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ケミカルピーリングとは、強い酸性の薬剤を利用して古い角質を溶かし、ターンオーバーを促す治療法。皮膚科だけではなく、エステやホームケアでもピーリングは存在しますね。
ピーリングによるニキビ治療の目的としては、古くなった角質を除去する事で角栓の詰まりを解消し、毛穴が詰まる事によって発生するニキビそのものを解消する事と、ターンオーバーを促して早く健康的な肌を作らせる事で、ニキビによる色素沈着の解消や、そもそもニキビができにくい肌質を目指すというものです。
角質を強制的に溶かして薄くし、ターンオーバーを促進するため、白ニキビからニキビ跡まで一定の効果を見込める他、シミのケアなどにも効果的です。
ただし、副作用として肌がとても乾燥しやすくなる事や、そもそもピーリング行為が肌への負担となるため、元々乾燥しやすい肌質や、ターンオーバーが早く肌が薄いようなタイプの人には逆効果となる場合もあります。
ニキビが出来やすい体質を改善するものではありませんので、効果を十分に得るためには定期的な通院や生活習慣の改善などが必須となります。
ニキビの原因は毛穴にたいして角栓(コメド)が詰まり、これが菌の繁殖を引き起こすもの。つまり、菌が繁殖する前に毛穴の角栓を排除してしまえばニキビもそれ以上悪化しません。この「芯出し」を皮膚科で行うものとして、主に2種類の方法があります。
一つ目の方法が「面皰圧子(めんほうあっし)」と呼ばれる小さなティースプーンに穴がついたような器具でニキビを押し、コメドを除去する方法。どちらかというと普通の皮膚科でよく行われる方法であり、器具を揃えれば自分で行う事も可能です。
ニキビの直接の原因であるコメドを除去するため、すぐにニキビを小さくする事ができます。
対応可能なニキビは主に白ニキビや黒ニキビの状態のもので、炎症が引き起こされた赤ニキビの状態になってしまうと面皰圧子による刺激がニキビを悪化させる場合があるため、早い段階での対応方として主に利用されます。
レーザー治療の中でも炭酸ガスレーザーなどを利用した方法で、ニキビに対してレーザーを照射する事で穴を開け、詰まった角栓の排出を行うものです。
原理としては前述の方法と同じですが、皮膚に穴を開ける方法であるため炎症を起こしている場所でも対応が可能です。
面皰圧子にしてもレーザーにしても、基本的に現在つまっている角栓の除去が目的のため、一つだけ出来てしまったニキビの早期解消には効果的ですが、根本的な治療には繋がりません。
フォトフェイシャルやフォトRFなど、光を利用した治療法がニキビ肌の改善に利用される場合もあります。
光治療はレーザーと異なりニキビに直接作用するという形ではなく、光の照射によって肌の細胞を活性化させ、健康的な肌を作るターンオーバーを促進する目的で行われます。
そのため、今出来ているニキビの解消というよりも、ニキビ跡の解消や、ニキビができにくい肌質を作るために実施するというものが主な目的です。
ターンオーバーの促進という点ではケミカルピーリングと同様ですが、肌に対する直接的な刺激が無く乾燥を誘発するものではないため、肌が多少弱い状態でも治療を行う事が可能です。
照射によるターンオーバーの促進は永続的ではない為、定期的な通院や生活習慣の改善などは必須となります。
ニキビの治療としては主に3種類の効果を目的とした外用薬が用いられ、保険適用のものや薬局などで購入可能なものなどもあります。
ニキビ治療に利用される外用薬の1つ目がステロイド系の外用薬。リンデロンVG軟膏などが挙げられます。
ステロイドとは簡単に言えば体の免疫機能を防止する効果の薬で、炎症した部位に利用する事で炎症をストップさせる事が出来ます。
炎症をストップさせるため、赤ニキビの解消には効果がありますが、角栓が詰まっている状態を改善するわけではない為同時に角栓の詰まりを解消するケアなどが必要となります。
