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地方から東京に移り住んで、アイドルとして活動する女の子たちの東京やふるさとに対する思いや日常をうかがう「アイドル上京ものがたり」。今回は北海道旭川市出身のMaison book girl・和田輪さんにお話をうかがいました。
年末にはZepp DiverCity TOKYOでのワンマン公演も控え、連日熱のあるステージを披露しているMaison book girl(通称ブクガ)。そのスタイリッシュなサウンドを彩る歌声、一見クールな表情からのこぼれるような笑顔、そして無条件に注がれるメガネ愛で知られる和田さん。北海道は札幌に近ければ東京の空気に触れることは比較的容易いことかもしれない。しかし旭川は札幌まで約140km。旭川生まれの少女が、どんな東京の風景に憧れ、どんな街に溶け込んでいったのか。
--和田さんは北海道旭川市出身だそうですが、すいません基本的なところから聞きたいんですけど、旭川って北海道で何番目に大きい街なんですか?
和田 大きさというか人口でいえば第2の都市なんですけど、街並がもうぜんぶイオンになっちゃって。
--あー、人口第2位の都市でもそういう光景なんですね、もう。
和田 昔は今より駅前通りが栄えてて、ファッションビルのマルイさんとか西武とかがあったんですけど、それが今はぜんぶ潰れちゃって。でも当時も都会かっていうと、そういう都会ゾーンは30メートルくらいで、ちょっと出ると田んぼあったりとか、そういう感じでしたね。
--学生のころは街に遊びに行く子どもでした?
和田 うーん、高校のころとかはずっと学校に溜まってました。ちょっと進学校だったんで、みんなマジメで。もっと子供の頃は習い事ずっとやってたんですよ。ピアノをずっとやってて、あと少年少女合唱団とか。
--幼いころから音楽はやってたんですね。
和田 物心ついた頃からヤマハ音楽教室に入ってました。あとお父さんが楽器とか好きで、家にギターとか、なんかよくわかんない笛とかいっぱいあったんですよ。昔なんかやってたとかは知らないんですけどね。ギターもNHKのギター講座で習得したって言ってました。
--音楽はずっと身近にあったと。そんな和田さんは東京に対する憧れって子どものころありました?
和田 あったと思います。中学校か高校かおぼえてないんですけど、ツイッターが流行り始めたころかな。東京のサブカルとかアングラっぽい人たちが現実で会ってるのを見て、「私も東京に住んでたらな」って思った記憶はほんのりあります。高円寺とか中野方面の。
--中央線カルチャーな。そういう世界は何経由で知ったんですか?
和田 近所に住んでる友達で、小中大と一緒の子がいるんですけど、その子が美術系の一家だったんです。おばあちゃんが画家とかで。その子の影響ですね。
--旭川にはそういうカルチャーに触れる場所はなかった?
和田 なかったです。
--じゃあ札幌に行こう、って年齢や距離じゃないんですかね、旭川って。
和田 はい、中学生だとちょっときついです。往復5000円くらいで3時間かかるんで。昔は旭川にヴィレッジヴァンガードのフランチャイズ店があって、そこが唯一のサブカルの砦で当時は友達とふたりで行ってました。今焼肉屋さんになってしまったんですけど……。
--サブカルの敗北ですね(笑)。
--見たいもの、知りたいものが近場にないとネット中心になりますよね。
和田 はい。それでツイッターとか見て、制服に憧れてたんですよ。セーラー服がシンボルとしてあるじゃないですか。すごい憧れてました……。東京に来て、男子小学生が『ライチ光クラブ』みたいな制服着て歩いてるの見て、すごい感動したんですよ!あの学生帽かぶる学校ってまだあるんだ!って。
--じゃあコスプレイヤー方面に興味持ったんですね。あんまり二次元方面にはいかなかった?
