お盆休みは終わってしまったけれど、学生にとってはもう少し続く今年の夏休み。今回は、残りの休日をどう過ごしたものか迷っている人にオススメな東京の穴場観光スポットを紹介したい。


その意外な観光スポットとは、東京都庁45階にある展望室。ここを訪れる目的は今さら感のある東京の眺望ではなく、誰でも自由に弾けるように設置されている『都庁おもいでピアノ』(通称:都庁ピアノ)だ。YouTubeの「弾いてみた」動画とリンクする形で、この都庁ピアノが今、密かな人気スポットになっているのだ。人気の都庁ピアノ動画を紹介しつつ、この夏、ぜひとも都庁ピアノを聴きに行くべき理由を説明しよう。


1.プロ・セミプロの演奏がタダで聴ける!


都庁ピアノが設置されたのは今年の4月。アクセスの良い都心に常設されたストリートピアノ(厳密にはストリートではないが)ということで直後から注目を集め、YouTubeのピアノカテゴリでは「都庁ピアノ」が大人気に。


都庁ピアノには連日、人気YouTuberを始め、コンクールの受賞経験もあるようなプロのピアニストから音大生まで多くのピアノ弾きが訪れ、演奏待ちの行列を作っている。こんな場所はちょっと他には思い当たらない。都庁展望室は年末年始以外は大体いつも開いていて入場無料。冷暖房完備のホールでレベルの高い演奏をタダで聴くことができるのだ。


動画:【都庁ピアノ】ディズニーメドレー弾いてみた(YouTube)

https://www.youtube.com/watch?v=hPp5Extpop4


動画:【都庁ピアノ】「前前前世」弾いたら、演奏中に拍手きた!!【ストリートピアノ】(YouTube)

https://www.youtube.com/watch?v=hV_L7BkwioY


100万回再生超えがいくつも誕生している都庁ピアノ動画。ピアノが開放される毎日10時から12時と14時から16時には、1人5分の演奏時間を巡ってYouTuberたちが列をなす。演奏されるジャンルは最新の流行曲からアニソン、クラシック、ジャズまで幅広い。


2.草間彌生監修の贅沢ピアノ! 周囲のノイズも少なめ


都民から寄贈されたピアノに草間彌生さんの例の水玉模様の装飾を施した都庁ピアノは、敢えて値を付けるとすると1000万円は下らないんじゃないかという世界に1台の贅沢ピアノ。調律も良く、屋内設置のため周囲のノイズが少なく演奏を聴きやすい好環境にある。高い天井に音が反響して展望室全体にピアノの柔らかい音が響き渡り、サロンで聴いているような気分になれる。


動画:【都庁おもいでピアノ】思い出がいっぱい〜栄光の架け橋〜糸(即興メドレー)(YouTube)

https://www.youtube.com/watch?v=1htDfahPo_4


動画:【都庁ピアノ】で「星に願いを」をオシャレに弾きました。(YouTube)

https://www.youtube.com/watch?v=UANzZ4Vf3FU


カフェでお茶しながらプロの演奏に耳を傾ける、なんて、ちょっと洒落てない?


3.即興・コラボ演奏が楽しい!


聴衆との相互作用で演奏が変化していくのがストリートピアノの醍醐味。都庁ピアノでは楽譜通りのキレイな演奏はむしろ稀で、ポップスやジャズ風にアレンジされた演奏とか、当日たまたま居合わせた顔見知りのYouTuber同士の即興連弾など、その場限りの演奏を楽しむことができる。演奏者の気分次第でアンコールやリクエストにも応えてくれるかもしれない。


動画:【都庁ピアノ】キャバ嬢と同伴で『Tico Tico』を連弾して、これから店に行ってくる(YouTube)

https://www.youtube.com/watch?v=_s33R-YIxvk


譜面に頼らず“耳コピ”で様々な曲を弾くことのできる演奏者も多い。“音を楽しむ”本来の音楽がここにある。


4.外国人観光客からも注目!


都庁展望室を訪れる人の大半は見たところ外国人観光客。都庁ピアノ動画のコメント欄にも日本語以外のコメントが散見される。演奏者の中には外国人観光客向けにアレンジした曲を聞かせる人もいたりして、彼らにとっては自らの表現の幅を広げる挑戦の場にもなっているようだ。そのうちこの都庁ピアノで海外デビューのきっかけを掴む人が出てきたりして?


動画:【都庁ピアノ】ベートーベン「悲愴」の外国人観光客用アレンジ【即興演奏】(YouTube)

https://www.youtube.com/watch?v=alUqnVX7o0c


雨漏りするポンコツ庁舎だし、東京湾は異臭騒ぎだし、経済指標は一人負け状態の斜陽国家日本だけど、ボランティア的なピアノの演奏で“おもてなし”できる人がこれだけたくさんいるってことは、まだ平和で文化的な国と言えるのかもしれない。地上202メートルの展望室から見渡す限り広がる街並みと、スマホで撮影しながら熱心に聴き入る外国人観光客を見ていて、そんなことを思った2019年の夏だった。


都庁展望室公式Twitterアカウント:https://twitter.com/tocho_tenbou[リンク]


(執筆者: ろくす)


―― 表現する人、つくる人応援メディア 『ガジェット通信(GetNews)』
情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 日本人は今さら行かない意外な観光スポット 残りの夏は都庁ピアノを聴きに行こう!