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ビジネスチャットとはコミュニケーションツールのひとつであり、普段個人で利用しているSNSでのコミュニケーションをビジネスでも利用できるようにしたものです。
ビジネスチャットは、電話やWeb会議のような互いの時間をリアルに共有するコミュニケーション手法ではなく、メールのような互いの時間をリアルに共有しないコミュニケーション手法です。
しかし、ビジネスチャットとメールの最大の違いは、手軽さとスピード感です。情報を共有したいとき、早急に返信が必要なときなど、素早い対応が求められる場面では、メールよりもビジネスチャットのほうが優れています。
また、チャットは感情が伝わりやすい「有機質」なツールであり、社員コミュニケーションの活発化において一助となってくれる可能性があります。
ビジネスチャットは、名の通りビジネスで用いられるツールであり普段のSNSにある機能に加え、ファイルの保存・共有機能などが搭載されているツールもあります。多くのビジネスチャットが共通して備えている基本機能は、以下の通りとなります。
・ビジネスチャットとは何か?メリットや導入の注意点、できることを解説
2018年に行われた総務省の調査によると、日本でのビジネスチャットの普及率は23%ほどといわれています。一方、海外のアメリカ・イギリスは、ともに普及率が50%を超えており、これらの国と比較してみると、日本におけるビジネスチャットの普及率はまだまだ伸び代を残している状況といえるでしょう。
参考:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd144220.html
ビジネスチャットが必要とされる4つの理由について解説します。
社員が一堂に会する場で仕事をしていたこれまでの働き方の常識では、ちょっとした報告や連絡は、口頭などで用件を伝えることができました。
しかし、時差出勤やテレワークが推奨されている場合であると、それが難しくなり伝え忘れや確認漏れなどのトラブルに発展することもあります。
今まで口頭で伝えていた内容を、マナーが厳格化されているメールで送ることは、送る側にとって「心理的なストレスになる」といった懸念もあります。
誰かが複数人に対して同じ情報を送りたいとき、メールで一斉送信する方も多いのではないでしょうか。しかし、それでは人数が多い場合や双方のやり取りを行う場合にはとても不便です。
その点、ビジネスチャットには“グループ機能”があります。グループ機能とは、作成されたグループ内で複数人が同時にチャットコミュニケーションを行える機能です。
必要なメンバーをグループに招待し、その中で情報を共有することで簡単に情報共有することができます。また、既読・未読判別機能があるツールの場合には、「一番見てほしい人は、確認してくれたかな?」といったことも確認できます。
ビジネスチャットは、セキュリティが高いという点も大きな特徴です。個人向けのSNSをビジネスで使う場合、「誤送信による情報漏えい」や「ハッキングによるアカウントの乗っ取り」といったリスクが懸念されます。
ビジネスチャットは通信が暗号化されていたり、そもそも社外との連絡を遮断するようにできたりなど、さまざまな対策が施されており、個人SNSと比較してセキュリティ環境が強固です。そのため、ビジネスチャットは仕事を行う際にも安心して利用することができます。
現在、スマートフォンを利用している人の数は年々増加傾向にあり、その中でも多くの方がSNSを利用しています。調査によると、特に若い世代の人たちはメールよりもチャットのほうが馴染みがある人が多くなっています。
これからもその流れは変わらず、相対的にメールを使いこなす人の割合がますます減っていく可能性が高いでしょう。このような情勢からもビジネスチャットはこれからの社会において、必須となっていくことが予想されます。
参考:https://markezine.jp/article/detail/28422
・ビジネスチャットのメリットを徹底解説。個人SNSと何が違う?
ここまではビジネスチャットの必要性を解説してきました。ここからは、主要ビジネスチャットツールを10種類ご紹介します。
世界150カ国以上、75万社を超える企業がSlack(スラック)を利用しています。「チャンネル」という会話、ファイル、ツール、メンバーなどを1か所にまとめて整理することができる機能があり、話題の整理がしやすいです。
拡張性が高いことが特徴となっています。外部ツールと連携することでSlackのチャンネル上にメッセージなどがアラートとして表示されるので、業務効率が上がります。1,000以上の外部ツールとの連携が可能になっています。
外部連携が豊富なことによって、さまざまな機能をフル活用できる可能性もありますが、その分他のビジネスチャットツールに比べると高価格です。
【費用】
・スタンダード:年払い850円/人/月、月払い960円/人
・プラス:年払い1,600円/人/月、月払い1,800円/人
・Enterprise Grid:お問い合わせ
【URL】
https://slack.com/intl/ja-jp/features
現在、30万社以上が導入中である“純国産”のビジネスチャットツールです。ユニークな機能として「マイチャット」というものがあります。自分だけが見ることのできるチャットで、メモやファイルの置き場としても活用でき、業務効率に繋がります。
Chatwork(チャットワーク)に登録しているユーザー同士ならば、IDを共有すると社内外とのやり取りとしても利用することができ、営業ツールとしても活用しやすいです。
【費用】
・フリー:月額0円/人
・ビジネス:月額600円/人、年間契約500円/人/月
・エンタープライズ:月額800円/人、年間契約960円/人/月
【URL】
https://go.chatwork.com/ja/
個人向けチャットのLINEに仕事で活用できる機能を搭載したものが、ビジネス版LINEであるLINE WORKS(ラインワークス)です。
使い勝手はLINEとほどんど同様で、多くの人が使い慣れていることが最大の特徴です。ITに強くない人にも使ってもらえる可能性が高く、カレンダー機能を搭載していて、メンバーのスケジュールを把握することもできます。
外部トーク連携が可能であり、他社のLINE WORKSアカウントや一般のLINEアカウントともやり取りが可能になっています。LINEを使って消費者の方とやり取りをしたい場合などに便利です。
【費用】
・フリー:月額0円/人
・ライト:月額360円/人 年間契約300円/人/月
・ビジネス:月額600円/人、年間契約500円/人/月
・プレミアム:月額1,000円/人、年間契約1,200円/人/月
【URL】
https://line.worksmobile.com/jp/
Microsoft Teams(マイクロソフト チームズ)は、Microsoft社が提供しているビジネスチャットです。最大の特徴は、Office製品との連携に重点をおいている点になります。業務で利用している人も多いExcelやWordといったOffice系との連携が可能で、チーム内のメンバーで共同編集を行うこともできます。
Microsoft Teamsは、約40もの多言語に対応しています。Office製品は世界的に利用されていているため、外国人とコミュニケーションを取ったり、国内外のメンバーが関わる企業にはおすすめです。
【費用】
・Microsoft Teams:無料
・Microsoft 365 Business Basic:年間契約540円/人/月
・Microsoft 365 Business Standard:年間契約1,360円/人/月
・Office 365 E3:年間契約2,170円/人/月
【URL】
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software
国産ビジネスチャットツールWowTalk(ワウトーク)は、誰もが使いやすい直感的な操作性でリピート率99%を誇っています。そのため、導入教育が不要で、社内風土に馴染みやすく、導入後の即日運用が可能です。
また、企業ポリシーに合わせて、25種類(※1)に及ぶ各機能のオンオフの切り替えを個人単位で設定することができます。つまり、企業のセキュリティポリシーにあった機能のみの運用が可能になっています。
WowTalkは、完全クローズドな環境になっています。管理者が全社員のIDとパスワードを発行し、管理しています。基本的には社内のみのコミュニケーションに利用することができ、重要な機密を扱う業種や情報の統制が必要な企業にはおすすめです。
※1:2021/5/13時点
【費用】
シンプル:300円/人/月
スタンダード:500円/人/月
プロフェッショナル:800円/人/月
