KADOKAWAが主催する第24回電撃小説大賞 大賞受賞作品『タタの魔法使い』。高校生達が繰り広げる異世界を舞台とした独創的なサバイバルファンタジー作品ですが、このたび第2巻発売が決定したそうです。お話を伺ってみました。


第24回電撃小説大賞《大賞》受賞作『タタの魔法使い』著者うーぱーさんにインタビュー


――― 受賞作『タタの魔法使い』ですが、ご執筆されたいきさつや物語の着想など教えてください。



うーぱーさん(以下、うーぱー):着想は、太平洋戦争の従軍記を読んでいて「そういえばライトノベルで実在の戦争を舞台にしているものがないなぁ」と思い、最初は太平洋戦争の話を書こうと思ってたいたのですが、ライトノベルを読む読者には太平洋戦争の話はテーマが重いので、異世界のファンタジー色を出してみました。


――― 1巻の物語の肝となる、登場人物が卒業文集に書いたことを特殊能力として使えるという発想は、ゲームや何か参考にしていることがあるのでしょうか?


うーぱー:いや、これは、先にストーリーありきで「この問題を解決するにはどうしたらいいか?」ということ、どういう願いがあればいいかなと後から考えています。それらを纏めて解決するためには複数の能力が必要になって、じゃあ、卒業文集に書いたことが現実になったことにしようと。


最初は「異世界で旅をする」と、決めておいて、襲われたときに自衛手段が必要だな、とか、食料をどうしようかな、とか。


――― シャワーが降ってくる能力も見せ場でしたが後から考えたという感じですか?


うーぱー:後からですね。シャワーが必要だな、と。あ、でもやはりライトノベルなのでお色気シーンが必要かな、と(笑)


――― なるほど。お色気シーンの見せ場を入れるのは電撃小説大賞の受賞の必勝法かもしれないですね。


中学校の卒業文集に書いたことが異世界で特殊能力になる


――― もし、うーぱーさんが異世界に行くとしたらどんな能力になりそうでしょうか。


うーぱー:

僕が実際に書いたのは「渡り廊下のある家が欲しい」という内容のものです。私の家が交差点を挟んだ角にあり、南側と東側が空き地になっているので、その二箇所に家を建てて、渡り廊下でつないだら楽しいなと思って、渡り廊下がある家を建てたいので「社長になる」と卒業文集には書いてますね。


「社長」と卒業文集に書いているけど、登場人物になったら“渡り廊下が突然作れる能力”になりますね……。1巻だったら役に立たないのですが、2巻だったらもしかしたら役に立つかもしれません。


2巻ではそういう変な願いでも役に立つ、という部分を読んで楽しんでください、という。


――― なるほど。もし卒業文集に書いてあったらとしたら、どんな能力があると便利だと思いますか。


「4次元ポケットが欲しい!」が一番便利ですかね(笑)。でも、ドラ●●ボールやド●●もんが欲しい、とすると物語が破綻してしまうのでその辺りは気を使っています。


『タタの魔法使い』2作目が発売決定 2巻は旅ではなくダンジョンに!


――― 第2巻の発売が2018年8月に予定されているということですが、同じキャラクターのその後になるのでしょうか。



うーぱー:2巻は別の学校の話になります。1巻の最後に「私立折口大学付属高校のみなさんに犠牲が出ないことを祈ります」とチラッと書いてあります。


――― 2巻も卒業文集に書いていたことが異世界で特殊能力になる、という話なのでしょうか。


電撃メディアワ-クス編集部・編集者さん:露出していいネタバレすると、キャラが違うよ、旅ではない、ダンジョンといったところでしょうか。一番面白いのは、1巻は旅だったのですが、ダンジョンが出現するような。どうやって脱出するのか、みたいな。


うーぱー:学校が地下に出現しちゃってダンジョン的な場所に……。1巻は教師がいたけど、2巻は教師がいないのでまた毛色が違ってくるというか……。


――― 2巻発売も楽しみですね。


好きな人にはわかるかも? 著書内にプロレスネタが隠れていた


――― 好きなガジェットを教えてください。

(インタビューに来る直前にガジェット(プロレスグッズ)を買ってきたことから、話はプロレスに……)


うーぱー:ガジェットと関係ないかもしれないのですがプロレスが好きで……。実はその作品に出てくる『弘橋高校』がプロレスの棚橋選手のひろとはしを使っています。『折口大学』は内藤哲也選手の哲の字をわけて。


作品も、1巻は棚橋選手のように、前向きでみんないいやつで頑張ってく、という方向なのですが、2巻は内藤選手がモチーフになっているので2巻のほうがヤンチャな子が増えていく感じになっていますね。


2巻は生徒会が出てくるのですが、新日本プロレスのロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンというユニットをモデルにしているんですよ。



背表紙の青色も新日本プロレスの団体のマットの色を……。読者からは気づかれていないのですが、実はプロレスネタが満載という(笑)。誰からもツッコミはないので気付かれてはいないのですが、ライトノベルとプロレスが好き、という読者さんがいれば……。


プロレスはキャラクターコンテンツなので、ライトノベルと相性がいいはず。Tシャツにサインしてもらったり、カードやグッズ出したりと、通じるものがあると思いますよ。


「“ヤシの実サイダー”が売っています」 うーぱーさんオススメ秋葉原情報


――― これから秋葉原寄られるのですか? 秋葉原は詳しい?



うーぱー:KOTOBUKIYA(ことぶきや)というホビーショップとボークスとか、おもちゃのお店を見に行こうかな、と。


電撃文庫『とある魔術の禁書目録』の作中に「ヤシの実サイダー」という変わった飲み物が出てくるのですが、その「ヤシの実サイダー」の缶ジュースがKOTOBUKIYA(ことぶきや)に売っているんですよ。


――― ヤシの実サイダー……。ヤシの実の味がする?


ヤシの実感があるかどうかはわからないですが、機会があれば飲んでみてください。


ほかに2階まで行くと、『麻婆カレー』というレトルトカレーも売っているんですよ。テイルズオブシリーズのゲーム内に出てくる食べ物をモチーフにした『麻婆カレー』があります。


――― ありがとうございました!


最初期支援者の認定証付きナンバー入りグッズも発売



なお『タタの魔法使い』最初期支援者の認定証付きナンバー入りグッズも発売されているようなので、ファンの方は販売サイト(https://dengeki.goods-store.jp/[リンク])を覗いてみてはいかが。



公式サイト


第24回電撃小説大賞『タタの魔法使い』特集ページ

http://dengekitaisho.jp/special/24/tata/?rf=top-main-visual


トップ画像:著者うーぱーさん・写真


―― やわらかニュースサイト 『ガジェット通信(GetNews)』
情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 ラノベはプロレスに通じるところがある!? 第24回電撃小説大賞《大賞》受賞作『タタの魔法使い』著者インタビュー