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脇に限らず、実は汗というのは99%が水分なので、殆どニオイの直接の原因にはなりません。
においを発生させる主な原因は、アポクリン腺という特殊な汗腺から分泌される特殊な汗と、皮脂。これらが肌にいる常在菌によって分解される時に、ニオイの原因となる成分が作り出されるのです。
汗は99%が水分のため、ニオイの直接の原因ではないと紹介しましたが、夏場にニオイが強くなるのはこの汗で蒸れる事によって、菌が繁殖しやすくなる事も一つの理由。
そのため、汗自体がにおうわけでは無くても汗がニオイを強くしてしまっているという点では、汗の対策を行う事も体臭防止に大切であると言えます。
においの主な原因である皮脂やアポクリン腺の汗。これらは、暑さよりもむしろ食事内容による影響が大きいという特徴があります。
とんかつやてんぷらなど、脂っぽい食事を沢山食べた後に肌がテカテカする現象はだれでも経験した事があると思います。
これは脂っこい食事をとって皮脂が多く分泌されるようになった事が原因。
皮脂は毛穴の中にある「皮脂腺」という部分が、血液から送り込まれてくる脂肪がため込まれてふくらみ、水を入れ過ぎた水風船が割れるように、脂肪が入りすぎた皮脂腺の細胞が破裂する事で分泌されます。
つまり、血液によって供給される脂分が多ければ皮脂が沢山分泌され、少なければ皮脂の分泌は少なくなります。
血液中の脂肪分は食事に大きく左右されるので、脂っこい食事を摂ると増加し、逆にサッパリした食事では脂肪分が増えません。
脂肪の中でも、特にラードやバターといった動物性脂肪や、植物性のオイルでもリノール酸が多く含まれたものは体臭の原因となります。
動物性脂肪は体にとって消化しにくいものが多く、腸内で分解される際にアンモニアなどにおいの元を発生させやすい他、腸内環境を悪化させてしまう原因に。
また、サラダ脂などに含まれているリノール酸は、必須脂肪酸の一つではあるのですが、過剰摂取するとコレステロールや中性脂肪の量を増やしやすい性質があるため、皮脂だけではなくアポクリン腺から分泌される汗にも影響を与えてニオイを発生しやすくすると言われています。
トレーニングの際に筋肉の材料となったり、ダイエット時に筋肉を減らさないために多めの摂取が推奨されるタンパク質。
ただ、タンパク質は体にとって消化しやすい成分ではなく内臓を疲れやすくする点や、アポクリン腺からの分泌物にふくまれるたんぱく質もにおいの原因となる事から、体臭予防という点では過剰な摂取はNG。
特に、肉類は消化吸収に強い負荷がかかりやすい事もあって体臭の原因になりやすいので、タンパク質の摂取には肉だけではなく、大豆食品や魚なども積極的に食べるようにしましょう。
にんにくの臭いは、にんにくを切った時に作られる「アリシン」という物質のもの。
食べた後の口臭が気になる所ではありますが、アリシンは血液に取り込まれた後、皮膚からも排出されるため、体臭の原因にもなります。
アリシンはニンニクだけではなく玉ねぎや大根の辛みの元でもあるので、こうした食品を沢山食べる人は、リンゴやパセリなどといった、ニンニクの臭いを消す効果がある食事も一緒に食べると良いでしょう。
辛い食べ物を食べた時、汗が噴き出てくる経験があると思います。
汗は通常、暑い環境にいる時、体を冷やすためにかくものですが、辛い食べ物を食べると脳が「暑くなった」と勘違いを起こして汗が分泌されるようになります。
辛いものを食べた時の汗は、暑くなくても分泌されるため、そもそも通常の汗と比べて蒸発しにくい状態。そのため、蒸れる環境が作られやすく、ニオイを強化する原因になりやすいといえます。
辛いものを食べて噴き出てきた汗は早めにふき取ってしまいましょう。
レトルト食品の防腐剤など、長期保存される食品を安全に保つためであったり、味を良くするために使用される様々な添加物。
食品の安全性を高めるという点では無くてはならないものですが、一方でこうした添加物は消化吸収の負担となったり、肝臓にて分解される微量な毒素として体に判断されたりします。
内臓の疲れは普段あまり意識できませんが、例えば肝臓が疲弊して毒素の分解が遅くなると、アンモニアなどの毒素が分解されきれず血液中にとけだし、体臭の原因となるなどにおいとしても表れるようになります。
レトルト食品やファストフードなどは添加物が沢山含まれているものも多いので、そればかりの食事とならないように気を付けましょう。
糖分の取り過ぎが太る原因というのは半ば常識ですが、過剰な糖分は体臭の原因にもなります。
糖分は分解される時に体内のビタミンやミネラルを消費するため、過剰に摂取すると体内の栄養素が不足し、代謝が低下。バリア機能が弱まるために菌が繁殖しやすくなり、体臭を発生させやすくなってしまうという連鎖を引き起こします。
また、糖分の取り過ぎは腸内環境の悪化も招く事から、食事の消化吸収を妨げ、腸内における食品腐敗によって体臭の原因となるほか、オナラなども出やすくなります。
以上が体臭を発生させやすくなる食事の特徴ですが、一方で体臭を抑えやすい食事もあります。
体臭を抑える食事の特徴としては、肌の環境を良好に保って常在菌が不必要に繁殖しにくくするというものや、腸内環境や内臓の状態を整えて体臭の元となる成分が作られにくくするというものがあります。
抗酸化作用という言葉は聞いたことがあると思いますが、主に体内や肌で発生した活性酸素を無力化し、健康な状態に保ちやすくする事から必要とされています。
抗酸化作用がある栄養素としては、代表的なものがビタミンCやビタミンE。そのほか、カテキンなどのポリフェノール類やトマトなどに含まれるリコピンなどのフィトケミカルも高い抗酸化作用を持っている栄養素です。
抗酸化作用の強い栄養素を摂取する事で、肌や体を健康的な状態に保ち、常在菌が過剰に繁殖する事を防ぐ他、タンパク質や脂質の酸化による酸化臭を防止します。
「腸まで届く」というようなフレーズをよく見かける乳酸菌飲料ですが、乳酸菌は腸内で食品を分解・吸収する補助を行うため、消化しきれなかった食品が腸内で発酵して腐敗臭などを発生させる事を防ぎます。
同様に、酵素も食品の分解に必要不可欠な栄養素で、生の野菜を皮ごと食べたり、加熱されていない酵素が含まれたサプリやドリンクなどを飲んで体内に取り込んでおくと、食品の分解がされやすくなります。
乳酸菌や酵素の他にはタンパク質の代謝に必要となるビタミンB6などの栄養も大切です。
腸内での消化・吸収が良好になる事で、体に必要な栄養素が食事から取り込みやすくなり、代謝もアップ。体臭予防だけではなく、美肌作りや健康的なダイエットのためにも良い役割を果たします。
体は全て食事によって取り入れられた栄養素で作られています。
体臭の原因も食事によるものが大きいため、まずは食生活から見直してみてはいかがでしょう。