いやはや、さすがNetflixの大人気シリーズ。その撮影セットのスケールもぶっ飛んでいましたよ。


昨年10月、『ストレンジャー・シングス 未知の世界 3』(7月4日より全世界同時配信)の撮影セットを見学するため、米アトランタの某所を訪問してきたのでレポートします。


モールのセットがすごい!





『ストレンジャー・シングス』は、1980年代、インディアナ州の小さな町ホーキンスが舞台。突然姿を消した少年ウィルの失踪事件と謎の少女イレブンの出現を巡り、家族や友人、地元警察が不可解な事件に巻き込まれていく超常現象SFアドベンチャーです。


1985年の夏が描かれるシーズン3も同じくホーキンスが舞台となりますが、新たに新聞社や市民プール、遊園地などのスポットが登場すると明かされています。







今回のセットビジットではティザー映像でも印象的だった大型ショッピングモール「スターコートモール」のセットに足を運ぶことができました。



「モールのデザインが(今シーズン)最大の仕事」と語るプロダクション・デザイナーのクリス・トゥルヒージョ氏によると、スターコートモールは1983年頃に建てられた廃業寸前の古いモールを購入し、内装を作り替えて撮影セットを組んだのだとか。フードコートを含めた大部分が撮影セットになっており、それ以外の一部は取材当日も営業していました。リソースのかけ方が大胆ですね。



テナントには、カジュアルファッションのGAPやアクセサリーのclaire’sなど日本でもおなじみの実在ブランドがズラリ。







コスチューム・デザイナーのエイミー・パリス氏によると、「マックスとイレブンがGAPで買い物をするシーンがあるのですが、そこでは、女の子たちが大胆な服に着替えているところなど、典型的な80年代のモールの様子を楽しんでいただけます」とのこと。前シーズンまでに比べより開放的で鮮やかなファッションにも注目のようです。



また、多くの衣装は一から作っているといい、「ファンのなかには、衣装を手作りしてコスプレする人も多くいます。再現不可能なほど難しくしたくはなく、そのつもりもないのですが、簡単に作れるようなものにはしたくないと思っています」と、人気シリーズならではこだわりを明かしています。


さらに、スターコートモールにはシネコンも開業。1985年といえば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『コクーン』が公開された年。セットには他にも『オズ』『ダリル』『フレッチ/殺人方程式』『ザ・スタッフ』などの看板がありました。上映ラインアップがSFとホラーに偏ってる!


クリス氏によれば、映画館には映写室があり、映画マニアでSFマニアの映写技師が、室内のデコレーションとしてポスターを貼っているそう。「私のギークぶりを発揮して言うと、『ヴィデオドローム』のポスターを使いたかった、というのはあります。デヴィッド・クローネンバーグが好きなので。米国とカナダのポスターをめぐる権利処理をしている時間がなくて、代わりに『アメリカン・グラフィティ』のポスターを使ったと思いますが、それも同じぐらいクールですよね(笑)」と、映像として目立たない細部にまでこだわりが詰まっていることを教えてくれました。



そしてシリーズオリジナルのアイスクリーム・ショップScoops Ahoyでは、スティーブと新キャラクターのロビンが勤務。作品から飛び出してリアルに出店して欲しい!



「バスキン・ロビンス(日本ではサーティーワンアイスクリーム)の真似事ではなく、スペシャル感を出すにはどうしたらいいか?」とディテールを深め、特徴的な制服デザインはクリエイターのダファー兄弟から「恥ずかしいぐらい間の抜けたものにしてほしい」とリクエストがあったそう。一周回ってオシャレな気もしますが(笑)。


モールのシーンではホットドッグ・オン・ア・スティックやバーガー・キングの80年代風の制服も登場するようなので、実際に見比べてみると面白いかもしれません。


モール以外のセットも少し紹介



マイクの家の地下にある少年たちのたまり場。シーズン1でイレブンが隠れていた場所ですね。(マイク母の)カレンは、自分の家にプライドを持ち、きれいに見せたいタイプなので、もう使わない70年代の古い家具などは、ここにまとめられているという設定なのだとか。


「このスペースはまさに、私たちプロダクション・チームが、視聴者に親近感を持っていただけるよう意識していることを示す一例です。また、彼ら以前に、この場所を使っていた先祖の様子や家族の歴史も感じていただけると思います」(クリス氏)



ホッパーのキャビン。彼の祖父が狩猟のために使っていたキャビンという設定で、そのシーンをよく見ると狩猟コンテストのトロフィーが並んでおり、何世代も前から狩猟キャビンとして使われていた様子が伝わってきます。


ここにあるものが、すべて新品であることを想像してみてください。それを、粉々にしたり、塗り替えたり、つぎはぎしたり、古ぼけさせたり……と、大変な作業なのです。どこかの森の中にある現実離れした素敵なキャビンではなく、木目からトゲが出ていたり、端がザラついていたりと、とてもリアルに感じられるキャビン。私たちがとても大切に思っているキャビンなので、皆さんに見ていただけてうれしいです」(クリス氏)


訪問した時は、このキャビンの屋根や壁に大きな穴が。シーズン2以上に部屋の中が荒れ、家具が倒れてめちゃくちゃに……。その理由はシーズン3を見てのお楽しみ、だそうです。



シーズン3ではいくつかのペアやグループに分かれて冒険が繰り広げられつつ、「ストーリーが進むにつれてモールに皆が集まって、お互いのことを知るようになる」(クリス氏)とのこと。


それぞれのグループにとって大切な世界がいくつかあり、彼らの冒険に関わるセットがいくつもあるなかで、スターコートモールではどんな出来事が待っているのでしょうか。


『ストレンジャー・シングス』主要キャストのインタビュー集はコチラ:

https://getnews.jp/archives/tag/strangerthings3



―― 表現する人、つくる人応援メディア 『ガジェット通信(GetNews)』
情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 廃業寸前のショッピングモールを買い上げたってマジかよ! 『ストレンジャー・シングス 3』の撮影セットに行ってきた