劇場版『Dance with Devils-Fortuna-』がシネ・リーブル池袋ほかで公開中。


『Dance with Devils』は、女性向けコンテンツメーカー・Rejetと音楽制作ブランド・Elements Gardenが初タッグを組み、ドラマティックな愛を描いたオリジナルの“ミュージカルアニメ”。2015年10月~12月にTVシリーズが放送され、劇場版では、TVシリーズからのカットに新作カットを加え、台詞はすべて新規収録! さらに新曲6曲を含む全15曲もの楽曲で物語を彩ります。



また、エンディングのあとには、“レムエピローグ”“リンドエピローグ”など各キャラクターごと6つのマルチエピローグ展開も用意。劇場内でのコール&レスポンス、ペンライトの使用やコスプレが可能な「アクマと詠う上映会」も実施されます。


今回は、リンド役として出演し、今作のエンディングテーマも担当している羽多野 渉さんにインタビュー。新録シーンについてや自身のアーティスト活動についても話を伺いました!


新規収録したことで見えてきた部分もあった


――ゲームやTVシリーズ、ドラマCDなど展開してきて、劇場版になったことについてお気持ちを教えてください。


羽多野:本当にお客さんが作品を愛してくださったおかげだと思います。スタッフサイドも、いろいろな遊び心を持ってこの作品を形にしているなと感じています。TVシリーズやゲームはそれぞれの良さがあって、ドラマCDも舞台もそれぞれの面白さがありますが、劇場版も監督さんたちの遊び心が満載だなと思いました。「どんな作品になるんだろう、楽しみだな」なんて思いながら収録させていただきましたね。


――劇場版は、ぎゅぎゅぎゅっと内容が詰まっていますね。


羽多野:そうですね。TVシリーズの裏ではこんなことがあったんだ、なんて場面もチラホラあって面白かったです。改めてすべて新規収録したことで見えてきた部分もたくさんありましたね。



――すべて新規収録し直して、見えてきた部分、感じたことは何でしょう?


羽多野:TVシリーズをエンディングまで迎えた上で、今回もう一度イチから戻ってアクマたちとのめぐり逢いから収録しているので、セリフの深さみたいなものは感じましたね。オリジナル作品なので、当時はストーリーの行き着く先がわからずにやっていたので。そういう意味では、なかなか普段の仕事にはない貴重な経験でした。


――劇場版のリンドの見どころを教えてください。


羽多野:すべてと言ったらすべてになってしまうんですけど、やはりミュージカルなので、音楽の中でストーリーの説明や感情の表現がされているというのも面白いところです。リンドのソロミュージカルシーンで、劇場予告映像にも出てくるバーのところで歌っているシーンがあるんですけど、あのネコと一緒に歌っているのはすごく嬉しかったですね。完成版を見たら、僕自身が飼っているネコを特別に描いて出演させてもらっていて……(笑)。答えを教えてもらったわけではないんですけど、あのたくさん出てくるネコの中に、うちのネコ(ムギ)にそっくりなネコがいたので、聞いてみたら「描きました」と言ってくださって。ありがたいなと思いました(笑)。


――そういった遊び心も散りばめられているんですね。


羽多野:出てくるネコには、スタッフさんたちが飼っているネコも何匹かいるらしいんですよ。スタッフさんたちはそうやって自分たちも楽しみつつ、愛をもって制作しているんだと知ることができました。



――まさに今お話に出たリンドのソロ楽曲は今回の劇場版での新曲のひとつですが、アクマやこれまでの経緯などを説明する、TVシリーズではなかった演出だったのでとても面白かったです!


羽多野:あそこでTVシリーズの何話分かを説明しています。おじいさんのことを全部歌で説明しちゃいましたからね(笑)。リンドの目線で、自分が何をしてきたのか、ということを妹に語っています。TVシリーズで僕の中では屈指の名シーンだと思っている、玄関先で熱唱するってシーンがあるんですけど、それは劇場版にはなくて、その代わりにバーで歌っているシーンが入りました。今回、なんだかリンドに託されている使命が暗さよりもアップテンポな明るさみたいなものが多くて。このリンドのソロ楽曲は、監督さんの「リンドにシャバダバって歌わせたい」って一言で生まれたらしいです。ぜひ劇場で一緒にシャバダバしてくれたら嬉しいなと思います。



