暴対法成立直前の昭和63年の広島を舞台に、暴力団系列の金融会社社員の失踪事件から警察と暴力団を巻き込んだ抗争劇となっていき、警察官や暴力団員たちの生き様をリアルに描き、第69回日本推理作家協会賞を受賞した柚月裕子さんの『孤狼の血』が映画化。2018年5月12日からのロードショーとなっていますが、既にポスタービジュアルと予告編が公開されています。


映画『孤狼の血』予告編 –YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=24oVG0Fiv20 [リンク]


『孤狼の血』で、とりわけ存在感を発揮しているのは、役所広司さんが演じる呉原東署刑事二課主任の大下昇吾でしょう。刑事でありながらヤクザまがいの捜査を繰り返し、目的のためならば手段を選ばない姿には、松坂桃李さん演じる部下の日岡秀一が何度も「違法捜査です!」と止めることもしばしば。ですが、彼には彼なりの一本筋が通っていて、背中で見せる男の色気には誰もが魅せられるはず。


また、部下の日岡も複雑な立場ながら、「正義とはなんじゃ」と自問自答して苦悩しながら暴力団の抗争に染まっていく様も注目。松坂さんのさまざまな表情が見れるのも、ファンにとっては見逃せません。


また、大下と旧知の関係の尾谷組若頭・一ノ瀬守孝を演じる江口洋介さんも、対立している加古村組とバックにいる五十子会の圧力に屈しまいと組をまとめている姿や、ヤクザ者の「信義」を見せているシーンが随所にあるのが印象的。その額を観るだけでも価値があります。また、同じく尾谷組組員・永田恭二を演じる中村倫也さんも、これまでのイメージを覆す「狂犬」役を見事に見せています。


そのほか、「実はヤクザを演じることがはじめて」という竹野内豊さんが、加古村組若頭・野崎康介を好演。安芸新聞社記者・高坂隆文役の中村獅童さん、右翼団体全国祖国救済同盟代表・瀧井銀次役のピエール瀧さん、五十子会会長・五十子正平役の石橋蓮司さんなど、「漢」の匂いがスクリーン越しにむせかえるほど伝わってきます。


映画サイトには「この国には牙のない男が増えすぎた」とありますが、自我と欲望とプライドを賭けて生き抜く男たちの生き様は現代だからこそ一見の価値があるもの。男性はもちろん、女性もそれをぜひとも目撃したいところなのではないでしょうか。


映画『孤狼の血』公式サイト

http://www.korou.jp/ [リンク]


(c)2018「孤狼の血」製作委員会


―― 会いたい人に会いに行こう、見たいものを見に行こう『ガジェット通信(GetNews)』
情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 男女とも刮目せよ! 牙を持った漢たちの生き様&色気が魂を震わせる『孤狼の血』