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ボトックスという薬は、運動神経の末端を破壊し、筋肉が収縮・痙攣するのを抑える薬です。美容医療におけるボトックス注射でのシワ取り治療とは、この薬を表情によってできるしわの原因となっている筋肉に注射をすることで、筋肉の動きを鈍らせ、表情ジワを目立たなくする治療法です。
ボトックスによって筋肉の収縮やけいれんを抑える作用は、医療における様々な目的に使われます。
・表情シワを抑える
・顔面のけいれんなどを抑える
・顔のエラや肩、ふくらはぎなどの筋肉に注射し筋肉の緊張を和らげほっそり見せる
・汗の出やすいところに注射し観戦の活動を抑制することで発汗を抑える
など、ボトックス治療は表情ジワの他にも様々な目的で利用されています。
人が眉間にシワを寄せる時というのは、眉を潜めたり、眩しくて目を細めたりする時です。その時、左右の眉周辺の筋肉が、引き付け合うように動作することで眉間にシワが寄ります。
ボトックスの筋肉が収縮・痙攣するのを抑える作用を使い、眉周辺の筋肉の動きを抑えることで、眉の動きそのものを制限でき、シワができにくくなる仕組みです。
当然、眉間にシワがよりにくいだけでなく、眉の動きも多少制約されるため、表情が動きにくくなる場合もありますが、顔全体の筋肉に作用するわけではないため、自然と眉間のシワだけを目立たなくすることができます。
・効果が当日または2〜3日以内に出る即効性
・気になるところだけピンポイントで治療できる
・傷跡が残らない
・施術が短時間で、ダウンタイムもほとんどない
・施術したことを周囲に気づかれにくい
・比較的施術費用が安い
・続けているうちに、効き目が切れてもシワができにくくなっていく
・効果を持続させるには数ヶ月に一度の定期的な施術が必要
・普通にしていてもでてしまうような深いシワを埋めることはできない
・稀にアレルギー反応が起こる場合がある
・稀に表情が不自然になることがある
診察では、まず眉間のシワの状態を医師に見ていただきます。
この時に、どのくらいの量のボトックスをどのポイントに打つかを医師が判断します。
次に、ボトックス薬が複数あるクリニックの場合は、どのボトックス薬を使うかの希望を聞かれます。
筆者は、
・韓国製のリジェノックス と
・米国製のボトックスビスタ
をそれぞれ体験してみました。
(ボトックス治療に使われる薬剤の種類についてはページ下部をご覧ください。)
施術では眉間に注射でボトックスを注入するため、まず軽くその部分のメイクを落とします。
次に、施術台に仰向けになり、医師が眉間の筋肉の動きを確認しながら、注射を打つポイントを決め、マーキングします。
医師が注射でボトックスを注入しますが、この時、針が刺さる痛みの他に、若干眉の奥が痺れるような鈍痛を感じますが、耐えられないような痛みではありません。
注射した際に出た出血を1分ほどおさえたら、施術は終了。大体ここまでの流れが5〜10分程度で終わります。
ダウンタイムはほとんどありません。ただし施術当日は、施術箇所が若干腫れや赤みがでます。でもすぐにメイクはできるのでほとんど目立ちません。
ただし、施術後1週間くらいは、眉間をマッサージしないようにいわれました。(注入したボトックスが流れてしまう可能性があるため)
眉間を動かす筋肉(2点)に、米国アラガン社製のボトックスを注入。施術後3時間くらいからシワがよりにくくなって行き、4時間ほど経った頃には眉間にしわを寄せることが全くできなくなりました。
(写真の右はなんとか眉間を寄せようとしていますが、眉を動かせないため一切しわがよっていないのがわかります)
この後、3ヶ月程度は効果が続き、4ヶ月目から徐々に効果が薄れて行き、5ヶ月経った頃には施術前の状態に戻っていました。
(施術日:2016年3月)
眉間と、左右の眉上2点ずつ、合計5点に韓国製のリジェノックスを注入しました。
施術後は当日〜1週間くらいではほとんど変化が現れず、2週間ほどしてようやく目で見てわかるくらいに効果は出てきました。
施術前に比べ、少ししわが寄らなくなっています。
ただ、アラガン社の注射を先に経験しているので、このくらいの効果の高さではちょっと物足りなく感じ、効果が全くないとは言えないものの、しわが寄らないようにする、という目的の上では効果は低いです。
(施術日:2018年5月)
ボトックスの実際の効果について見ていただきましたが、ボトックスをやろうかなと検討している人に伝えておきたい、施術を行う際に起こりうる副作用や注意点があります。
ほとんどの場合施術する医療機関で説明がありますが、安心して治療に臨むために以下の点を事前におさえておきましょう。
人にもよりますが1分くらいおさえれば止まります。(施術の際に看護婦さんなどが対応してくださいます)
ボトックスにダウンタイムはほとんどありませんが、注入後の数時間は注入箇所周辺が赤くなったり、麻痺した感覚になったりすることがあります。
