「山芋」は長芋、大和芋、自然薯などの総称で、粘りが特徴の芋類。山芋料理は粘りを利用したとろろが代表的ですが、切り方や加熱の仕方でさまざまな食感や味わいを楽しめます。


そこで、前回の「栄養について」の記事に続き、今回は山芋を選ぶ際のポイントと、おいしさを引き出すための調理のコツをご紹介します。


ひげ根が多いものほど粘りが強い



旬は10~3月ですが、「ひね物(倉庫などで貯蔵されたもの)」は通年で出回っています。毎年10月ごろに並ぶ「新物」はみずみずしい味わい。ひね物は、粘りが強いのでとろろに向いています。店頭では丸ごとか、カットされた状態で売られています。カットされたものは、切り口が白くみずみずしいものが新鮮な証。無漂白のものだとなお良いでしょう。


おいしい山芋の選び方


皮が薄くてハリがあり、傷や斑点がなくきれいなもの。


手に持ったときにより重量感があるものを選ぶ。


ひげ根やひげ根の跡が多いものは、粘りが強いとされている。


表面の凹凸が少ない。


酢水であくぬきとかゆみ予防



山芋は皮の下にあくがあるので、厚めに皮をむきます。変色を防ぐため、すぐに調理するか、酢水(山芋がかぶるくらいの水に酢を1、2滴加えたもの)に10分ほど浸して、あく抜きをしてください。山芋が手につくとかゆくなる人は、調理前、酢水を手につけるとかゆみ防止になります。


皮むきのポイント


皮をむく際に、手で握る部分の皮を残しておくと、ぬめりで手が滑るのを防ぐことができます。


生で食べるなら縦に、加熱調理するなら横に切る



サラダなどで生食するなら、繊維に沿って縦切りに(カット見本:写真左側2つ)。あくが出づらくなり、シャキシャキとした食感とみずみずしい味わいを楽しめます(触りすぎると、ぬめりが出るため注意しましょう)。新物はあくが強く、水分が多いので、この食べ方がおすすめです。

ソテーや揚げものなど加熱調理をする場合は、繊維を断つように横に切ると甘みが増して、ホクホクした食感に仕上がります(カット見本:写真右側2つ)。


調理時は、水分を飛ばして外はカリッ、中はホクホクに



加熱調理では、焼きつけてから水やだしを加え、強火で水分を飛ばすように焼くと表面がカリッとし、中がホクホクの仕上がりに。フライドポテトのように油で揚げれば、お酒のおつまみにもぴったりです。


ふわふわ、ホクホク、シャキシャキと、様々な食感が味わえる山芋。切り方や調理の仕方をおさえて、その魅力を味わいつくしましょう。


最終更新:2017.10.18


文:窪和子

写真:小林友美

監修:カゴメ

参考文献:

『ひと目でわかる! 食品保存事典』島本美由紀著(講談社)

『新・野菜の便利帳』板木利隆監修(高橋書店)

『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』白鳥早奈英・板木利隆監修(高橋書店)

『内田悟のやさい塾 秋冬』内田悟著(メディアファクトリー)

『改訂9版 野菜と果物の品目ガイド』(農経新聞社)


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情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 山芋は選び方や切り方、加熱調理の仕方でおいしさが変わる!?