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タイ料理と言えば、世界3大スープとしても知られるトムヤムクンが有名です。
日本のタイ料理屋でトムヤムクンを注文すると以外に高価なので高級料理と思われがちですが、タイではごく一般的な大衆料理として親しまれています。
今回は料理上手のタイ人の姉妹に、タイの家庭で作るトムヤムクンはどんなものなのかを教えてもらいました。日本でも市販のトムヤムクンペーストを使えば簡単にできるそうですので、みなさんの晩御飯のレパートリーに追加してみてはいかがでしょうか。
食材は、日本で手に入りやすいものを選んでもらいましたが、バイマックルー(コブミカンの葉)は小さなスーパーではあまり置いてないかもしれません。ただ昨今のタイ料理ブームのおかげで、最近はスーパーにも乾燥のバイマックルーがだいぶ見かけるようになってきました。もし家の近くにタイ食材店があれば、生の冷凍バイマックルーが買えると思います。バイマックルーはタイのグリーンカレーや炒め物にも使えますので、タイ料理ファンはネット通販などでまとめて買って、冷凍しておくのも手です。
(写真:冷凍されたバイマックルー。新鮮なバイマックルーはタイ人の必需品。タイ人は香りが飛ばないように冷凍して保存する)
ちなみにタイ語ではトムは「煮る」、ヤムは「和える」、クンは「海老」という意味になります。つまりトムヤムクンは「海老を煮て和えた料理」という意味になります。タイではトムヤム〜という料理がたくさんあります。海老のかわりにプラー(タイ語で魚の意味)をいれればトムヤムプラーとなり、ガイ(鶏の意味)をいれればトムヤムガイになります。素材にあわせて色々なトムヤムを作れるので、冷蔵庫にあまっている食材をいろいろと試してみるのも面白いですね。
それでは、さっそく家庭のトムヤムクンを作っていきましょう。鍋は雪平鍋がひとつあればだいじょうぶです。
今回使う材料は以下の通りです。トムヤムクンですので、海老が必須となります。野菜は好みのものでいいのですが、タイ人はあまりトムヤムクンにモヤシは入れないようです。キノコはシメジ・エノキ・マイタケなど色々な種類のものを入れると味に深みが出ていいそうです。ちなみにタイでは、香りが良い日本のシイタケやシメジは人気があり、日本のキノコを栽培する農家が増えています。
■ トムヤムクンペースト・・・1袋(LOBO社のもの)
■ エリンギ(マッシュルームでも可):1パック(2〜3本くらい)
■ ミニトマト:3個
■ セロリ(パクチーでも可):1/2 本
■ 海老(ブラックタイガーやバナメイエビなど):1パック(冷凍でもよい)
■ バイマックルー(コブミカンの葉):2枚
(乾燥したものでもよいが、生の方が香りがよい。入手が難しかったら、トムヤムクンペーストにも含まれているので入れなくてもよい)
■ 水:550cc
■ 牛乳:大さじ1
■ 塩:小さじ1
■ 砂糖:大さじ1
■ ナンプラー:適量
材料がそろったところで、早速調理に取りかかりましょう。調理時間は15分といったところです。
(写真: 海老はちゃんと下ごしらえしておかないと、臭みがでてしまう)
(写真: 海老に塩を軽くふることにより素材の味を引き出す)
(写真:日本にいるタイ人はエリンギがお好みのよう。その他にも、しめじ・えのき・マッシュルームなどでも代用できる)
(写真:野菜はレタスやほうれん草などでも良い。タイ料理なのでやはりセロリやパクチーを使いたい)
(写真:バイマックルーの真ん中の硬い筋(主脈)は取り除いて使わない)
(写真:今回使用した LOBO社のトムヤムクンペースト。タイ人もトムヤムクンペーストを使用するのが一般的)
(写真:トムヤムクンペーストにはバイマックルーやレモングラスの香草が入っているので、すでにいい香りがただよう)
(写真:塩気はナンプラーで後から調整できるので、塩をいれすぎないようにする)
(写真:海老の身を始めから一緒に煮込むと固くなってしまう。バイマックルーも始めから煮込むと香りが飛んでしまう。)
(写真:牛乳を入れると色が落ち着き、タイ人から見て「おいしそうな」色になるそう)
(写真:トマトは煮るというよりも、温めるというくらいの感覚で)
(写真:パセリは生の感じを残すのがポイント。器にのってからのせてもよい)
妹のジョーさんによると、「バイマックルーを煮込みすぎると香りが飛んでしまうので、かならずスープの味が決まってから入れる」「セロリなどの香りがある野菜はなるべく煮込まず、最後にさっと火を通すのが良い」とのことです。ついバイマックルーなどの香草は煮込めば煮込むほどよいと思ってしまいがちです。しかしタイ人は、香りのあるハーブ類はあまり煮込まず、素材独自の香りを生かしたいという思いが強いようです。パクチーを入れたい人はスープができあがってから、盛り付ける感覚でのせるといいでしょう。
(写真:ジョーさんはいろいろなキノコを入れたトムヤムが好み。イカなどの魚介類を入れるのもおすすめだそう)
このトムヤムクンを試食してみて思ったのは、そんなに甘くないということです。姉のユウさんによると「このレシピでもちょっと甘いです。これはバンコクの都市部の人の味だね」とのことです。同じタイ人でも住んでいる地域によって味の好みが違うらしく、タイの東北部出身の彼女達からすると、甘くないトムヤムクンが好みだそうです。ちなみに日本のタイ料理で食べるトムヤムクンは彼女達からするとかなり甘いそうです。
今回は、LOBO社のトムヤムクンペーストを使用しましたが、ジョーさんがタイでトムヤムクンを作る際は、コーンスープで有名な「クノール社のトムヤムクンの素」を使っているそうです。こちらはペースト状ではなく、ブイヨンのようにキューブ状で入っています。ジョーさんのお気に入りということなので、日本でもぜひとも市販してもらいたいです。誰かタイに行く人がいれば、お土産でクノール社のトムヤムクンの素を頼むのもいいかもしれないですね。ちなみにLOBO社のトムヤムクンペーストは KALDI などの輸入食品店で手に入ります。
(写真:日本ではほとんど入手できないクノール社のトムヤムクンの素。こちらの方がダシが濃いので、しっかりとした味になる)
今回は「家庭で作る」というコンセプトでしたので、なるべく簡単に作れるレシピを教えてもらいました。もっと本格的なトムヤムクンを作りたい人は、ナンプリックパオ(唐辛子と玉ねぎなどをいためたペースト)をスープにいれたり、牛乳をコンデンスミルク(タイ人はCarnation社のものをよく使っている)に替えるともっとコクがでるそうです。頭付きの海老を使うのでしたら、海老の頭だけを最初から一緒に煮込むといいダシがでるそう。
タイの伝統料理のトムヤムクン。普段の料理のレパートリーに加えられれば、パーティや食事会が華やかになることは間違いないです。是非とも家庭でチャレンジしてみてください。
*写真はすべて筆者が撮影
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(執筆者: ジョナサン・バード ( Jonathan Bird )) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか