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鍼灸や漢方といった古来からの治療法を「東洋医学」といい、現代の中心医療である、薬や手術などを用いて体の不調を直す「西洋医学」とは区別されていますが、東洋医学と西洋医学の大きな違いは、体の不調の原因をどうとらえるかという点です。
どう違うかというと、簡単に言えば西洋医学は、ウィルスや病巣といった直接的な原因を解消するというものである一方、東洋医学ではその直接的な原因が、どんな生活や身体的特徴からきているのかという、より根本的な所を見つめ、解消していくという所にあります。
具体的な例でいえば、例えば頭痛に悩んでいる場合、西洋医学では痛みを発生させる直接的な原因の科学物質を薬で抑えるという方法になりますが、東洋医学の場合は、その痛みを発生させる体の不調が、内臓が弱っている事や姿勢が歪んでいる事にあるとみて、鍼灸や漢方を用いて治療していきます。
鍼治療というと、最近では即効性のある「美容鍼」などが注目を浴びやすくなっていますが、美容鍼は体の根本の不調を直すというものよりも、針の刺激によって一時的な筋肉の引き上げや、肌のコラーゲン生成を促進するなどの効果を狙ったもの。
治療という意味での「鍼」とは大きく性質が異なるもので、本来の鍼灸治療では舌診、腹診、脈診といった診察を細かく行い、体調不良の原因を詳しく見ていく事が重要となっています。
舌診とは舌の状態を見て、体のどこに不調があるか診察するもの。
腹診とは、お腹の硬さなどを見て、不調の原因を探るもの。
脈診とは、腕にある3種類の脈をはかり、体のどこが弱っているかなどを見るもの。
との事で、鍼灸治療は細かく治療と診察を行いながら、全体のバランスを整えていく事が重要になるとか。
しっかりと診察を行いながら、不調を整えるために鍼をさしていくわけですが、鍼之助での治療は0.14mmという髪の毛よりも細い鍼を、皮膚に1~2mm程度刺すだけというとても繊細なもの。
鍼治療というと結構深くまで鍼が刺さっていくイメージだったのですが、深くまで刺さないため、刺した後の鍼は全て寝そべった状態になっています。
そのため、痛みは全くないのですが、こうなると逆に心配になるのが効果の面。痛い方がやっぱり効くのでは? と聞いてみた所、「鍼は浅くさしても体がしっかり反応するので、効果が弱くなるという事はありません」との事。
むしろ、過剰な刺激が少ない分、良い効果が得られる面も多いんだとか。
また、鍼は刺してからしばらく置くものばかりではなく、ちょっと刺して刺激を加えたら、すぐに抜いてしまう事も。
そんな従来の鍼治療のイメージとは異なる内容でしたが、実際に治療を体験すると体全体がポカポカとしてきて、しっかりと血流がよくなったり、悩んでいた痛みが軽減しているように感じられるから不思議な体験でした。
鍼之助さんの鍼灸治療は、基本的には浅く鍼をさす事による治療ですが、鍼の刺激よりも熱によるジンワリとした刺激が適している場所にはお灸を用いるなど、治療部位や目的に応じて使い分けを行うそう。
また、治療法の中には鍼とお灸を組み合わせたような方法もあり、これは少し離れた場所からお灸の熱刺激を広く伝えると同時に、鍼を伝わる熱で強めの刺激も加えるというような手法との事。
鍼灸治療というものの奥深さを知る事ができました。
頭痛や生理痛などで悩んでいる女性は多いと思いますが、その痛みを毎回痛み止めの服用などで抑えていても根本的な改善にはなりませんし、場合によっては薬が効きにくくなってしまうといったこともあります。
繰り返す不調は、一度本格的な東洋医学の力をかりて、根本的な部分からケアしていくというのはいかがでしょうか。