施術したては注入箇所にボトックスが定着していないため、その周辺を揉んだり、血流が活発になったりすると、薬剤が分散して効きが悪くなることがあります。
違和感を感じてもしばらくはなるべく触れたりせずに放っておきましょう。
筋肉に異物を入れるわけですので、当然違和感や圧迫感などを感じることはあります。だいたいが数時間で収まりますが、痛みが続くようであれば医師に相談しましょう。
体質やボトックスの種類、注入量によってはしっかりと効果を感じられないことがあります。前もってリタッチの対応をしてもらえるかなどもクリニック選びの際に調べておきましょう
眉間のボトックス治療は目の周辺の筋肉に作用しますので、まぶたを動かす筋肉にまで薬が回ってしまうことがあります。
ボトックスの持続性は数ヶ月のため、いずれ薬の効果が薄れますのであまり焦らなくても大丈夫ではありますが、もし違和感を感じるようであれば早めに医師に相談しましょう。
ボトックスはリスクが低く、失敗の少ない治療ではありますが、稀に下記のようなトラブルが起きることがあります。施術前に知っておくことはもちろんのこと、もし施術後におきた場合は必ず医師に相談しましょう。
経験値の高い医師ならこういった失敗はほとんどないですが、稀に想定以上に薬が効きすぎたり、薬が合わないといった場合に、腫れやシコリを感じたり、表情が硬くなって不自然な顔つきになってしまうことがあります。
ボトックスは数ヶ月くらいでだんだんと効果がなくなって行くのでそれほど焦る必要はありませんが、違和感を感じるようであれば医師に相談しましょう。
眉間の筋肉の動きを制限するため、注射を打つポイントや薬剤の注入量が適切でないと、眉の位置が下がってしまうことがあります。すると、特に表情を作っていないときでもいつもと違う顔つきに見えてしまいます。
眉間に効かせる筋肉以外のところにボトックスが作用してしまうとこのようなことが起こる場合があります。
ボトックスを注入する適度な具合は、担当する医師の知識と経験によって左右されますので、注射治療を得意とする病院や、症例を多く経験している医師を探す事が失敗のリスクを軽減するために重要です。
ボトックス治療に使われる薬剤の種類の代表的なもの3つをご紹介します。
それぞれに特徴がありますが、安さよりも効果の高さや安心感などで選ぶのがいいでしょう。
も多くの医療機関が推奨しているのが、アラガン社製のボトックスビスタです。ボトックスの薬剤を最初に作った会社で、いわばボトックス薬のパイオニア的メーカーです。ボトックス薬としては唯一の厚労省認可の薬品です。
効果が安定しており、4〜5ヶ月くらいは持続します。
クリニックではこの薬を使った場合のみ治療後の効果や副作用などに対する保証制度などが用意されていることが多いです。
効果の高さ、持続性など、総合的なバランスのとれた選択肢となります。
治療料金は大体1万円〜5万円くらいが相場です。
<筆者の体験談>
アラガン社のボトックスは施術後4時間経った頃にはほとんどシワが寄らなくなっていて、次の日にはほぼ完全に眉間が動かない状態になりました。4ヶ月経ったあたりから少しずつ効き目が薄れていきました。
こちらは厚労省未認可の薬剤。持続性が低く、効果が出てくるまでに時間がかかるのが特徴です。また、効きにくい場合もままあります。しかし値段が安く、ボトックス治療の中でも最も安い部類です。
持続性は人にもよりますが大体3〜4ヶ月と、アラガン社のものより1ヶ月程度短いといわれています。
治療料金は大体3千円〜1万5千円くらいが相場です。
<筆者の体験談>
リジェノックスは、施術後半日くらい経っても効果は現れず、2週間ほどしてようやくしわが浅くなって行きましたが、完全に眉間にシワが寄らなくなることはありませんでした。
こちらも厚労省未認可です。効きはじめるのが比較的早く、2回目の背術で効きにくくなる可能性が低いため安定性があるといわれています。
持続性は普通程度で、韓国製とアメリカ製の中間くらいです。
治療料金は大体1万5千円〜7万円くらいが相場で、アメリカ製よりも割高です。
笑い皺や、表情によってシワが出やすい人
表情にかかわらず深いシワができてしまっている
私がボトックスで眉間のシワを消す治療を行ったのは、今回で2回目。
初めての時はアラガン社のボトックスビスタ(30,000円)でしたが、はっきりいって今回受けた韓国製のリジェノックス(5000円)よりも即効性があり、効果も高く安定していました。
具合が悪くなったり腫れたりといった辛いダウンタイムや、トラブルなども一切ありませんでした。
しかし必ずしもそうだとは限らないので、やはり失敗のないものを選びたいのであれば、アラガン社のものがいいと思いますが、何れにしても効果の持続は3〜5ヶ月程度ですので、いずれ効果は薄れてやがては無くなります。
眉間のシワは怒って見えたり、なんだか気難しそうな人に見られるパーツなので、気になっている人は副作用や起こり得るリスクはよく認識しつつ、まずはクリニックに相談してみてはいかがでしょうか。