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(Written by Publisher’s editor)
トランプ大統領誕生、ユーロ危機、リーマン・ショック、サブプライムローン危機、アジア通貨危機といった、90年代以降の世界を揺るがす大きな出来事の裏にいた「スーパーハブ」の存在を知っていますか?
スーパーハブとは、金融エリートのネットワークを形成する人たちのこと。彼らの多くは、いわゆる「外資系金融」のトップたちで、とてつもない富を形成、保有し、通常の人では知りえない世界のトップシークレットな情報を「スーパーハブ人脈」から得ることで、さらなる巨万の富を築いています。
また、自らの富を築くだけではなく、社会的な役割も果たすため、チャリティ活動を行ったり、母校に寄付したりと社会貢献にも勤しんでいます。
その上、冒頭のような世界の大きな動きにも、いい意味でも悪い意味でも関わっているのです。
結果として、彼らがバブルを作り出したこともあり、危機の際は官民のつながりを駆使して、最悪の事態だけは回避できるよう尽力したりと、まさに「世界経済の大きな転換点にスーパーハブあり!」といえる存在なのです。
彼らがどのように人脈を築き、どんな思考を持ち、どういった生活をしているのか――。知られざるスーパーハブの正体を明かしていくのが本書『SUPER-HUBS(スーパーハブ) ─世界最強人脈の知られざる裏側─』です。
選ばれしごくひと握りの「金融エリートたちの正体」から見えてくるものとは何でしょうか。本書は、金融エリートたちのストーリーであると同時に、読者のみなさんに世界経済の問題点を提起する「警告の書」でもあります。
世界経済の動きに対する一つの「解」を与えてくれる本書は、金融機関勤務のビジネスパーソン、個人投資家はもちろんのこと、多くのビジネスパーソンにご一読いただきたい一冊です。
SUPER-HUBS(スーパーハブ) ─世界最強人脈の知られざる裏側─ (T’s BUSINESS DESIGN)
「スーパーハブ? 聞いたことないね」というのが、我々日本人の大半だと思います。この言葉は、国際金融コンサルタントの著者であるサンドラ・ナビディが、ネットワーク用語の「ハブ」をもじって造った言葉なので、聞いたことがない人が多くて当然です。
「スーパーハブ」は決して、秘密結社のような怪しい集団ではありません。ビル・クリントン元米大統領、トニー・ブレア元英首相といった主要国の首相クラスの人たちから、ジョージ・ソロス、米国4大銀行のJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEO、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーターのレイ・ダリオCEO、ベン・バーナンキ元FRB議長、クリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事といった、選ばれし金融エリートたちのネットワークを指しているのです。
金融エリートたちの多くは大富豪で、我々の想像もつかないような資産を保有しています。たとえば、ジョージ・ソロスの個人資産は約2兆7470億円、レイ・ダリオは約1兆8500億円、ジェイミー・ダイモンは1253億円とケタ違いです。
これだけの資産を得るために、彼らは自らお金儲けするための仕組み作りを行っただけでなく、通常の人では手に入らない情報を得るため、「くもの巣」のようなネットワークを形成しているのです。
その手法を盗んでしまおうというのが本書の提案です。
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彼らはどのようにして、この価値あるネットワークを築いているのでしょうか。ハーバード、マサチューセッツ工科大学(MIT)といった世界の有名大学を卒業し、世界有数の金融機関に入り、その企業の幹部にのぼった後、次のような行動を起こします。(下線部はスーパーハブになるための前提条件です)
とにかく価値ある情報を持つスーパーハブと、たえず交流することが大切なのです。スーパーハブがスーパーハブを作っていくといって過言ではないでしょう。
スーパーハブになるための「前提条件」が既に並大抵のことではないので、現実的な話に聞こえない人が多いかもしれませんが、上記のような「交流術」は、一般のビジネスパーソンにも参考になるはずです。
まずは、価値ある情報を得られる機会を持つこと、自らプラットフォームを構築することなどを参考にしてみるといいでしょう。
また、金融エリートたちは同質性に支配されているので、大学などのOBネットワークにこだわり、住む場所も似通っていると言います。
「スーパーハブは、お互いの近くに集まる傾向があり、鳥の群れのように同じ方向へ連れ立って飛び、隣り合って暮らしています。そして、超一等地に、専用の郵便番号がついてもおかしくないほど巨大な家を構えます。(P.187)
これらから言えるのは、「環境」が大事ということです。これらの同質性から漏れ、ネットワーク作りにも力を入れないでいると、スーパーハブというネットワークから完全追放されることになります。
環境選びの重要性については、下記の記事でも語られているのでご参考ください。
一度ネットワークの中に入り込めば完全追放されることはほとんどないのですが、過去に完全追放された人物がいました。リーマン・ブラザーズの元CEO、リチャード・ファルドです。
金融危機後も他の経営幹部は、関連する業界や別の分野で新しいポストを見つけることができましたが、ファルドは違いました。
ウォール街での関係を深めることなく、社内では反対意見に対する不寛容、絶対服従の強要などで社内環境を不穏なものにし、リーマンが危機的状況に陥った際に救いの手を差し伸べてくれる人、企業はありませんでした。
失脚後、彼を公の場で見かけることはほとんどないといいます。
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人生、ビジネスは人脈だけで成功できるわけではありません。しかし人脈がなければ、目覚しい成功が望めないのも確かです。
世界のトップたちがどこでどのように人脈を作っているのか、本書からビリオネアたちの人脈術や人生、お金の哲学を学びとり、どうすれば彼らのような「スーパーハブ」になれるのか学んでみて下さい。
人脈作りの教科書としてヒント満載の1冊であり、ビジネスパーソン必読の書です。
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SUPER-HUBS(スーパーハブ) ─世界最強人脈の知られざる裏側─ (T’s BUSINESS DESIGN)