和田 そっちはなかったですね。なんでだっけ……。やっぱり人間の方が好きだったんで、ツイッターとかでそういう写真とか見て。
--前にもふくちゃん(福嶋麻衣子さん。でんぱ組.incのプロデュースや秋葉原ディアステージ立ち上げで知られる)にインタビューさせてもらった事があって、その中で秋葉原の変遷の話になったんですけど、「2000~2005年が2次元の時代、2005~2010年がメイドとか2.5次元の時代、2010~2015年がアイドルの時代」っておっしゃってたんですね。和田さんがハマってたのはまさに「2.5次元の時代」で、全国的に和田さんみたいな子がいたんでしょうね。
和田 ああ!わかります。メイド喫茶で働きたいって願望がありました、本当に。二次元キャラクターが好きというよりも、コスチューム萌えみたいな。
--実際そういう服着たりはしなかったんですか?
和田 なかったですね……ゆめかわみたいな格好はしてましたけど。旭川、何もないんであるものでなんとかって感じで。この前、松永天馬さん(アーバンギャルド)とトークイベントやらせてもらって「君、地元でロリータ服着てたでしょ?」って言われましたけど、着てなかったんですよ。旭川だとひとりもいないんで、そういう服の子。
--メイド喫茶とかはなかったですか、旭川。
和田 なかったですね……。
--自分でメイド服買って着たりとかは?
和田 メイド服初めて着たのはいつだったっけな……。たぶんセーラーカラーのワンピースとプリーツスカート買って、私服でちょっとそれっぽくやるくらいでした。もっと着てみたかったんですけど。もっと揃えようと思えば揃えれたんでしょうけど、旭川にはそういう人たちが他にいなかったんで。
--初めて着た時はテンション上がりましたか。
和田 ふふふ、そうですね、なんか… …はい。
--その頃は実際に東京に行ってみたいな、そういう世界に触れてみたいな、ってのはありました?
和田 まあ、あったと言えばあったんですけど、遠い話すぎて私には縁のない話かもしれないなと思ってました。
--それで上京するきっかけになったのは何だったんですか。
和田 美大に受かったんです。それで東京に。
--あ、音楽の話は出てましたけど美大だったんですね。なぜ美術系を選んだんですか?
和田 何か……勉強したくなくて(笑)。
--そんな理由で!
和田 ずっと音楽好きだったし、ピアノもずっとやったんで、最初は音大に行きたかったんです。でもピアノの先生にすごい止められちゃって。先生も音大出てるからいろいろヤバさがわかるみたいで。生半可な気持ちでは行けんぞと。美大も、その辺のことに興味があったのと、さっき話が出た友達も行くことになってたんで、それで選択肢になりました。
--それは「東京に行く」ってのも理由としてありました?
和田 そうですね、行けるもんなら……というのは。高校受験とかもぜんぶそうだったんですけど、ぎりぎり自分が行ける最高のところに行きたいと思ってたので、だったら東京の美大かなって。
--それで見事合格、東京生活へ。
和田 はい、受かっちゃって。
--ちなみにそれまで東京は行く機会ってあったんですか?
和田 あの、最初は高校の時の修学旅行で一瞬通りがかったくらい。大阪がメインだったので、本当に通りがかっただけで。その後、学校見学で来てます。大学入試の前に。
--それが最初の上京。
和田 そうですそうです。それが高3くらい。
--大学見学がメインだったと思いますけど、本物の中野・高円寺も行きましたか。
和田 いろいろ見に行きました!ここぞとばかりに。中野ブロードウェイと、あと高円寺マッチングモヲル……。(中野ブロードウェイ:中野区にある商業施設と集合住宅の複合施設。オタク・サブカル系ショップが多く入居しており「サブカルチャーの聖地」と呼ばれている)(高円寺マッチングモヲル:杉並区高円寺にあるアングラな空気漂う喫茶店。正式名称は「前衛派珈琲処マッチングモヲル」)
--ど真ん中ですね!ブロードウェイは有名ですけど、マッチングモヲルも聖地ですねー。
和田 行ってみたかったんです!「なるほど、ここが……」という気になって帰ってきました。
--ブロードウェイはどうでした?
