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いよいよ12月15日(金)に全世界同時公開を迎えるシリーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』。本作は、前作『フォースの覚醒』で初登場したコロコロ系ドロイド「BB-8」がどの様な活躍をするのかも注目ポイントとなっています。
今回、筆者は『スター・ウォーズ』シリーズの映像を作っているインダストリアル・ライト&マジック、通称「ILM」を訪問。BB-8をデザインしたクリスチャン・アルツマンさんにお話を伺ってきました! ちなみにこのクリスチャンさん、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ』では「K2-SO」を担当しているそう。愛らしいドロイド生みすぎでしょ!(最高)
——早速なんですが……日本にはたくさんのBB-8ファンがいます!
クリスチャン:アジア中で、BB-8がとても人気があるのは聞いたことがあるよ! そういったことを知るのはうれしいよ。映画が公開された時に、関連商品を見始めたけど、BB-8がいかに多いかに驚かされた。BB-8のバックパックに、BB-8のカップとかね。「オーマイゴッド!彼はいたるところにいるキャラクターなんだ」となったよ。彼をデザインしてる時は、僕はそれがそんなにすごいことになると思っていなかった。
——私たちはすでに、BB-8について色々な事を知っていますが、BB-8について、何か私たちが知らないことを教えてください!
クリスチャン:何か新しいことがあるかな……多分、いくつか新しいことが次の映画に出てくるけど、それについては話すことは出来ないんだ。公開まで待たないといけないね(笑)。
——このデザインはBB-8のキャラクターデザインの推移ですね?
クリスチャン:この白黒のものはBB-8の初期のデザインだよ。J・J・エイブラムスが、二つの丸のドローイングが描かれた小さなポスト・イットを送ってきたんだ。そして、僕は、「彼は回転するドロイドが欲しいんだな」と思った。そこで僕は、回転できる違う形の違うドロイドをいくつもトライした。それから、多分数週間後に、これ(カラーのデザイン)に進化したんだ。
最初から、僕はずっとオレンジを使っていた。なぜなら、僕はオレンジが好きなんだ! 僕は、オレンジが、オリジナルの映画とこの作品を結ぶパーフェクトな色だと感じた。オレンジは、どこか1970年代の色なんだよね。でも今また、再びとてもポピュラーになっている。ほとんど一番最初から、BB-8にオレンジの要素を使っていたんだ。
——その形(白黒のデザイン)から、その形(カラーのデザイン)までどのくらいの時間がかかったのですか?
クリスチャン:そうだね。多分全部で3週間だね。最初、僕らは「レイを追いかける小さなドロイドがいるかもしれない」というのは知っていた。でも、僕は小さな宙に浮いているドロイドをやっていた。だから、最初のいくつかのBB-8のイメージでは、僕は宙に浮いているものをやろうとしたんだ。僕が一番最初にやったものは、実際、BB-8の頭に小さな翼が二つあるものだった。それは彼女の横を飛び回るんだ。映画の中で、友達のようなドロイドをやるのは、僕にとって初めての試みだった。
——「フォースの覚醒」が公開された後、多くの人たちがこのキャラクターを大好きになりました。彼はとても可愛いですが、彼を可愛く見せるために何か工夫をしたのですか?
クリスチャン:多くの場合、普通のデザイナーたちは、角ばったものや尖ったものは、悪い卑怯なキャラクターに使うんだ。でも、丸くてソフトなもの、あなたが抱きしめられるものは、普通は、とてもイノセントなキャラクターに使う。実際、彼が転がる形になるということで、すぐに僕らは、彼がとても可愛くなるのは分かっていた。それから、大きな一つの目も、そういったことを邪魔したりしない。それはまるで子犬か子供みたいなんだ。その目はずっと、頭の大きさに比べて大きい。だから、そういったすべてのトリックを用いたよ。僕らはまた、僕らがそれを知っていたか、ただそれをやったのかわからないけど、僕はいつも彼をR2-D2よりも小さくした。だから、彼のサイズにも何かがあるね。特にR2-D2の隣にいると、R2-D2が大人に見えて、BB-8は子供のように感じる。そういったことも役立ったと思う。
——「フォースの覚醒」の最後の方で、BB-8がR2-D2に初めて会いますが、すぐに、彼らが家族であるというのを感じることが出来ます。(デザインの中で)そういったことを意識してやられたりしたのでしょうか?
クリスチャン:そういった(彼らが家族だという)感じはあるね。僕らは、R2-D2のことを40年間知っている。だから、彼は今大人のように感じるんだ。BB-8がR2-D2を見上げると、それはまるで彼のお父さんみたいなんだ(笑)。それは彼のお父さんか、少なくとも、叔父さんみたいだ。(二人の間にある)そういったサイズの関係は、とても重要だよ。
——BB-8は、前のシリーズのR2-D2の役目を受け継いでいるように感じますよね。BB-8のデザインをやる上で、R2-D2のデザインから何か影響を受けたものはありますか?
