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入社3年目ともなると、これからの自分のキャリアについて「このままでいいのか」と不安に思う人が増えてくると思います。
職場の環境や仕事にも慣れてきて、少し責任のある仕事も任されるようになる頃。周囲に目を向ける余裕も出てくるタイミングなので、今後のキャリアアップのために、これから何をしていくべきなのか考え始める人は多いでしょう。
そんな悩める入社3年目までの若手社会人に向けて、次のステップへ踏み出すために押さえておきたいポイントについてまとめられているのが、赤羽雄二さんの新刊『入社3年塾』です。
「若くても信頼される人になる方法」や、一生使える「情報収集力」「情報分析力」「資料作成力」など、入社1〜3年目の間に身につけるべき伸びるビジネスパーソンのマインドやスキルが網羅されています。
これからのキャリアプランを考えたとき、何か新しいスキルを身につけたり、新しい挑戦をした方がいいのではないかと感じている方は、この本を参考に、これからのキャリアアップ戦略について考えてみましょう。
入社3年塾: 今、何を知り、どう考え、挑戦するか (単行本)
将来の自分の価値を高めようと考えたとき、一番思い浮かびやすいのは英語でしょう。
英語力を高めれば企業から必要とされるんじゃないか。給与の高い仕事に就けるんじゃないか。そう考えて、「とりあえず」英語の勉強や留学を検討し始める人は多いと思います。
しかし「9割の日本人に必要のない英語を、なぜ日本人は必死に学ぶのか?」でもお伝えしたように、英語というのはコミュニケーションの「手段」に過ぎず、英語ができること自体に絶対的な価値があるわけではありません。
とくに入社1〜3年目の間は、目の前の仕事を覚えることを重視した方が評価されやすく、仕事の成果も残しやすいでしょう。
語学に「備え」は通用しないので、明確な目的もなくなんとなくで始めた勉強では身につかないので、時間のムダになる可能性が高いのです。
本書でも、日本人は英語ができなくてもすぐ困ることが少ないので、必死に勉強する理由があまりないとして、「キャリアアップに英語は必須」というポジションはとっていません。
とはいえGoogle、Facebookのような外資系企業の日本法人の増加や、日産自動車、マツダ、ソニーなど日本の大企業のグローバル化が進むに従って、日本のオフィスで働きながらも外国人とコミュニケーションを取る機会は増えてきています。
こうした企業への就職や転職を考えている場合や、今後のキャリアの選択肢を広げたいと考えている人は、早いうちに英語に対する苦手意識をなくしておいた方がよいです。
方法としては、英語の参考書やTOEICの問題集などを買って「日本で」勉強するのではなく、長めの夏休みをとって2週間ほどフィリピンで英語学校に入るなど、本気でコミットしてマスターしにいく覚悟を持ちましょう。
現在の仕事の関係でどうしても長期休暇が取れない場合は、マンツーマンの英会話スクールやインターネットレッスンを受けるようにしましょう。
コストを抑えたいがために、とりあえずグループレッスンから始めようとか、リスニングの教材を買って耳で慣れることから始めようというのでは、結局身につかず、無駄な投資に終わってしまいます。
最近は「DMM英会話」や「レアジョブ英会話」のようなインターネットを利用したマンツーマンレッスンや、「RIZAP イングリッシュ」や「English Central」など、満足できなければ全額返金という、成果にコミットしたサービスも増えています。
ライフスタイルやニーズに合ったサービスがいくつもあるので、本気で身につけようという覚悟があれば、ほとんどの人は仕事で使えるレベルの英語を身につけることができるでしょう。
英語に加えて、多くの人が「とりあえず」手をつけようと考えやすいのが資格試験です。こうした目に見えるスキルは、あるだけで自分の価値が高まった気になれるので安心しやすいのでしょう。
もちろん経理部門に配属されて簿記試験の1級を受けるとか、不動産部門に配属されて宅建受けるというように、本業そのもののスキルアップにつながるものであれば問題ありません。
しかし仕事に直接関係のない資格試験に、多大なエネルギーを投入するのは時間のムダです。
そんなことに時間を使うくらいなら、目の前の仕事に全力で集中する方がよっぽど将来のキャリアアップに役立ちます。
もし余力があるのなら、あるいは仕事がつまらないと感じるなら、その仕事を5年ではなく3年、3年ではなく1年半ですべてマスターするつもりで、全力で取り組むようにしましょう。
キャリアアップのために転職を重ねる人も増えてきました。
一昔前は、「3年で辞めるなんて根気が足りない」「3年じゃその仕事の重要な能力は身につけられない」など、若くして転職することに否定的な見方をする人が多かったですが、現在は状況が変わっています。
終身雇用制度が崩れ、多くの企業の業績が停滞し、以前は期待できた昇進や昇格も見えなくなった今、一つの会社にとどまり続ける方が、むしろ非現実的な選択です。
もしこれからAIやロボットによって代替される業界に身置いている方は、なんとなくで居続けてしまうと、市場から必要とされる価値を何も持っていないまま失業に追い込まれる結果にもなりかねません。
AIやロボットに取って代わられない価値を身につけるためにも、これからは転職や独立を前提にキャリアプランを考えるべきなのです。
将来自分は何で食っていきたいのか、自分が本当に好きなこと・やりたいことは何なのかを紙に書き出してみましょう。そうして自分の強みを自覚した上で、どんな会社のどんな職種であれば、その強みを生かしたキャリアを積むことができるのかを考えます。
「石の上にも三年」という言葉にしばられる必要はありません。自分が本当にやりたいことと違う、今の職場では全力で取り組んでも得られるものが少ない、職場の人間関係がつらい…などの理由があるなら、「嫌われる勇気」を持って一歩を踏み出してしまいましょう。
本書では、転職先の候補は少なくとも10社以上リストアップし、それぞれの会社と主要製品、主な競合企業を「Googleアラート」に登録することをおすすめしています。
新卒のときよりも厳しく調べ、直接確認し、納得のいく転職先を探しましょう。
もし今すぐ転職は考えられない場合でも、「リクルートエージェント」の「スカウト登録」だけでもしておけば、自分が企業からどれくらい求められているのかが分かるので、自信にもなるはずです。
自分の強みが何かわからない方は、「グッドポイント診断」(リクナビNEXT)を利用しましょう。無料の会員登録後にプロフィール情報の入力を求められますが、無視してTOPページに移動すれば、すぐに診断を始めることができます。ぜひ試してみてください。
入社3年塾: 今、何を知り、どう考え、挑戦するか (単行本)