和田 その時はドールに興味があって、でも旭川にお店がなくって。その時、実物を見て感動しました。
--秋葉原は行かなかったんですか。
和田 たぶん行ったんですけど、そこまで覚えてないんですよ。
--中央線でも東京西側の人だったと。それが実際住むことになって、当然ひとり暮らしになるわけじゃないですか。
和田 嬉しかったです……。東京に住むのが嬉しかったのもありますけど、ひとり暮らしが嬉しかったっていう記憶があります。誰にも怒られず、自分の好きなようにできるんで。家族は嫌じゃなかったんですけど、ひとりで縛りのない生活をしたかったんです。玄関開けた瞬間から全部自分の好きなようにしていいのが嬉しかったですね。
--もうそこから中央線ライフどっぷりですか。
和田 でも、あんまり出なかったんですよね。その後、秋葉原のアルバイトが受かるまでは、わりと大学周辺でちょこちょこと生きてました。
--せっかく東京住んだし、いろいろ行ってみようとか思わなかったですか?
和田 そうなんですよねー、行けばいいのに。新宿とか渋谷もそんな遠くなかったんですけど。あと課題をこなすので必死で、東京に来た実感があまりなかったかもしれないです。
--じゃあ、さっき名前が出た秋葉原でのアルバイトが、東京での生活が変化したきっかけなんですね。
和田 はい。えっと、高校生の時くらいからでんぱさん(でんぱ組.inc)が好きで、その辺のカルチャーも好きで。それで大学1年になった時に秋葉原でアルバイトしてみようと思ったんです。高校までは校則で出来なかったんで。憧れてた店がたまたま大量募集してる時期だったんで、生まれて初めて履歴書書いて送って。
--東京に住むようになって、秋葉原は行かなかったんですか?
和田 足を運んでなかったんですけど……そういう世界はインターネットで。
--東京に来たのにネットで情報収集!
和田 田舎の時からの習慣がしみついてるんで。行かないともったいないですね、本当に……。
--憧れてたお店で秋葉原にバイトで通うようになって、生活変わりました?
和田 今思うと課題とアルバイトをどうやって両立させてたか謎なんですけど、本当に秋葉原通うのが楽しくなって。最初は飲食のお店とかやったことなかったから、すごい胃とか痛めてました。毎日お腹痛かったんです。
--秋葉原だとメイド喫茶とかコンセプトカフェとかいろいろありますけど、和田さんが働いてたお店もけっこうお客さんと話すような所ですよね。
和田 はい。わたしこの頃、本当に人生でいちばんコミュニケーションが取れない時期で、人と喋るのが苦手なのに初対面なんてもってのほかという時期だったんです。それなのに接客会話に重きをおいてる仕事についてしまってうっかり……大変でした。
--マニュアルとかなかったんですか?