クリスチャン:主にディテールだね。僕はいつも、R2-D2が、2つの目と口からなっていない点が大好きだった。それ(顔の作り)ははっきりしていない。ほとんどピカソのバージョンの顔みたいなんだ。とてもアブストラクトだ。そして、それはほとんど、エンジニアリングのために作られている。その任務のためにね。でも、そこに顔があるのを見ることが出来る。それはパーフェクトな顔じゃない。でも、そこに顔があるんだ。でも、それは見つけないといけない。そして、間違いなく、僕らは、すべてのドロイドで、そういった点を見ていった。自分たちが二つの目とスマイルが欲しくないのはわかっていた。間違いなく、パネルが開いたり閉まったりする方法や、秘密の引き出しといった、ドロイドのディテールや、すべてのドロイドにあるエンジニアリング・ランゲージ(工学用語)は、そのまま維持することにしたんだ。
——クリスチャンさんはいつから「ILMスタジオ」で働いているのですか?
クリスチャン:僕はここに、1999年からいるよ。だから、18年間だね。
——ここは世界で最高のビジュアル・イフェクト・ハウスだと思いますが、あなたはここで働くことで、どんな点を一番エンジョイしていますか?
クリスチャン:子供の頃から、僕はいつもアートに対して情熱を感じていた。僕は本当に映画が大好きだった。そして、その両方をやれるかもしれないというのを見つけたんだ。子供の時、「スター・ウオーズ」のビハインド・ザ・シーンを見ていて、自分が6歳か7歳の時には、ILMのことを知っていたんだ。だから、僕にとって、ここは、神聖な場所なんだ。毎日、何が素晴らしいかというと、ここにいる誰もが、自分たちがしていることに、とても長けている。それが、あなたが先ほど見たこういった美しいモデルを作ることだったり、誰もが、最高の仕事をしているんだ。毎日、他のみんなの仕事を見て感心させられるんだ。
——観客と一緒に映画を見て、彼らのBB-8への反応を見たり、観客がBB-8のファンになっている事を感じた時、どんな事を思いましたか?
クリスチャン:それを僕が理解するのには長い時間がかかった。(映画が公開された時は)僕は、「みんなはBB-8を本当に気に入っているの?」といった感じだった。映画が公開され、一ヶ月後には人々はそれを忘れている、ということもよくあるからね。でも2年経って、人々は今でもBB-8が好きだ。『フォースの覚醒』の一番最初の予告編が出た時のことを覚えている。(それが公開された)翌日、インターネット上のどこかで、誰かが、自分のふくろはぎに大きなタトゥーを入れたのを載せていたんだ。その予告編でのBB-8の唯一のショットは、彼が走っているもので、全ては回転していてぼやけているんだ。だから、そのタトゥーもぼやけている(笑)。僕はそこに座りながら、「オーマイゴッド!誰かがすでにその入れ墨を入れたなんて信じられない。もし実際に映画を観てこのキャラクターを嫌いになったらどうするのだろう?」となったよ。
——どんなキャラクターかまだよく知らない段階でタトゥーを入れてしまうなんて驚きですね。
クリスチャン:そうだね。きっと気に入ってくれていると、信じているよ。
——BB-8以外のあなたのお気に入りのSWのキャラクターはなんですか?その理由も教えてください。
クリスチャン:実にたくさんあるよ。まずはダース・ベイダーが大好きだ。100年間残るアイコニックなキャラクターはほんの少ししかない。フランケンシュタインのモンスターとかね。誰もがその頭の形を知っている。多分、(そういったキャラクターは)一握りだ。でも、ダース・ベイダーは忘れられないデザインだ。それはすごく明白なんだ。彼は大きくて、怖くて、ダークだ。でも、誰もそれをやったことはなかった。何かがそこにあるんだ。チューバッカもとてもアイコニックと言えるね。それは、「人間の親友である犬をやろう。でも、彼を7フィートの背の高さにするんだ」といった感じで(笑)。
——ダース・ベイダーもチューバッカもそうですが、ヨーダもR2-D2も、X-ウイングも、『スター・ウォーズ』には実に多くのアイコニックなデザインがあります。全ては、もちろん、ジョージの想像から出てきたわけですが、それを形にしたチーム全体が素晴らしいですね。
クリスチャン:それは僕らが学んでいることの一つでもあるね。『スター・ウォーズ』のデザインとは何かをやりながらね。それはシンプルなデザインなんだ。タイ・ファイターは、最もシンプルなものだよ。アイコニックなものは、ほとんど呆れるくらいにシンプルだ。でも、ある人が『スター・ウォーズ』を見たら、二日経っても、全ての形を覚えていて、それを描くことが出来る。
——今日は大変楽しいお話をどうもありがとうございました!
ILMスタジオとは?……
1975年、当時『スター・ウォーズ』を作ろうとしていたジョージ・ルーカスが設立したVFXスタジオ。
『スター・ウォーズ』シリーズはもちろん、これまでILMが制作した映画はというと、『レイダース/失われたアーク』『E.T.』『ネバーエンディング・ストーリー』『グーニーズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ』
『ミッション:インポッシブル』『ジュラシック・パーク』『ハリー・ポッターと賢者の石』『マトリックス』『パイレーツ・オブ・カリビアン』『トランスフォーマー』『アイアンマン』『アバター』『パシフィック・リム』などなど、などなど。面白いのほぼ全部じゃない?
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http://getnews.jp/archives/1990520