――リンドがシャバダバするイメージはあまりなかったので、意外でした。


羽多野:僕にもなかったですね(笑)。


――あのシーンの衣装も素敵で、リンドは本当に見どころが多いですね。


羽多野:ありがたいですね。バーにいるときのリツカもドレスアップしていて、大人っぽい感じです。でも、例のごとく、リンド視点のカメラに切り替わると、だんだんとリツカの下半身の方に目線がいっていますので、そこも見どころのひとつだと思います(笑)。やっぱりそこは健在だなって。監督のこだわりが随所に散りばめられています。


――ファンは、そういったこだわりポイントを見つけるのも楽しいですね。


羽多野:『ダンデビ』の楽しみ方ってすごく幅広いですよね。トキメキももちろんありますけど、それとは別の面白さも楽しんでいただきたいです。


――ソロ曲のシーンはもちろん一番の見どころですが、全体的な見どころをあげるとすれば何でしょうか?


羽多野:やっぱりミュージカルアニメですから、音楽シーンがとにかく多いんですよ。思わず身体が動き出しちゃうようなノリノリな音楽が多いです。『ダンデビ』の音楽っていろいろなジャンルの音楽が入っているので、そこがまた見どころのひとつなんじゃないかなと思います。今回の劇場版では、ミュージカルシーンの画面上に歌詞のテロップが入るので、お客さんも一緒に声を出していただくことが可能だと思います。一緒に楽しめる上映回(アクマと詠う上映会)に参加する機会があったらぜひ遠慮せずに声を出していただきたいです。


――他の登場キャラクターの楽曲で印象的なものはありましたか?


羽多野:ジェキが今回歌っている楽曲は、ヴァンパイアの怪しげな雰囲気が出ていて、なおかつアンサンブルが入ってきたり、奥深い面白さがあります。ジェキのキャラクターが随所に散りばめられていて楽しいですね。今、車の中でずっと聴いています。



――かなりお気に入りなんですね。


羽多野:僕(リンド)はちょっと関係性が複雑なので、一緒に歌うことはできませんでしたけど、一緒に歌いたくなるような歌です。


――テンポよく楽曲が入ってくるので、すごく見やすいと感じました。新曲の他に、劇場版では、マリウスといったミステリアスな新キャラクターも出てきていますね。


羽多野:マリウスは今回、『ダンデビ』の世界のストーリーテラー。それも僕は大いなる伏線だと思っています。もし次のステップに『ダンデビ』が進んだら、マリウスも大活躍しそうですよね。リツカにとってマリウスがどういう存在なのか、非常に気になります。


――また、上映回によってそれぞれのエピローグが用意されていますがリンドのエピローグはどんなものでしょう?


羽多野:リンドのエピローグを観たお客さんは、少しゾッとして終わると思います(笑)。ちょっとお兄ちゃん怖いな、重すぎない!?って思われるかもしれないですね。最初のテイクはに台本通りにやったら、監督さんに「さすがに怖すぎるんで、もうちょっと軽くやってください」ってお願いされました(笑)。


羽多野「役者としてお芝居のように音楽活動もしていきたい」


――今回、エンディングテーマも担当されていますね。とてもポップな曲だったので、『ダンデビ』の曲として渡されたときは驚かれたのではないでしょうか?


羽多野:何かの間違いかな?と思うくらいでした(笑)。でも、アレンジが加わってビックバンドサウンドになり、そして監督さんから、“ミュージカルの作品が終わったあとのカーテンコールのイメージで、舞台を終えた役者さんたちが笑顔で袖からわーっときて、賑やかにお客さんたちと楽しい時間を過ごす”というイメージを聞いたら、「ああ、なるほど!そういう表現だったんだな」と思いました。そこで理解できて、思い切って歌うことができましたし、完成版を聴いて改めて、「やっぱり『ダンデビ』の曲だな」と思いました。また新たなジャンルに挑戦させてもらえて嬉しかったです。


――羽多野さんご自身の先日のシングル『ハートシグナル』も明るい楽曲で、ポップな楽曲が続いていますね。


羽多野:羽多野 渉という個人の内面に、ポップとかキャッチーさはあまりないので、楽曲でそういう世界に飛び込ませていただけるというのは、とても嬉しく、役者冥利につきます。限られた人生の中でいろいろな挑戦ができるのは、そんな幸せな時間はないことなので、ありがたいなと思います。



――キャラクターソングもたくさん歌われていますが、羽多野 渉として歌うときはどういった心境で歌っていらっしゃるのでしょう?