和田 ないです。ツイッターを昔から使ってたんで、自分が何を好きなのか発信していくスタイルを取ろうと思って、めっちゃいっぱいツイートしてたら、それを見たお客さんがそれをネタに話しかけてくれるようになって。本当、この頃はリハビリをさせていただいたと思ってます。
--かなりお客さん頼みなスタイルで(笑)。それで慣れて楽しくなりましたか。
和田 はい。働いてる子も、そもそも好きでそこに集まってるんで、気が合う子が多くて。
--コスプレ欲も満たされるし。
和田 それも楽しかったです(笑)。
--学校に行きつつも、秋葉原にどっぷりですか。
和田 それが、学校にも行ってたんですけど、自分の中でいちばんやりたいのがそっちになってきちゃって、だんだん割合が……。そのお店が音楽活動とも近くて、そもそも最初にやりたいと思ってたのが音楽ですし、自分の中でも出来るものならやりたいなっていうのはあって。それがふつふつと湧き上がってきて。
--「やっぱり音楽やりたい!」という気持ちが。
和田 旭川にいる時は「音楽でやってくとか無理だよ」って言われて、わたしには無理だって思ってたんですけど、いざ東京に出てきたらいろんな窓口があって、行けばやれるもんだなと思っちゃったんで、大学辞めちゃいました。
--中退ですか。
和田 はい。一年生のちょうど終わりです。
--ブクガ加入が決まる前ですよね。
和田 はい、ずっと前です。
--そこ度胸ありますよね。
和田 本当ですよね!えへへへへ。
--自分だったら、もし転職するとして次が決まらないと辞められないタイプなので。決まってないけど辞めるってのは思い切りいいですよね。
和田 いやー、自分もずっとそうだったんですけど、その頃すごい鬱みたいになったんですよ。岩の絵を描くのが辛すぎて……。
--授業で岩の絵ですか。
和田 岩にあまり興味が持てなかったんです(笑)。
--まあ、岩にはなかなかねえ。
和田 入る学科が違ったらまた違ったと思うんですよ。アートよりも工芸だったと思うんですよ、私が行くべきだったのは。間違えちゃったですね。それにもうちょっと踏ん張れば、また好きなことがやれるゾーンが来てたかもしれないですけど……。
--でも自分の中ではもう音楽をやるんだと。
和田 もう本当に朝とか起きれなくなって……。それで辞めちゃいましたね。
--今思い出してみて、その頃の秋葉原ってどこが楽しかったですか?
和田 その頃はコンセプトカフェに魅力を感じてて。そういうお客さんがキャストのことを好きで通ってて、キャスト側も愛をふりまくことで成立してて。なんかそこにお金のやり取りが生まれることによって、キャスト側からするとすごい信憑性が湧くんですよ……。わたし、ちょっと気持ち悪いこと言ってます?(苦笑い)。
--いや、面白いこと言ってますよ!「キャストが感じる信憑性」とはどういう意味ですか?
和田 この対価を払うということは、つまりその分の犠牲を払っていいくらいには私のこと好きなんだ、みたいな。キャストでいるうちは、それを信じられる時間なんだというのはありますね。それにキャスト側にいると楽屋の感じもわかるんで、女の子の側にもその気持ちが伝わってるのが分かるんです。
--「客から巻き上げるぜ、へっへっへ」みたいな 嫌な感じではなくて。
和田 そうじゃなくて(笑)。そこに愛があっていいなと思ってました。それってアイドルも同じだと思うんですけどね。
--あらためて東京に引っ越したころの話を聞きたいんですけど、自分の部屋が決まって住み始めた最初の日のこととか覚えてますか。
和田 えぇっと、間取りを見た時のことは覚えてるんですけど、その後はどうだったかな……。嬉しかった思い出が思い出せないんですけど、「ユニットバスってやっぱ嫌だな」ってことを思い知りました。トイレがじめじめするのは嫌だなあって。
--次はセパレートに住むぞ!と。最初に思ってた「誰にも怒られず、自分の好きなように」ひとり暮らしは出来ましたか。
和田 いやまあ、好きなように出来るのは嬉しかったですけど、散らかりました(笑)。
--あはは、誰も片付けてくれないし。
和田 それが心地よくもあったんですけど。人様にお見せできる状態ではないんですけど、家から出るときはちゃんとするし、中の事ができてなくてもそっとしておいてもらえるという点では、すごく快適に暮らしてます。
--ホームシックとかは?
和田 ないです(きっぱり)。そっとしておいてほしいタイプなんで。
--初めての一人暮らしでご飯作ったりちゃんと出来ました?
