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今の時期、お誕生日を迎える人は、さそり座生まれだと思いますが、あまり馴染みのない生き物“サソリ”。みなさん、サソリってどうやって生まれてくるか知っていますか?
先日、某水族館の企画展示で知ったのですが、サソリって卵ではなく、“赤ちゃんを産む”んですよ!! 産卵じゃなく、出産! 哺乳類意外の生き物が赤ちゃんを産むのってとても不思議ですが、クモなどの仲間のサソリが赤ちゃんを産むなんて!
お母さんサソリの背中に、たくさんのまだ白い小さなサソリがうじゃうじゃと乗っている写真があり、「うわああああああああああ」とその見た目にもかなり衝撃を受けました。
詳しいことが気になったので、サソリや節足動物についての著書を持つ、秋山智隆さんにコンタクトをとり、サソリの繁殖について教えていただきました。
秋山さんによると、サソリが赤ちゃんを産む仕組みとしては、「卵の期間はメスのお腹の中に居て、孵ると腹部の下にある生殖口から赤ちゃんを産み落とす」のだそうです。出産数は種類によって数匹~100匹前後! しかも、お母さんサソリが自分の脚で赤ちゃんを受け止めるらしいです! 優しい……。
そして、赤ちゃんは最初に脱皮するまではお母さんの背中に張り付いているんですって……。この様子がすごいです……。
この先は、秋山さんより画像もご提供いただいたので、虫やクモなどのたぐいが苦手な人、小さな虫がうじゃうじゃいるのが苦手な人は本当に閲覧注意です! ここからスクロールするのは自己責任ですからね!?
※交接の写真はレッドクロウエンペラースコーピオンです。その他の写真は全てダイオウサソリです。
サソリは繁殖の相手を見つけると交接を行います。
オスがメスのハサミを掴んで、交接に適した場所を見つけるためにウロウロする様が、まるでペアでダンスをしているようなので、その様子を「婚姻ダンス」と呼ぶ人もいます。
精子の入った精包と呼ばれる包みを地面に放出し、メスがそれを取り込むことで交配が完了し、妊娠期間は種類によって数カ月から2年弱程です。ダイオウサソリの場合ですと交接から6~7カ月で出産します。
一部の種類については、単為生殖(オス不要)で殖えるものも居ます。日本にも生息しているヤエヤマサソリはメス単体でも繁殖することが良く知られています。
卵の期間はメスのお腹の中に居て、孵ると腹部の下にある生殖口から赤ちゃんを産み落とします。その時母サソリは、前の脚(ハサミではなく脚)を内側に折り曲げて赤ちゃんを自ら受け止める籠を作って、そこに産み落とします。
出産数は種類によって数匹~100匹前後とばらつきがあり、ダイオウサソリの場合は、通常15から多くて30匹前後です。妊娠期間中の栄養状態が悪かったり若い個体だと少なくなる傾向があるようです。
産まれてすぐに母親の脚等を伝って背中まで自力で這い上がり、そこで1度脱皮するまでの数週間程度は、母親の背中に張り付いています。
その間母サソリは赤ちゃんを背中に乗せた状態で日常生活を送りますが、最初の脱皮するまで赤ちゃんはエサを取らないので、外敵から身を守ったり安全な場所に身を潜めて置く程度の世話になります。赤ちゃんは食べませんが背中に乗せた状態でも母親はエサを食べます。産んだ後はゲッソリしちゃいますから当然かもしれないですね。
赤ちゃんが母親の背中で一度脱皮をすると、いわゆるサソリらしい体型となり、脱皮数日で体が固まると、親の背中から降りて独り立ちします。
その後、種類にもよりますが4~9回程度脱皮を繰り返し、成熟すると相手を見つけて繁殖します。
成体までの期間は1年から数年と種類によって幅があり、ダイオウサソリだと2~3年で繁殖可能サイズまで成長するようです。サソリは種類によって寿命にもかなり差がありますので(2~25年)、成熟までに要する期間もそれぞれ異なります。
また、「サソリは殆どの種類でブラックライトを当てると光るという点も面白いですね。割と最近まで全てのサソリが光ると思われていましたが、2012年に発光しないグループが論文に記載されて話題になりました。何のために光るのか(紫外線を感知するのか)は諸説あり、未だにはっきりとした理由は分かっていません。特別光る意味はないという説もあります」なんてお話も。
私も、ブラックライトで光るサソリの様子を見たことがあります。見た目の造形も含め、サソリって本当に面白いですね。
秋山さんは現在来年用のカレンダー『2018タランチュラカレンダー』を制作中。クモやサソリに興味がある人は、秋山さんのホームページを訪れてみてください! Twitterアカウントも虫など苦手な人は閲覧注意です。
秋山智隆さんHP:
http://city.hokkai.or.jp/~pia/first.htm
Twitter @Akiyama_t[リンク]