- 週間ランキング
今回は劔樹人さんのブログ『劔樹人の「男のうさちゃんピース」』からご寄稿いただきました。
今更改めて言うのもあれですが、私の妻は、テレビ番組でコメンテーターなどの仕事もやっている、イラストエッセイストの犬山紙子というものです。
昨日(2018年11月20日)、犬山たちが立ち上げた「こどもギフト」という、子どもを支援する団体や施設へのクラウドファンディング型の寄付プロジェクトが発表されました。
https://readyfor.jp/lp/kodomogift/index.html
元はといえば今年(2018年)3月に目黒区で女の子が亡くなったいたましい虐待事件が起こって、その時スッキリに出ていた犬山が、テレビの中で泣いていまして。その時たまたま私も見ていたのですが、そういうのは初めてのことだったのでびっくりして鮮明に覚えています。
スッキリから帰ってきてすぐ、朝が早いのでいつもなら一度寝るのですが、長いこと色々な人と連絡をしていたようでした。
「子どもたちを虐待から守るために、自分のできることをしたい」と言っていました。
それに光の速さで賛同してくれたのが眞鍋さん、坂本さん、福田さん、さくらだで、そのチームは「こどものいのちはこどものもの」として会見を行い、行政に嘆願書を提出したり、支援施設を訪ねてレポートしたりなどの活動を経て昨日の発表に至ります。
私は家庭では夫として、というか家のことをだいたい請け負う主夫として、その姿をずっと見てきました。
犬山は、世間一般にはどうなんでしょう、元々結構風刺的な恋愛ネタなどをコラムに書いていたので、きつい性格というか、男の敵というか、そういうイメージを未だ持っている人も多いかもしれません。
でも、結婚して子供が産まれてからはすっかり、働く女性や母親が抱える問題や、やりきれない社会の現状などをテーマにするようになりました。
むしろ偏見を嫌い、多様性の視点で考えるようになり、若い頃の自分の考え方をあれは間違っていたと否定したり、反省するようにすらなっていたように思います。
また、TVもバラエティではなく報道番組でのコメンテーターの仕事が増えてきたせいか、政治や世界情勢、思想を日頃からよく勉強し、なるべく冷静に、フラットな視点を持とうと努めるようになりました。
私が日々彼女の姿を傍で見たり会話したりして感じることです。
それが、この子どもの虐待問題に対しては、すごく直感的で感情的だった印象を受けました。
生き甲斐というか、自分の存在意義みたいな、言い方はどうしてもアレですが、溢れ出るようなそういう感覚を持ったんじゃないかなと思います。
虐待問題に取り組み始めてから、犬山は極端に忙しくなりました。
その分、私の家事育児の負担もぐっと増えたのですが、帰ってきたらいつも、「つるちゃんのおかげで、子どもたちのためになることができてる」と言ってくれます。
私は日頃から自分の世のためになっていなさを不甲斐なく感じることが多いので、すごく助かる言葉です。
娘と過ごす時間が以前のように取れないことはよく嘆いていますが、この子が産まれたからこそ、今の活動をやろうと思ったわけだし。
こういうの、親になったからって急にいい人みたいになって、と思う人もいるかもしれません。
でも、自分もいつも実感するのですが、世の中親にならないとわからないことだらけですね。
もちろん、親になることに限ったことじゃない。
人間、そんなに想像力はないんだなと思いました。
それに親になって変わったっていうのは、それは人間としての成長でもあるので。
他でもない、子どもが成長させてくれたということなのでしょう。
犬山はこんな時代なので、すぐ発言等が炎上しそうなポジションにいると夫の私ですら思っているのですが、それが驚くことに全く無いんです。
それだけ多くに気を使っているし考えていることには、私も感心します(私はぼちぼち炎上経験もあるので)。
それでもコメンテーターなんて、何を言っても誰かにはああだこうだ言われるし、発言をいいように切り取られてすぐニュースにされるような仕事です。
児童虐待のような社会問題には、当然色んな立場や考え方の人がいます。
どれだけ善いことをしていようとも、批判されることもあるかもしれない。
それは苦しいだろうし、苦しいのを一番嫌う人なんですが、よくここまでやっていると思います。
実際に犬山たちが行動したことはここまでも一つの力になっているのではないかと思っています。
行政がLINEでの相談窓口を導入したり、政府の制度が見直されたり、その度に家で嬉しそうに話してくれました。
もちろん、全ては目黒区の事件がきっかけであり、声をあげた全ての人の力ですが。
今回の発表で仕組みが周知され、継続できるようになって、少しでも世の中が、子どもたちが過ごしやすい方へ変わって行けば嬉しいです。
というわけで、結局なんだかというと、虐待問題に取り組む妻を主夫の夫がどう見ていたか、という話であり、それは一人でも多くの方の力を必要としているということでした。
私はそんな彼女をサポートし、あとは自分で微力ながら寄付するくらいしかできないですが、それができることに喜びを感じて、これからも過ごして行こうと思います。
https://note.mu/inuningen/n/nd8350e561fe1
#こどものいのちはこどものもの#こどもギフト
執筆: この記事は劔樹人さんのブログ『劔樹人の「男のうさちゃんピース」』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2019年4月3日時点のものです。