Talknote(トークノート)はTalknote株式会社が開発しました。「コミュニケーションを活性化させ、社内のあらゆる情報を資産化し、理念浸透や文化醸成を促進するカルチャーマネジメントツールである」ということを、Talknote株式会社自身が謳っています。
日々のコミュニケーションの情報を解析し定量化することで、組織や人の問題点を把握できます。
Talknoteの最大の特徴は、独自開発によるHR機能で社員同士のやり取りを解析し、離職のサインを事前に察知できること。
組織への関心度、仕事への積極性を把握する機能である「アクションリズム機能」は、退職意向などに繋がる可能性のある社員を早期に発見することができます。また、「オーバーワーク検知機能」では、アクセス状況を把握することで睡眠不足の検知を可能にしています。
【費用】
初期費用+基本プラン(月額)+オプション
具体的な料金についてはお問い合わせ
InCircle(インサークル)は、基本的なビジネスチャットの機能に加えて、文書管理やスケジュール予約をAIチャットボットが行うという機能があります。
また、チャット内の会話情報をAIがデータ分析することで、社員の離職リスクを多面的に測定することが可能になっています。
【費用】
・トライアル:無料
・ベーシック:月額180円/人
・オンプレミス版:お問い合わせ
direct(ダイレクト)は、株式会社L is B(エルイズビー)が販売する、ビジネスチャットです。現場で働く社員と企業内の社員がスマホやタブレットで繋がることで、情報共有が容易です。
また、オプションではデジタルサイネージ機能が搭載されていて、スマホやタブレットで簡単にサイネージ配信でき、現場での注意喚起が必要な方々におすすめです。
【費用】
・トライアル:30日間無料
・ベーシック:6,000円/10名/月
・プラス:12,000円/20名/月
・プレミアム:27,500円/50名/月
・マックス:50,000円/100名/月
Workplace(ワークプレイス)の最大の特徴は、Facebookのビジネス版として「社員の繋がりを緊密なものに」というもを重視したコンセプトとなっていることです。企業内の人間関係を深めていく機能があります。
コンセプトとして、「社員の繋がりを緊密なものに」を掲げているWorkplaceは、主に社員同士のコミュニケーションを活発化させることができます。その機能のひとつとして、ライブ配信機能があります。経営陣などがライブ配信し、社員たちが質問をしたりすることで縦の関係にも良好なコミュニケーションが生まれます。「良くも悪くもビジネスライクではない」という意見もあるくらいです。
【費用】
・アドバンス:月額$4/人
・エンタープライズ:月$8/人
【URL】
https://ja-jp.workplace.com/
elgana(エルガナ)は、通信業界大手のNTTグループが提供しているビジネスチャットになります。無断転載を予防する電子透かし機能や利用端末の制限・管理ができる機能など、情報漏洩のリスクを小さく抑える機能が充実しており、セキュリティ面を重視される企業におすすめです。
elganaは、ビジネスチャットに必要な機能を網羅しています。具体的には、連絡先のお気に入り登録やトークグループ内の特定の相手にメッセージを送ることができるメンション機能などが備わっています。
【費用】
・フリープラン:無料
・ベースプラン:月額330円/人
【URL】
https://elgana.jp/
サービス名 | 比較ポイント | 参考価格 |
---|---|---|
Slack | 世界シェアNo1のチャットツール。外部ツールとの連携が豊富であり高機能。機能がリッチな分、他サービスと比較して価格が高め。 | 850〜1,600円/月 |
Chatwork | 純国産のビジネスチャット。IDを知っている人であれば社内外を問わずやり取りができる。 | 500〜800円/月 |
LINE WORKS | 個人向けチャットツール『LINE』のビジネス版。一般のLINEアカウントともやり取りが可能。 | 300〜1,000/円 |
Microsoft Teams | Office製品との連携が可能。WordやExcelのハブとして利用できる。 | 540〜1,360/円 |
WowTalk | シンプルなUIで直感的に扱えることが魅力のビジネスチャット・社内SNS。管理機能とセキュリティ環境が充実している。 | 300〜800円/月 |
Talknote | コミュニケーションの活性化だけでなく、組織文化の醸造や浸透に役立つカルチャーマネジメントツール。「HR機能」で事前に離職のサインを察知できる。 | 要問い合わせ |
InCircle | AIが文書管理などの業務を代行。労働生産性を高めるチャットボット搭載。 | 180円〜/月 |
