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便は大腸の動きによって徐々に肛門側へと押し出され、一時的に直腸に貯められた後で肛門から排出されます。
この働きが弱くなって中々排便がおこらず、便が出てこないという状態を便秘と言いますが、便秘には大きくわけて3つのパターンがあります。
便秘一つ目のパターンが、そもそも大腸の運動が起こらない「弛緩性便秘」と呼ばれるもの。
便は通常、大腸の始まりの位置から肛門の方に向かって徐々にしまるような動きが起こる事で、便が移動していきます。
しかし、加齢などによってこの動きが鈍くなってしまうと、便を押し出す力が弱いためなかなか便が肛門側にたどり着かず、便秘の状態となってしまいます。
そもそも便意がなかなか起こらず、便が出る時に硬く太いようであればこのパターンの可能性が高いといえます。
大腸が動かない「弛緩性」と違い、大腸は動いているが便秘になってしまうのが「痙攣性便秘」です。
痙攣性便秘は、大腸が小腸側から順番に絞られていくのではなく、大腸の中央部分から絞られてしまうなど動きのパターンが乱れてしまう事によるもの。
奥から徐々に絞り出してこなければいけないのに、真ん中から押されてしまったら便がまた奥に戻ったりして出て来なくなってしまいますよね。
痙攣性便秘はストレスなどによって引き起こされやすく、大腸の動きが強くなりすぎて痙攣状態になる事が原因となっています。
痙攣性便秘の場合は便意はあるのに出なかったり、出てもうさぎのうんちのように小さいものや、下痢にもなりやすいという特徴があります。
便がスムーズに直腸まで運ばれてきたとしても、そこから便意がおこらなければ便は排出されません。この状態を「直腸性便秘」といいます。
直腸性便秘の最大の原因は便意の我慢しすぎなどで、便が直腸にたまってトイレに行きたくなった時にすぐ排便できればいいのですが、これを我慢する事で徐々に体が便意を出しにくくなり、最終的に便が出にくくなってしまう事で引き起こされます。
ただ便意がおこりにくくなるだけならいいのですが、直腸に便が大量に貯められるようになってしまうと、肛門よりも便が大きくなってしまったり、便が硬くなりすぎたりして余計に排便しにくくなってしまって直腸や肛門が傷つきやすくなってしまうといった怖さもあります。
便意は無いのに下腹部が張っているような感覚が強かったり、便が固くて排便しても残便感が強いなどの場合は直腸性便秘になっている可能性が高いかもしれません。
上記で説明した便秘は「慢性便秘」と言われるもので、実はこの他にも便秘が引き起こされる事はあります。
例えば大腸の形状そのものが一部細くなってしまっているなど構造上の問題でおこる「器質性便秘」であったり、薬の副作用などでおこる「医療性便秘」であったりと、必ずしも体の問題だけではない可能性もあるので、原因不明な便秘が続くようであれば一度病院での検査をうけるようにしましょう。
男性に比べて女性の方が便秘に悩んでいる人が多いというイメージがあると思いますが、実は女性には便秘やスッキリと排便できないような状態になりやすい3つの特徴があります。
生理近くになると便秘になりやすい人が多いと思いますが、これは女性の生理周期中、排卵後に分泌量が増える黄体ホルモンの影響によるもの。
黄体ホルモンは大腸の働きを鈍くしてしまうため、便が移動しにくくなって便秘になりやすくなります。
レクシトールとは、簡単にいえば直腸の空間が広がって便がひっかかりやすくなり、便が排出されにくくなる状態の事。「直腸りゅう」や「直腸膣壁弛緩症」ともいいます。
直腸が広がる症状なので男性でも当然なる可能性はあるのですが、男性の場合には直腸のお腹側には前立腺などがあって広がりにくいのに対し、女性の場合は直腸の前は「膣」の空間。つまり、直腸が広がりやすい空間があるため、レクシトールができやすいのです。
レクシトールの状態で便意があってもなかなか排便できなくなっている場合、下腹部をグッと押し込む事でこの空間が押されるため、便がでやすくなったりします。
レクシトールの状態になると、場合によっては手術をしなければ状況が改善されなくなります。
女性の7割がこの状態という統計もあるようです。
便が直腸から肛門を通って排出される際、便が固いなどの状態であればある程度腹筋に力をいれて「いきむ」事で排便を行います。
女性の場合は男性と比べて筋力が弱い場合が多く、そのために排便が上手くいかなくなり、便が残ってしまう状態になります。
適度な運動によって筋肉量を維持するようにしましょう。
ストレスは万病の元とも言われますが、便秘の大きな原因にもなります。
まず、ストレスを感じると人は脳や筋肉といった部分に血液が回され、内臓への血流が低下します。これにより大腸の働きが弱くなるため、排便がされにくくなります。
逆に、ストレスによって過度に大腸が動く事もあります。この場合は便がどんどん出てくるかというとそうではなく、過度な大腸の動きは痙攣性便秘の原因となりやすいため、やはり便秘の原因となります。
大腸のぜん動運動は、朝に最もおこりやすいという事が分かっています。
また、このぜん動運動は胃が刺激される事で「胃・結腸反応」という形で引き起こされます。
つまり、朝に何も食べたり飲んだりしない生活習慣の人は、ぜん動運動がおこりやすい時間帯を逃してしまうため、便秘になりやすくなります。
朝起きたら一杯の水を飲むだけでもぜん動運動がおこりますし、便秘の人はちゃんと朝食をとる事が大切です。
直腸性便秘は便意を我慢しつづける事で引き起こされるものです。
会議や移動中など便意を感じても中々すぐに排便できない状態が多い現代社会ではありますが、便意を我慢し続けると便意を感じにくくなってしまい多くのトラブルに繋がる可能性がありますので、我慢せずなるべく早くトイレにいくようにしましょう。
便は徐々に水分が抜けながら大腸を移動しますが、そもそも水分が足りなかったり、便が固かったりするとなかなか排便する事ができなくなります。
便の硬さは食事内容によって変わり、水分の不足や食物繊維の不足で便が滞りやすくなり、油分の不足で便が硬くなって排便しにくくなります。
便通を改善するためには食事からまず見直す事が大切です。