- 週間ランキング
どうもライターの丸野裕行です。
厚生労働省の発表でも、日本は性感染症(STD)が増え続けているといいます。それは若者の性意識の変化やパートナーを大切に思いやる気持ちの欠如など、様々な要因があるといわれています。
現在の筆者は愛妻家なので性感染症にかかることはありませんが、昔は性病というものが恐ろしくて仕方ありませんでした。そんな避妊や性病予防に気をつけていた僕でも、一度だけ性病にかかったことがあります。
それが現在、性病疾患ランキング第4位のヘルペス尿道炎です。
何度も投薬治療を続け、時間をかけて治療したこの病気、かかってしまうとどんなことが起きるのか―今回はマジメにそれを綴っていきたいと思います。
性器へのヘルペス感染は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)と2型(HSV-2)の感染により、起こります。
症状としては、男女とも性器がただれたり、水ぼうそう風のブツブツができるような疾患です。この感染経路としては、性交渉やオーラルセックスが主になるとのこと。この性疾患、一度感染するとヘルペスウイルスを体内から除去することができないために、再発の可能性が非常に高いというんですね。
その単純ヘルペスウイルス2型の抗体を持っている数、驚くべきことに日本人の約5~10%だといいます。
男女では少し違うといわれているその症状ですが、どのように違うのでしょうか?
性交渉やオーラルセックスなど感染してからは、2~10日の潜伏期間を経て、発症します。
男性は、陰茎部に多発性水疱が現れ、3~6日後にその水泡が破れ、潰瘍ができてしまいます。初めての感染では、その症状は強く、尿道にまでその病変が入り込み、痛かゆいような感覚を伴って、倦怠感を感じたり、鼠径(そけい)リンパ節の腫れ、痛みが生じることがあります。この潰瘍、ほかの菌を呼び、二次感染。粘膜に炎症が広がってしまうこともあります。
筆者の実体験では前立腺に菌が入ってしまったため、陰部の奥がむずがゆくて仕方なかった記憶があります。
男性では再発が非常に起こりやすく、3ヵ月以内に約50%以上が再発するともいわれます。
感染してから2~10日程度経過して、外陰部に不快感を感じたり、かゆみを感じます。そこからは、急に外陰部の痛みが生じて、歩くことができないほどつらい症状が出ます。その際には、オシッコも出ないようになることも……。
広範囲にわたり、皮膚粘膜がはがれたような潰瘍が性器に出現。水ぶくれができたり、男性同様、鼠径(そけい)リンパ節の腫れ、発熱や倦怠感を覚えます。なかなかないことですが、菌が髄膜や膀胱に入って、炎症を起こすこともあります。
かかってしまった女性に聞くところによると、「本当に歩くこともできずに友人に電話して、病院に連れて行ってもらった」とのこと。そんなに痛いものなんですね。
再発頻度も高く、性交渉によってパートナーに移す可能性も高いです。さらに妊娠時には胎児への感染もあるので、注意が必要になります。
ヘルペスウィルスは症状が治ったとしても、体内に止まり神経節に潜伏します。肉体疲労や風邪、ストレスなどを受けて抵抗力が弱まったりしたときには、再発もあります。ですから、一旦患者になると、再発やパートナー感染の不安を抱えることになります。
再発を繰り返し、いつ完治するのか治るのかわからないことは精神的な負担にもなるそうです。
一般的には、“血清抗体測定”を行って検査をします。治療にはノーベル賞を受賞した抗ウィルス薬(アシクロビル)などが用いられ、数週間の内服薬とぬり薬の投与がなされます。急性で症状がひどい場合には点滴での療法も実施されます。
年間に6回以上も再発を繰り返している患者に関しては、精神的苦痛を感じることとパートナーへの感染を予防するために、抗ヘルペスウイルス薬投与の継続治療が行われるそうです。体内の菌の増殖を抑えることにより、再発予防にかなりの効果を期待できるようです。また、パートナー感染に関しても格段に減少させることができるそうです。
このウイルス、再発を繰り返すことでガン化してしまうとか、死に至るといったことは無いと言われています。初めての感染のときには、強烈な痛みを感じたり全身の倦怠感などの強い症状が出ますが、再発時には比較的症状が軽く済むのが一般的です。
梅毒などの場合、放置していると臓器や神経、骨などが侵されひどい状態になることもあります。ヘルペスウィルスのみの場合、そこまで恐ろしい事態になることは無いようですが、患者の抵抗力によっては重症化の可能性もあります。また、合併症の危険性もあり、その中にはHIV感染症にかかるリスクの増大も含まれています。ヘルペスウィルス由来とみられる症状が認められた場合、早期診療を心掛けるべきです。
いかがでしたか? 身近な病気と言われている性感染症(STD)ですが、気軽な性交渉で簡単にかかってしまう病気なんですね。
自由に男女の関係を謳歌するのもいいですが、性病はかかると厄介なことに変わりはありません。細心の注意を払うに越したことは無いでしょう。
あなたもお気をつけください!
(C)写真AC
(執筆者: 丸野裕行)