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アンジャッシュ渡部建の活動自粛によって、さらに存在感を増しつつある相方の児嶋一哉。もちろん彼の唯一のギャグは「児嶋だよっ!」である。これはもともとまだ彼らがトンがっていた若手時代、古坂大魔王が、児嶋の「イジられキャラ」としての素質を見出し、わざと名前を間違えたりしていたのが発祥ともされている。
そんな名前を自ら名乗る自己紹介ギャグは意外と多い印象があるが、どんなキッカケで生まれたのだろうか。まず思い浮かぶのは加藤茶である。
彼の代表的ギャグといえば、鼻の下を2本指でおさえながら「加トちゃんペッ!」というアレである。これは50年以上前、ザ・ドリフターズのレギュラー番組で、付けヒゲの糊が剥がれやすかったために、たびたび2本指で押さえていたものがギャグに発展していったと本人が説明している。ちなみに、この「加トちゃんペッ!」に対抗するギャグとして志村けんも「ケンちゃんブー」というギャグを作ったが、まったく定着しなかった。
絶叫芸人・サンシャイン池崎を有名にしたのも、長すぎる自己紹介ギャグ。実はあれにはヒントとなった、ある作品がある。2007年のロボットアニメ『天元突破グレンラガン』(テレビ東京系)だ。同作に出てくる人気キャラ・カミナが、戦う前、とにかく長く、熱すぎる前口上を述べているのだが、これから着想を得たと本人が語っている。カミナの好き度が増してしまい、そのまま芸風にしてしまったのだとか。
YouTubeチャンネル「宮迫ですッ!」への登録者100万人を超え、いよいよ110万人に手が届こうとしている雨上がり決死隊・宮迫博之。チャンネル名にもなっている挨拶ギャグ「宮迫ですッ!」は、もともとダウンタウン松本人志のアドバイスから生まれた。上京当時、深夜番組には出られてもゴールデン番組にはお呼びがかからなかったときに松本に相談すると、「お前にはかわいらしさがない」と言われたそう。そこで自分の中で一番なかった名前紹介を始めたと、のちに語っている。
こうして見てくると、人に歴史あり、名前ギャグにも歴史ありということなのだろうが、ただやはり自ら名乗ることはあっても、名前を間違えられて笑いになるのは、児嶋の専売特許だ。これからも大いに間違えられてほしい(?)ものである。
児嶋さん、約束の1時間前に来ないでください!(YouTube)
https://youtu.be/QF1L4foCW5w
(執筆者: genkanaketara)