みふねたかし氏によって運営されている無料イラスト提供サイト『いらすとや』。最近ではメディアだけでなく、公共施設などの利用も珍しくなくなり、海外での使用例も増えてきています。


そんな『いらすとや』の人物イラストを利用して、「Go To キャンペーン」を風刺した画像を投稿したあるユーザーのツイートを、アグロスパシア株式会社取締役・編集長で青山学院大学総合文化政策学部客員教授の美術研究家・岩渕潤子氏(@tawarayasotatsu)が、次のように引用ツイート。





疲弊しているのは男性医療従事者だけではないのですが・・・寝る時間の無い女医さんたち、看護士さんも大勢おられます。TVCMの表現もですが、こういう時も男女の比率は(アメリカが30年やってきたように)社会の実状に近づけて描いて欲しい。


これには、「右側は女性キャラですよ」「そもそも男性だけと何故断定的に思ったのか」といったツッコミが殺到。さらに「今現在の表記は“看護士”ではなく“看護師”」という指摘や「女医さんは大体あの格好してるけどいつの時代の病院想像してるんだろう」といった疑問の声も上がっていました。


岩渕氏は『いやすとや』の存在を「初めて知りました」といい、指摘を受けて「ネクタイをしていない人が“女性”として描かれていると自然に受け止める人はどれぐらいいるのでしょう?」として、次のようにもツイートしています。





今現在の表記は看護「師」・・・なんですね。以後気をつけます。一方男女の医療従事者の単純化した絵による表現ですが「いらすとや」がこれを男女と定義したのだから、見た人はみなそのように受け止めなさいと言われても・・・現実に女性医師の友人が大勢いると、違和感が大きいのも事実です。


岩渕氏の主張について、吉峯耕平弁護士(@kyoshimine)は次のようにツイート。





「そんなこと言ったら、いらすとやしか使えなくなるぞ」みたいな話があったが、個人がいらすとや使ったコラージュにまでいちゃもん付け始めたぞ(唖然)


しかも、男女のイラストなので、間違っているという……


ステレオタイプな「女性」を描かないと失格なんだそうです。ポリコレですね。


まぁ、宇崎ちゃん批判して、奇形がどうのとかかましてた人だから言っても詮ないことですが。


岩渕氏は、『大富豪たちの美術館』(PHP文庫)などの著作があり、愛知県の『あいちトリエンナーレのあり方検討委員会』の委員を務めていました。また、以前に『宇崎ちゃんは遊びたい!』の赤十字ポスターが問題視された時に「日本の童顔・巨乳、でか尻、足細の女性キャラは“奇形フェチ”だと思う」として物議を醸したことがあります。


批判が多数集まったことについて、岩渕氏は次のように謝罪ツイート。





本来、このイメージはずっと職務に忙殺されている医療従事者の現状をもっと考えて欲しいというメッセージで作られたのだと思いますが、私が白衣の右側の人物が女性を描いたものと一瞬ではわからなかったために、不必要な議論を招いてしまったことを多くの女性を含む医療従事者の皆さんにお詫びします。


一方で、「服装がピンクやスカートでないと誤認しやすくなるんだな」といった感想や、「ジェンダーのステレオタイプから脱却できないのは、社会の実状に即していない人が多いから」といった声なども上がっており、さまざまな議論の呼び水になっています。岩渕氏がなぜ誤認したということを含めて、表現のあり方を考える契機になったのではないでしょうか。


※画像は『いらすとや』サイトより

https://www.irasutoya.com/2020/06/blog-post_90.html [リンク]


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情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 「Go To キャンペーン」を風刺した『いらすとや』使用イラストに美術研究家「疲弊しているのは男性医療従事者だけではない」と誤認→ツッコミ殺到