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群馬県利根郡みなかみ町にあるJR上越線の土合駅をご存知でしょうか。こちらは一日に数本しか電車の往来がない無人駅なのですが、駅舎から下りホームに行くには10分ほどかけて長いトンネルを下りていかなければならず、その標高差はなんと約70メートル! ゆえに「日本一のモグラ駅」として観光スポットにもなっている駅なのです。(ドラクエウォークのおみやげスポットにもなっている)
無人駅として知られている土合駅ですが、なんと2月12日から3月22日までの期間限定でグランピング施設「DOAI VILLAGE」が誕生しました。
今回はJR東日本と東日本スタートアップ株式会社、株式会社VILLAGE INCの協業による、地域活性化を目的とした実証実験という名目であり、実際に宿泊できるのは1日に2組のみ。あっという間に予約枠が埋まって満員御礼となってしまいました。
そんな「DOAI VILLAGE」のオープニングイベントにご招待いただき、施設をひと通り体験することができたのでレポートさせていただきます。
宿泊者は2棟だけ建てられているインスタントハウスの中で夜を過ごすことになります。真冬に雪の中でキャンプと聞くとそれだけで凍えてしまいそうですが、実際に中に入ってみると断熱性の高さにびっくり!
断熱材の壁が分厚く、ストーブの熱がこもるため、窓を開けていてもポカポカとした暖かさをキープできるのです。これは快適!
そして外から見る以上に広さを感じられ、大人2人で入っても空間に余裕があります。
窓から入ってくる澄んだ空気を感じながらベッドで寝っ転がるだけで幸せを感じられますね! テント内から電車の往来を眺めることもできるというのもポイントです。
施設内にお風呂やシャワー設備はありませんが、かわりにフィンランド式の野外ロウリュサウナが用意されています。
簡易的な施設ですし、ドアの開閉時に外からの冷たい風もガッツリ入り込むので、油断して着替えずそのまま入ってみたら室内温度は余裕で90度に到達! 一瞬にして汗が吹き出てしまいました。
施設には水風呂もありませんが、そのまま雪中に飛び込み“雪風呂”でととのえるのも「DOAI VILLAGE」だからこそできる体験になるでしょう。
サウナは宿泊客以外も1時間500円で利用可能となっているので、土合駅を観光したついでに立ち寄ってみるのもアリですね。イベント時には特設テントサウナも設置されるようです。
さらに、かつて土合駅が有人駅だった際に実際に使われていた駅務室を改装したカフェスペースも用意されています。こちらももちろん宿泊客以外も利用可能です。
昭和の時代からそのまま時が止まってしまったかのようなレトロな雰囲気も最高。都会の喧騒や日常の忙しさを忘れさせてくれます。
もちろんせっかく土合駅に来たら下りホームへと向かうトンネルも体験しておきたいところ。地下の奥深くへと続いていく階段を下りるのはまるでアニメやRPGの世界に入り込んで地底帝国に向かっているかのような感覚でした。
観光スポットになっているとはいえ、普段から土合駅を利用している人にとってはただの日常生活の一部。無機質で無骨な階段が延々と続き、観光客に向けて用意されたものはなにひとつありません。しかしそれこそが都会で暮らしていると体験できない物事なのです。
「DOAI VILLAGE」がオープンするずっと前から存在している場所ですが、こちらに足を運んだ際にはぜひとも体験しておくべきでしょう。
実証実験という形式で期間を限定してのオープンとなった「DOAI VILLAGE」。普段は駅員がいないような何もない場所だからこそ時間の流れがとても緩やかに感じられ、この場所で過ごしている普通の時間がただただ心地よかったです。
今回は施設の体験ということで宿泊まではできませんでしたが、夜の静けさや星空の美しさもきっと最高でしょうし、長い時間を過ごすほど非日常感を堪能できるのかなと思いました。
反響次第では開催期間の延長や、別の無人駅を活用した展開なども計画されているそうですので、気になる方はぜひ今後の展開に注目してみてください。
DOAI VILLAGE
http://villageinc.jp/doai/ [リンク]
(執筆者: ノジーマ)