和田 初めの頃は全然できなくて、何食べてたっけ……学食があったんですけど、ご飯の用意の仕方が分かんなくて、ちょっと痩せました。今はちょっと作るようにしてます。そんなに身構えなくても食べるものは作れるんだなって気づいたんです。前は主婦が 全員分作るのしか見たことなかったんで。一人前が作れるようになりました。
--では得意料理は。
和田 得意料理っていうか、普段食べてる雑なご飯は豚肉とキムチを炒めて、レンジでチンしたもやしをざっと入れて 食べてます。
--いいですね、一人ごはんって感じで。
和田 いいでしょ。ごま油でキムチを炒めるんです。
--実際に東京に住んでみて 普段の生活で驚いたことってありますか?よく聞くのが「北海道の人はゴキブリを見たことがない」って。
和田 ああ!!それは本当にそうです。東京に来て見てびっくりしました!家の中に出る生物とは聞いてたんですけど、逆に外の自販機の下に歩いてるのを見てびっくりして。実際見るまではカブトムシみたいなもんだろうと思ってたんですけど、目にした瞬間鳥肌が立って。ちゃんと刷り込まれてるんだなと思いました……。
--本能として ゴキブリ 怖い!ってのが。北海道ならではって他にあります?
和田 驚いたってのじゃないですけど、季節の変わり目の時に服装がおかしいことを突っこまれるんです。たぶん私が個人的に温度の変化に鈍感なんだと思うんですけど、私的に10月ってすごい寒いはずなんですよ。 だから秋ってどうしたらいいか分からなくって。こっちで皆やってる「薄手のニット一枚で過ごす」ってのがすごい怖くて、夜冷えるんじゃないかと思うと……。
--北海道って室内がすごく暖かいから、意外とみんな部屋の中では薄着って聞いたことあります。
和田 そうなんです。薄っぺらいやつにコート一枚とか着てたりするんです。でも東京だとコート脱いだら下は半袖だと突っ込まれるんですよ!不思議なもんですよね。
--さてブクガに加入してからの話も聞きたいんですけど、大学辞めてオーディションで加入したわけですよね。音楽一本の暮らしになって和田さんの生活は変わりましたか。
和田 新宿とか渋谷に適当な格好で行けるようになりました。それまでは都会だ!って感じで構えてたんですけど、行こうと思えばスッと行けるんだなって。
--それまでは気合が必要。勝負服で行くぞ!みたいな。
和田 勝負服まで行かなかったですけど、あー、でも何着てたっけ……その前もちゃんとした格好してなかった気がします。まあ、ずっとダサいんですけど。制服とかに興味がありすぎて、リアルクローズに興味が持てない人生なんですよ。
--最初の頃は渋谷新宿は怖いってイメージがありましたか。
和田 怖かったです。まさか自分が毎日のように歌舞伎町の奥に入ってくとは思ってなかった。ヤクザ映画とかマンガに出てくる場所だっていう。歌舞伎町の入り口の光る門みたいなところとか。最近やっとしっくりきました。
--最近なんですね、もう上京して4年近くなるのに!
和田 ライブハウスに行くのが増えたんですけど、しばらく毎回緊張してました。昔はわたしライブハウス行くのが怖かったんですよ。
--音楽好きなのに、東京来てからあまり行かなかったんですか?
和田 また地元の話になるんですけど、アーティストさんがツアーとか回るじゃないですか。北海道はせいぜい札幌なんですよ。なので旭川に住んでた頃はぜんぜんライブハウスとか行ったことなくって、東京に来てからもライブハウス行くのはすごい大ごとだったんですよ!まず行くぞと決めて、チケットを取って、コンビニでお金を払って、もらって当日支度をして、財布にそれが入ってることを確認して……そのくらい「いざ!」ってならないといけないんです。だからアイドル好きな人たちのフットワークの軽さってすごいなって本当に思ってるんです。
--普段の生活で自分が地方の人間だなと感じる瞬間ってありますか。
和田 えー、そうだな……。北海道ってそんなに訛りないんですけど、すごい細かいイントネーションの違いとか突っ込まれた時とか。コーヒーのことコーヒー(コにアクセント)って言うんですよ 。
--本当に細いですね(笑)。
和田 本当に細かいとこばっかり違うんですよ。あと「ビタミンカステーラ」っていう大きめの菓子パンみたいなのがあるんですけど、それが置いてあるの見かけたら大きめで反応してしまいます。(ビタミンカステーラ:旭川市にある高橋製菓の銘菓)
--北海道といえば、物産展あちこちのデパートでやってますよね。ああいうの見たら北海道の人ってテンション上がるんですか?
