- 週間ランキング
2020年7月9日に第一巻が刊行された空えぐみさん(@egumisky)の『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』(バンチコミックス)。沖縄に転校した中村照秋(てーるー)が同じくクラスで好きになった喜屋武さんのうちなーぐち(沖縄方言)がわからなくて、いつも困っているところを喜屋武さんと仲良しの比嘉さんに助けられているのですが、Twitterで公開された第2話では、「比嘉さん」が沖縄で沢山いることでひと騒動(?)が起こります。
沖縄で好きになった子が方言すぎて何言ってるかわからない話。(2/2) pic.twitter.com/zH9jgdTjPF—空えぐみ@7/9発売おきなわ漫画1巻! (@egumisky) July 9, 2020
今日も喜屋武さんの方言がすごすぎてつらすぎるてーるー。登校中に前を歩くのを見つけて「おーい比嘉さーん」と大声で呼ぶのですが……。
なんだかザワザワした雰囲気になり、いろいろな人が「呼んだば?」「私ー!?」「はいさーい」「HELLO」とゾロゾロ集まってきてしまいました。
「えっと…俺が呼んだのは比嘉さんで…え?」となるてーるーですが、集まったみんなの性が比嘉さん!
学校について「えらい目にあった…」となるてーるーに、「うちなーはよ~比嘉姓ぴかーだわけ~」という喜屋武さんの方言を、「沖縄は比嘉姓ばっかりなのよー」と比嘉夏菜さんが訳してくれます。
「比嘉なんて名前、沖縄じゃ腐るほどいるわけさ~」という夏菜さん。「でも今朝はゾンビ映画並の迫力だったな…」と振り返り、「まぁ“田中”みたいなもんかなー」と納得しますが、「田中さんは珍しいさー!!激レアさー!田中さんはー!!」と言われてしまいます。
「と…とりあえず比嘉さんを呼ぶときは気をつけないとな」と言うてーるーを見送って、「下の名前で呼べばいいのに…」と呟く夏菜さん。ちょっとしょんぼりです。その気持ちを知らずに「あーたしかに!!だから沖縄の人って名前呼びが多いのかー」というてーるーに、喜屋武さんは「だーるさー、うちなーでは同じ姓が多いから名前で呼ばんとへんなーよー。かーなーってかわいい名前があるから呼んであげないとね」というのを、慌てて「沖縄では同じ苗字が多いから名前で呼ばないと変だよー別に深いイミはないよ!」と夏菜さんが訳します。
放課後に夏菜さんを見つけたてーるー。思わず「比嘉さん」と呼びかけそうになって「また今朝みたいになるところだった」と思い、「…女の人を名前呼びするのはちょっぴり照れるけど…」となりますが、意を決して……。
「かなさーん」と大声で読んだてーるー。周りの人たちはザワザワ……。そこにおばあちゃんが歩みより、「えーにーにー、あんた若いのにろまんてぃっくやさー」と言われて「え?」となります。「でもちょっびぐわぁ“かなさん”の発音が変さー。“かなさ⤴ん” だーだー言ってみようね」と促されます。
教えられた通りに「かなさーん」と夏菜さんを呼ぶてーるー。うちなーぐちで「かなさん」は「愛してる」。夏菜さん、顔真っ赤です。おばあちゃんに「あいねーねー彼氏に返事してあげないと」と言われ、恥ずかしがりながら「かーなーと呼んで!!」という夏菜さん。沖縄では二文字の名前を呼ぶ時は「かーなー」のように伸ばすそうです。
生まれも育ちも大阪という空さんですが、「祖父が沖縄出身だったので縁を感じていました」といい、上京して沖縄出身の方々と交流があり、「話を聞くほどに沖縄にどんどん惹かれていきました。色々な縁が繋がって、沖縄の漫画が描きたい!描こう!と一念発起して移住しました」とのこと。実際に「比嘉さん」は多くて、「仲良くしてくれているご近所のおじいおばあが“石を投げれば比嘉に当たるさー”と冗談を言ったりしてました(笑)」と話します。
「方言女子かわいい」という声のほかに、「かなさん」の意味について「ビックリ」という反応も多かったこのマンガ。空さんは「沖縄にカルチャーショックを受けたという声と、喜屋武さんと比嘉さんが可愛いという声をよくいただきます。単に沖縄が舞台なだけの作品にはしたくなかったので、本当に嬉しいです。あたたかくて海が綺麗なこの沖縄で、そこに生きている人々の文化や生活に根ざしたエンタメにしたいと日々頭をひねり続けています」とコメントしてくれました。
うちなーぐちの魅力について、「標準語に訳せないウチナーグチがあったり、逆に標準語に相当するウチナーグチがなかったり……。作中も出てきますが、“さよなら”に相当する完全な言葉は、ウチナーグチにはなかったりします。文化は言語にそのまま表れると思うので、ウチナーグチを知れば知るほど毎回新たな発見があったりして、とても奥深いなと感じます。これからもっとウチナーグチを学んでいきたいと思っています」と語る空さん。
単行本の刊行についても、「ありがたいことに書店の方々も手の込んだポップを作ってくださったり、サイン本や複製原画のプレゼントを用意してくださっているいる書店さまもあります。書店特典もがんばってたくさん描きました」と感謝しつつ、「このご時世、旅行などにも中々いけないので…漫画を読んで“沖縄”を感じていただければ嬉しいです」と話してくれました。日本にありながら異文化を感じさせる沖縄で、てーるーと喜屋武さん、そして夏菜さんの恋愛模様がどう紡がれていくのか、気になるところです。
『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』(くらげパンチ)
https://kuragebunch.com/episode/10834108156739758650 [リンク]
※画像はTwitterより
https://twitter.com/egumisky [リンク]