direct | 「現場」で最も役に立つITツールを目指して作られた国産ビジネスチャット。 | 6,000円/月(10名)〜50,000円/月(100名) |
Workplace | Facebookのビジネス版。企業内の人間関係を深めることを目的としたツール。 | $4〜$8/月 |
elgana | 通信業界大手NTTグループが提供。ビジネスチャットに必要な機能は網羅されており、特にセキュリティ対策に関する機能が充実。 | 330円〜/月 |
ここまで、10種類のビジネスチャットの特徴をご紹介させていただきました。しかし、「結局、自分たちはどのチャットツールを導入したら良いのだろう?」と思った方も少なくないはずです。
そこで、次はビジネスチャットを選ぶ3つのポイントをご紹介させていただきます。
ビジネスチャットを導入するにあたって、ビジネスチャットをあらゆる業務の中心として利用したい方も多いはずです。そのような人におすすめのビジネスチャットは、2種類あります。
①Slack
何といっても、連携できる外部ツールやアプリケーションが圧倒的に多いです。あらゆるサービスのハブとして利用するなら、とてもおすすめです。
②Microsoft Teams
こちらは、すでにOffice製品を利用している人に最適です。
注意点
・外部ツールと連携を行う予定のない方は、費用対効果が合わない可能性があります。
・また、UIが特徴的であったり、機能が豊富なことでかえって利用の定着率が低くなる可能性もあります。
反対に、メインで使っているツールは他にあるというような状況で、シンプルにチャットとして運用したいという方もいるでしょう。そのような人におすすめのビジネスチャットは以下です。
①Wowtalk
直感的な操作性で導入時に研修などの手間がかかりません。また、大規模小規模問わずスムーズな導入が可能になっているので、ビジネスチャットの機能を純粋に使いたい人はおすすめです。
注意点
・他のビジネスチャットと比較して連携できるツールの数が少ないため、希望のツールが連携できるかどうか、前もって確認しておく必要があります。
「私たちは、取引先との連絡やお客様との連絡に利用したい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。そのような方々におすすめのビジネスチャットは、2種類あります。
①LINE WORKS
一般のLINEアカウントからでもやり取り可能なところが特徴。BtoCの業態でお客様と連絡を取り合いたい方には、おすすめのビジネスチャットツール。
②Chatwork
ChatworkのIDがわかっていれば、やり取りが可能。また、無料プランがあるので、少人数の方々でも費用がかからず利用できる。
注意点
・社外とのやり取りをメインで行わない企業では、セキュリティ管理の負担が増加してしまう可能性があります。
反対に、セキュリティ面に不安があったり、社外とのコミュニケーションツールは別に持ち合わせている方には、利用範囲を限定できるビジネスチャットツールがおすすめです。そのようなビジネスチャットは2種類あります。
①WowTalk
管理者がチャット利用者にアカウントを付与する形なので、管理者の許可がない限り、社外の方とはやり取りができません。セキュリティに関するリスクを軽減したい方にはおすすめです。
②Talknote
カルチャーマネジメントツールと言われているように、社内の理念浸透や文化醸成を促進したい方にはおすすめです。
注意点
・沢山の社外の人とのやり取りをメインにしたい方は、設定に少し手間がかかります。
会社規模を問わず、正社員の他に派遣社員やアルバイトを雇用している場合、ビジネスチャットを利用するにあたって、全員に同じ機能を与えてしまうと逆に混乱を招いてしまうかもしれません。そんな懸念をお持ちの方に、おすすめなビジネスチャットは、1つあります。
①WowTalk
管理者がアカウントごとに機能の有無をカスタマイズすることができます。正社員のみが掲示板を利用できるようにしたり、部門間の必要以上の交流を制限したりすることが可能です。コンプライアンス意識が高く、情報統制が必要な方にはおすすめのビジネスチャットです。
注意点
・セキュリティに関しては安全ですが、社外とのやり取りを行いたい場合、管理者がアカウントを発行する必要があります。
ビジネスチャットと一括りに言ったとしても、利用目的や利用方法によって選ぶべきビジネスチャットは変わってきます。今一度、ビジネスチャットを利用したい理由や目的を整理したうえでサービスを比較し、自社にマッチしたビジネスチャットを検討してみてください。
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