和田 アガりますね!素直に上がります。ビタミンカステーラ、カツゲン、あと何かな……鮭とばの大きい袋!ジップロックみたいなのじゃなくてすげー大きい袋、でかいやつ。それ見たらアガりますねー。
--しょっちゅう北海道物産展ってやってますけど、やっぱアガるもんなんですね。
和田 あと、その辺の回転寿司の寿司が美味しいと思えない時は地元の味を思い出しちゃいますね。
--北海道は回転寿司でも美味いっていいますもんね、こっちに比べたら。
和田 本当に生魚は全然違います。あっちは回転寿司とかスーパーのパックでも、めっちゃ美味しいんで。そこはちょっと悲しかったです。あとは……いっぱいありそうなんですけど 結構慣れちゃって。
--東京の女になったなって感じですかね。アイドルやる上で地方出身でいい所あると思いますか?
和田 北海道でライブをしたりする時に、地元の人たちが愛着を持ってくれるのが嬉しいですね。ブクガ知ったばっかりでも地元っていうんで愛情を持って見てくれて。そういう地元がある強みってあると思います。東京で実家暮らししてるアイドルも羨ましいんですけどね。
--まあ、生活する上ではそれは感じますよね。
和田 家賃払わなくてどんだけいいか……。東京に来て何が一番馬鹿らしいって家賃なんですよ。生きてるだけなのにお金が……。
--でも地方は地方で車とか持ってなきゃいけないですし。
和田 ああ、それはありますね。お父さんとお母さん、一台ずつ車持ってます。ただ雪かきをしたくない!
--実家だと頻繁なんですか。
和田 雪かきしなくていいってめちゃくちゃすごい事なんですよ!旭川だと降る時は毎日降るんです。30センチぐらいの積雪が毎日。朝はまず近所の方が雪かきをしてくれてるおかげで通学できる、みたいな状態なんで。ちょっと早いと雪の中ズボズボ歩いて獣道を作らないといけないですし。
--服の話がさっきありましたけど、東京の人は寒さに弱いと思ったりします?
和田 寒さに弱いって言うか、冬の路面に弱いですよね。スニーカーですっ転んでる人を横目にヒールでスタスタ歩くのがすごく楽しいです。
--足腰の強さは旭川育ちだからなんでしょうね。では最後に和田さんから見た、東京に住んでわかった地元の良さってありますか?
和田 えー、そうだなー……。地元に帰った時に、すごいおしゃれな人たちが大通りの過疎り始めてるところに集まってセッションしてたんですよ、楽器を持ち寄って。旭川って家具とかも有名で、デザイン系の人たちが集まるところとかあったりして。
--一度田舎を離れると、そういう若い人たちか芽吹かせてるシーンとか眩しく見えますよね。自分はそこから離れちゃったわけですけど。
和田 生まれた土地だからってのもあるけど、ゆっくり出来て過ごしやすいところだなってあらためて思います。
--若い頃だと物足りなさみたいなのもあって、外に刺激を求めてしまいますけど、年取ってそういう気持ちが削げた後だとあらためて馴染むのかもしれないですね。
和田 外からのものより、自分の中でやりたいことができたら余生をそれで過ごすのもいいかなって。
--帰ったら美術やりましょうよ!岩の絵とか書いて。
和田 あははは!それもいいかもしれないですね(笑)。
■Maison book girl最新情報
2017.12.23 New single「cotoeri」発売
特設サイト:http://www.maisonbookgirl.com/cotoeri/
2017.12.28 “Solitude HOTEL 4F” @Zepp DiverCity TOKYO開催
特設サイト http://www.maisonbookgirl.com/4f/
Maison book girl公式サイト:http://www.maisonbookgirl.com
和田輪公式ツイッター:https://twitter.com/Rin_wada
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(執筆者: 大坪ケムタ) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか