも着用していて、元嵐の松本潤さんやTOKIOの長瀬智也さんなども数千万円するモデルを愛用していますね」
<写真:この部分に“DAYTONA”表記がない>
丸「すごいですね、やっぱり」
吉田さん「セレブ愛用率はすごく高いですよ。やっぱり高級時計なので。白文字盤の第3世代Ref.6263では、やっぱりデイトナフリークなのか、TOKIO長瀬さんや大御所の所ジョージさん、ハリウッドセレブならケヴィンコスナー、ジェイソンステイサムなんかも愛用しています。黒文字盤の方は、アーティストの大友康平さんの愛用品ですね。プラスチックベゼルで非常に脆いですが、味わい深いですよ」
丸「手巻きのデイトナですね? 自動巻きの方の愛用者は?」
吉田さん「1980年代になると、ゼニス社製の傑作ムーブメント“エル・プリメロ”をベースに、ロレックス社は50%以上の部品をロレックスオリジナルに変更。Cal.4030ができます。そこから、完全に自社開発で製造されたのが、Cal.4130になるんですね。そこから進化を続けて、様々な名機ができあがりました。プラチナのRef.116506を愛用しているのは木村拓哉さん、ホワイトゴールドのRef.116519LNは布袋寅泰さん、メテオライト文字盤のRef.116519はタレントの土田晃之さん、黒文字盤のRef.116523は氷室京介さんなどがいますね」
丸「マニアが多いんですね」
吉田さん「ブレス、バックル、文字盤の夜光塗料、インダイヤル、ケースまで様々な種類があるので予備知識をつけるだけでも大変なデイトナですが、奥の深い遊びがいがある一本ですなんですね」
ヴィンテージROLEXの世界は知れば知るほど、奥深いです。次回もROLEXマニアが歓喜するロレックスや様々な高級ブランドの時計について、解説していきたいと思います。
取材協力:神戸製薬株式会社
https://neoyag.jp/category/watch/
※ビンテージROLEXへの投資はあくまで自己責任でよろしくお願いいたします。
[協力]Watchfan.com 永久保存版ロレックス2018 Summer(GEIBUN MOOKS)
(C)クオーク、芸文社
(執筆者: 丸野裕行)