造形作家のT-STUDIO=ハタナカマコトさんがTwitterに投稿した“グルメ動画”が話題になっています。


おいしいターミネーターの作り方」と題されたこちらの動画、サムネイルは食材と程遠いメタルの頭蓋骨。「超絶おいしい ターミネーター らくらくレシピ」とも。一体どういうこと?



このスカルは映画『ターミネーター』に登場した人型兵器『T-800』の頭部。


どうなるのかな、と動画を見ていると、箱から“材料”が取り出されます。これは福島県郡山のソフビ・ガレージキットの製造を行っている『M1号』社製の「1/1 ターミネーター スケルトンヘッド ソフトビニールキット」のようです。




トレイの上でパーツのチェックが行われたかと思いきや、次はいきなりこのソフトビニール製のスカルを煮沸し始めます!




「やわらかく煮込む」という謎の行動。これ、実はソフビのガレージキットではお決まりの工程の模様。界隈によると部品のゆがみを取ったり、型抜き用の薬品(離型剤)を落としたり、部品内部に残っているガスを抜く効果があると言われています。



トングで取り出されるや、「柔らかいうちにバリをとる」作業に。バリというのは、成型時に型のスキマからはみ出た部分。デザインナイフでていねいにバリが処理されていきます。





続いて用意されたのは石膏。タグには#おうちごはん #レシピ動画 #料理好きな人と繋がりたい という文字が躍っていますが、石膏です。とろみのある石膏が、頭蓋骨の内側に流し込まれます。




更に“料理”は進みます。「接着とパテ埋め」では下あごの成形が行われ、4秒で継ぎ目処理が完了します。




側頭部の部品が取り付けられると、歯の塗装です。




「白にクリアイエローを適量混ぜ」歯の塗装がエアブラシで行われます。歯は上から「マスキングゾル」という液状のマスキングが施されます。



さあ、調理は「本体の塗装」です。「黒サフの後にクリアーを3回重ねてツヤツヤに」。黒サフとは黒いサーフェイサーの略称。下地のキズや微細のデコボコを消してなめらかにする作用があります。

回転するスカルは、みるみるうちにテカテカのツヤツヤに。ソフビの質感から一転、印象がかなり変わります。




次に取り出された調味料は「T-STIDIO METAL #914」と書かれた容器。おそらく特殊な塗料でしょう。



これがエアブラシで吹き付けられると、テッカテカの金属。もう完全に『ターミネーター』に出てきたアイツです。ものすごい重厚感!




「50℃で2時間乾燥」されたあと、歯のマスキングがはがされて仕上げ塗装に入ります。




「焼け焦げ&損傷の表現」として、エナメル塗料で見事な焼け焦げが施されていきます。これがもともとソフビキットだったことを完全に忘れさせてくれます。



続いての組み立てでは、眼球に特製のレンズとLEDが装着されます。




LED光が中央に集中しない均一な面発光が施されているため、作中のT-800そのままの再現度です。




下あご、ギミックパーツが取り付けられ、仕上げの塗装で“料理”は完成です! ものすごい迫力……!






長々と書いてしまいましたが、動画の尺はわずか2分20秒。ものすごい手間のかかる工程がテンポよくまとめられている「レシピ動画」でした。(これを更に60秒に縮めたインスタグラムver.もあります)

作者のハタナカマコトさんは「このほぼ全工程を140秒に収める編集時の悪夢が蘇るので僕はしばらくみたくないw」と述べる一方、「最後まで見たあとに最初のカットをみてまた楽しめるような構成」も心掛けているとコメントしています。





余りのテンポの良さに、筆者含めリピートしてしまう視聴者も多いようで、動画の再生回数は既に2万5,000回オーバー。


一風変わったレシピ動画、ターミネーターのファンならずとも楽しめると思います。是非ご覧ください。


https://twitter.com/makoto_hatanaka/status/1268831145732407296?s=20




T-STUDIO

http://t-800.jp/ [リンク]


※画像は T-STUDIO=ハタナカマコト(@makoto_hatanaka)さんのTwitterより引用 [リンク]


―― 面白い未来、探求メディア 『ガジェット通信(GetNews)』
情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 まさかのグルメ動画?「おいしいターミネーターの作り方」が思ってた料理動画と違い過ぎる出来栄え