- 週間ランキング
今現在、肝斑を改善するために最も有効とされている手法はトラネキサム酸という成分が配合された内服薬です。
治療の方法としては、トラネキサム酸を毎日一定以上の分量で服用する事で、肝斑の原因となるメラニン(肝斑の黒い成分)が作られるのを防ぎつつ、8週間程度の期間をかける事で肌のターンオーバーと同時に肝斑を解消するというもの。
肝斑が出来ないようにし続けるためには継続した服用が必要となりますが、肝斑を解消する最も確実な方法として取り入れられています。
トラネキサム酸による肝斑の改善についてはすでに多くの事例があり、その効果ははっきりしているものの、実はトラネキサム酸が肝斑に効果を発揮するメカニズムは完全に解明されていません。
現在までの所、トラネキサム酸が肝斑に効果を発揮するメカニズムは、トラネキサム酸の持つ抗炎症作用の一つである、肌にダメージを与えたりメラニン生成を促したりするような酵素(プラスミンなど)の作用を防ぐ働きが関係していると言われています。
トラネキサム酸は肝斑の原因となるホルモンバランスの調整や、メラノサイトに対して直接働きかけを行う作用ではなく、メラノサイトを活性化させる成分をブロックする事で、肝斑が作られるのを防止しているというものです。
そのため、肝斑の治療を行う場合にはある程度長い期間が必要となり、市販の肝斑治療薬では8週間でのケアを打ち出しています。
トラネキサム酸は肝斑の治療だけではなく、風邪などの際にもよく処方される薬の一つ。特に、喉が炎症を起こして腫れている場合や、口内炎などの治療として利用されます。
そのため、トラネキサム酸の処方目的で皮膚科の受診をする人もいますが、基本的に肝斑の治療は保険診療で行う事が出来ないため、実際に喉の炎症などトラネキサム酸の適応症状でない限りは処方してもらう事難しいでしょう。
また、日本では喉の炎症改善に利用されるトラネキサム酸ですが、アメリカやイギリスなどでは主に月経の出血過多などを改善するために用いられ、炎症を抑えるための利用は一般的でないようです。
月経の出血を緩和するために利用されるのは、トラネキサム酸が持つ「血液をかたくする」という作用によるもので、日本でもトラネキサム酸が手術後の止血剤などに利用される事があります。
これは治療を目的とした場合はメリットですが、逆に言えば血栓などを作りやすくしてしまうというリスクでもあり、血栓症や血栓が出来やすい人はそもそもトラネキサム酸を服用する事がNGとなります。
元々が健康体であっても、トラネキサム酸を多く服用する事でこうしたリスクが発生する事は確かですので、利用する際には十分に用法容量を守るようにしましょう。
市販薬では肝斑治療のために一日500~750㎎程度のトラネキサム酸を服用するものが多いですが、自己判断で利用するのではなく、なるべく専門的な皮膚科医などの指導の下で服用する方が安全です。
肝斑はトラネキサム酸以外でも、レーザートーニングやハイドロキノンを利用した改善方法が用いられます。
肝斑はシミの一種ですが、他のシミを除去するような強いレーザーを照射すると、肌がダメージを負ってかえって悪化してしまう場合があります。
そこで利用される方法が「レーザートーニング」という方法で、肌の深い部分まで影響が及ばない弱めのレーザーを当てていく事で、肌の浅い位置で肝斑を分解していくというものです。
レーザー照射から1~2週間程度で肝斑が薄くなったのを実感しやすいため、早く肝斑を改善したい時有効な方法です。
ハイドロキノンは他のシミ改善にも利用される外用の軟膏で、シミに塗る事でメラニンを薄くしたり、予防したり事ができます。
ドラッグストアなどで手に入れられるものもありますが、皮膚科などではより高い濃度のハイドロキノンを手に入れる事が出来ます。
肌の表面からではありますが、肝斑の色素を直接薄くしていくため、早く肝斑を目立たなくしていく事が可能です。
注意点として、レーザートーニングもハイドロキノンも、現在肌にある色素を薄くする効果はありますが、肝斑ができる原因にアプローチするものでは無いという事。
肝斑はホルモンバランスの乱れなど、原因が続いている限りずっと作られ続けるものですので、折角レーザーやハイドロキノンで薄くしても、暫くしたらすぐ元の状態に戻ってしまいます。
そのため、そもそも肝斑を作られないようにするトラネキサム酸の服用は必須で、肝斑のケアを行うためには基本的にずっと飲みつづけなければなりません。
もちろん、生活習慣の改善などによってホルモンバランスの乱れなどそもそもの原因を解消する事が出来れば一番良いのですが、単純に医療でのケアによって解消するためには継続的なケアが必要となりますので、注意しましょう。