羽多野:この『ダンデビ』は、まさにその集合体で、リンドとして歌っているときは、頭のなかではリツカのことしか考えていないんですけど、羽多野 渉として歌っているときは、作品全体を俯瞰で観て歌っているので、よく聴くと歌声も違うと思いますし、熱量みたいなものが若干違うと思います。自分自身として歌うときは、やはり冷静な部分も1コ持ちながら歌っているところがありますね。


――羽多野 渉として歌うときに、気をつけていることはありますか?


羽多野:自分自身で歌うときは割りと自然体ですね。キャラクターのときの方が、キャラクターの目線で歌詞を咀嚼するとこうなるかな、と考えなら歌うことを意識しています。


――今後、アーティスト活動の目標や夢などありますか?


羽多野:自分自身がやりたいことというよりは、その時その時いただく機会を、全力で表現していくことが目標です。大いなる野望としては、役者としてお芝居のように音楽活動もしていきたいです。だからタイアップって非常にありがたいんですよ。キャラクターだけでなく、その作品に役者として音楽で貢献できるって幸せなことだなって思います。それは、アーティストではなく役者だからこその向き合い方というか、羽多野 渉なんだけど、毎回違う表現ができるというのが、とても楽しいなと思います。自分からこれがやりたいとかではなく、「この歌を歌ってください」と言われたら、「わかりました!」とその歌の世界に自分のカタチを変えて入っていくっていうのがやりがいがあります。


――歌に関しても役者として向き合っているんですね。では、作品をご覧になるみなさんにメッセージをお願いします!


羽多野:劇場版『Dance with Devils-Fortuna-』は、新録曲含めて音楽がたくさん散りばめられています。ぜひ劇場で楽しい時間を過ごしていただきたいです。エンディングテーマ『KING &QUEEN』もTVシリーズからここまでの『ダンデビ』の世界を表現している歌詞にもなっていますので、劇場に足を運んでいただいて、良いなと感じたら『KING &QUEEN』のシングルもお手に取っていただけますよう、よろしくお願いいたします!


<エピローグ上映スケジュール>

・11月4日(土)~11月10日(金)

鉤貫レムエピローグ、立華リンドエピローグ

・11月11日(土)~11月17日(金)

楚神ウリエエピローグ、南那城メィジエピローグ

・11月18日(土)~11月24日(金)

棗坂シキエピローグ、ローエンエピローグ

※1度の上映につき、1キャラクター分のエピローグの上映となります。

※期間内でご覧頂く上映が、どちらのキャラクターのエピローグになるかは、上映の各劇場公式サイト等で事前にお知らせいたします。チケットご購入前に、ご確認下さい。


劇場版『Dance with Devils-Fortuna-』公式サイト:

http://dwd-movie.com/


ここからは少しネタバレ!エンディングについて


少しネタバレになりますが、エンディングについてもお話を伺いました! 



――リンドとリツカのデュエットソングも、いつものリンドとはまた違って、明るくキュンとさせられるシーンでした。


羽多野:ありがとうございます。最後のセリフだからどうしても気合が入るというか、思い入れが強くなってしまうんですけど、それをあえてサラッと言うことで、新たなスタートでもあり、これが正常なカタチみたいなイメージを持って演じました。リツカのセリフにちょっとほろっとさせられましたね。収録中、本人(茜屋日海夏さん)にも言いましたけど、すごく良かったなと思います。妹から特別な存在に変わるお芝居がとても心地の良いものでした。


――それはやはり一度TVシリーズを経験して、また振り返って収録したからという部分もあるのでしょうか。


羽多野:それはあると思います。TVシリーズのときにはやっぱりお兄さんと妹でしたから、確実にない表現だったと思います。


――本日はありがとうございました!


また、明日には、ガジェット通信の撮り下ろしグラビア企画『ガジェット男子』に羽多野 渉さんが登場! そちらの撮り下ろしショットもぜひご覧ください!

※ガジェット通信とOtajoは姉妹サイトです。


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[撮影:周二郎]


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情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 羽多野 渉はジェキの楽曲がお気に入り!劇場版『Dance with Devils-Fortuna-』インタビュー[オタ女]