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小学校の時に夢中で読んでいた漫画があります。椎名高志の『GS美神 極楽大作戦!!』(小学館)です。
GS美神とは、凄腕の美人霊媒師がハイヒールにボディコン姿で悪霊や妖怪を退治する物語なのですが、この主人公の美神令子の、金に目がなく冷徹でドSというかなりの強烈な性格でありながら、確実に仕事を遂行する完璧な技術、知能、そして美貌とナイスバディで魅了しお金を稼ぎまくるというキャラクターに、子供ながらにとても惹かれていました。
当の私といえばマイペースで物静かでぼーっとしていて、男の子に間違われるほどガサツで美とは縁遠い子供だったので、こんな風になれたらなーと憧れたものです。
その頃、母親の靴箱をこっそり漁ってみたら普段母が履いているところをあまり見たことがないのに、美神が履くようなハイヒールがたくさん入っていました。
母が仕事で出かけているすきに、こっそり履いて美神気分に浸る遊びをしていたのを今でも覚えています。
美神と母のハイヒールのせいで、「大人のいい女=ハイヒール」の図式がしっかり出来上がってしまった私。もう、女に生まれたからにはハイヒールでしょう!と思い込んでしまいました。
女に生まれたからには、大人になったら絶対にハイヒールを履くぞと決めていただけに、もう私はハイヒール以外履く気になれず、今日に至ります。
ハイヒールが好きでいつも履いているという方ならわかるはずですが、ハイヒールって不思議な力があるんです。
ハイヒールを履いた瞬間から、自然と背筋が伸び、カッコよく歩きたくなるんです。自然と女性らしい仕草になって、自信がみなぎってきて、いろんな人に会いたくなります。いろんなおしゃれをして、いろんな楽しいことをしたくなるんですね。
これはハイヒールの持つマジックなんだと思います。
ハイヒールのトップブランドであるクリスチャンルブタンといえば黒のエナメルボディに、真っ赤なソール。「ソールの赤いハイヒールの女には気をつけろ」なんて言葉があるくらい、ルブタンのデザインは小悪魔的魅力を秘めています。敬愛する美神令子のイメージそのままですね。
実はそんなルブタンのビューティラインから、ハイヒールにインスパイアされた口紅が発売されています。デザインを見れば、黒いボディに隠された真っ赤なルージュがまさにルブタンのヒールそのもの。
黒のハイヒールには、真っ赤な口紅。これは外せません。
(ルブタンの真っ赤なリップ)
ところで私が口紅を色々使い始めるようになったのは、30代になってから。
20代まではよく口紅って、色によって似合う、似合わないということを言われるので、つい「この色綺麗だしすきだけど、自分には似合わないから諦めよう」と、つい避けてしまって、結局無難な色ばかり選んでいたんです。
そんな私が赤いリップをつけるきっかけとなったのは、30才の時。ゲランのエステである、椿山荘のゲランパリに取材に行った時、ついでにメイクのレッスンもしていただいたんです。その時に、勧められた真っ赤な「KISS KISS」のリップが、意外にも自分に似合っていたんです。もちろんメイクなどのトータルバランスもあるのですが、それまで避けてきたビビッドな発色でも、こんなにしっくり来るんだ、と目から鱗でした。
それからさらに、メイクアップアーティストのピカ子さんにお会いした時に、「日本人ははっきりした発色のリップは似合わないと避ける人が多いですが、日本人でも試しやすいカラーってありますか?」と質問した時に、「リップが似合うかどうかではなくて、つけたい色をつければいいのよ。私はこの色がすきって自信を持っていれば、いつの間にかその色が似合う自分になっているはずだから。大事なのは、メイクに負けない自信。日本人には自信が足りないだけ。」とおっしゃっていたことがとっても胸に刺さりました。(一言一句覚えているわけではないのですが、おおよそこんな感じの内容だったと思います)
色が似合うかどうかを、肌の色や性格で決めつけていたのはとっても浅はかだったのです。よくよく考えれば本来顔にない色をつけるわけですから、浮いて見えるのは当然。TPOやメイクの目的、ファッション、あとは与えたい印象などによって、色の持つ力をうまく使えるのがリップメイクのいいところですよね。つけているうちに自分の色になっていくように、色に負けない自分のキャラクターや美を身につけていこうと決めました。
ハイヒールと口紅(ルージュ)は、それぞれ女を文字通り底上げしてくれる、お守りのような手放したくないアイテム。
でも注意しなければならないのは、髪がボサボサで、肌もボロボロ、体型もぶよぶよなのに、ハイヒールとリップだけだと、ただの手抜きのガサツな人にしか見えませんし、全く勉強していない人が合格祈願のお守りぶら下げているようなもので「なんの冗談?」と言いたくなってしまいます。
大切なのは、ハイヒールやリップが似合うよう、日々自分を高めて磨きをかけておくことの方かもしれません。(自分で言いながら、もっと頑張らなきゃと反省中です)
ハイヒールとリップは自分を語る上で欠かせないもの! という方は有名人でもたくさんいるんですよ。
例えば歌手の野宮真貴さん。『赤い口紅があればいい』という本も出されています。大切なのは、赤い口紅とハイヒールと笑顔。これが美人に見えるコツだそうです。
石井美保さんの365日ハイヒール生活のインタビュー記事はこちら
私はまだまだ自分の理想とする「美神令子」のような完璧な女性にはなれていないのですが、でも自分なりにその姿を追い求めることで、気がつけば自分らしさや魅力に気づいていける気がします。(いくらハイヒールは履いても、流石にボディコンは似合わないだろう・・・とか。笑)
jobikaiでは、すべてのエキスパートの自己紹介欄に、「あなたにとっての美の条件とは」という項目を設けています。この欄の回答は任意なので必須ではないにも関わらず、エキスパートの方に回答を求めて空欄のままの方はいませんでした。
多くの美のエキスパートの取材を通しても、やはりみなさん理想像があって、それに近づこうとしています。だから必ずしも一人のいうことだけが正しいのではなくて、様々な考え方の”美”があるんですね。
いろんな美の基準がありますが、あなたの目指す美はなんですか?
ぜひあなたの美の象徴となるものをもっと大切に、磨きをかけてみてください。