また、免疫を止めるという事は肌の防御機能を弱めるという事でもあるため、長期的に利用をしてしまうと肌が余計にダメージを受けやすい状態となり、にきびが出来やすい状態になってしまう可能性もあります。利用の際はしっかりと医師の注意を聞いて利用するようにしましょう。
ディフェリンなど、肌を柔らかくして角栓の詰まりが解消されやすくしつつ、肌のターンオーバーを早めるといった目的で利用される外用薬が2つ目です。
イメージとしては局所的なケミカルピーリングで、出来てしまったニキビの早期解消に対して有効な反面、乾燥しやすくなるなどの副作用もあるため、保湿ケアの徹底などが必要となります。
ダラシンなど、主に殺菌を目的とした外用薬は、アクネ菌の殺菌によって炎症を鎮め、赤ニキビの解消を目的としたものです。
炎症の解消が目的となるため、角栓が詰まっただけの白ニキビなどでは効果を期待できず、逆に肌に刺激となって悪影響となる場合もあります。
殺菌と肌を柔らかくする外用薬は両方が適度に配合されているものも多いので、薬剤師などに使い方を確認して、トラブルの際に利用しても良いでしょう。
内服薬によるニキビ治療は保険適用では3種類、保険適用外では2種類の治療方法が用いられます。
ニキビ治療の内服薬として、最も多く利用されるものが抗生物質です。
抗生物質とは主に特定の菌に対して殺菌効果を発揮するものとして利用され、アクネ菌の殺菌を行う事でニキビの炎症を改善していく事を目的としています。
ただし、内服薬による治療はニキビだけに直接作用するものではなく、また抗生物質を長期的に服用すると薬が効かない「耐性菌」が出来てしまうという問題もあり、服用してもニキビの炎症が改善しないようであれば別の抗生物質に切り替えるなどの対応が必要です。
抗菌作用が主であるため、白ニキビやニキビ跡などの改善には向きません。
サプリメントというと医薬品ではないイメージですが、ニキビ治療の薬としてビタミン剤などが処方される場合もあります。
ニキビの原因はそもそも体内環境のトラブルから発生しているケースが多く、サプリメントによって不足している栄養素を補い、ターンオーバーの正常化を促す事でニキビの改善を目指します。
ニキビだけを改善するというよりも、肌質そのものの改善を目的としていく治療方法です。
ニキビの治療には、漢方による体質の改善も利用されます。
漢方では十味敗毒湯のような解毒作用や血流を促進するものの他、当帰芍薬散などホルモンバランスを整えるようなものなどが利用され、体質そのものをニキビができにくい状態にしていく形となります。
即効性があるものではないので、長期的に服用して体質改善を図る目的となります。
特に大人ニキビの場合、ホルモンバランスの乱れによって発生するものが多く、ピルなどを利用したホルモン療法もニキビを解消するために効果的です。
ホルモン療法は主に女性のニキビ解消に用いられる事が多く、生理不順などホルモンバランスが乱れている他の症状と合わせて改善していくためのものという側面が強くなります。
ホルモンバランスの改善については体に対する影響も大きいため、しっかりとした検査を行った上で医師の指導に従いながら適切に利用する事を心がけましょう。
アメリカでは主流なニキビ治療の方法ですが、日本国内ではまだあまり普及していない方法がイソトレチノインによる治療方法です。
イソトレチノインはビタミンA誘導体の一種で、服用する事によりニキビの原因となる皮脂の分泌そのものをストップさせ、そもそもニキビができない状態にする効果があります。
イソトレチノインを一定期間服用する事で、皮脂の分泌を止め皮脂腺の働きを退縮させると同時に、肌の細胞機能を正常化していく事で服用を停止した後もニキビができにくい肌質を目指す事が可能です。
ただ、肌が強く乾燥するという副作用や、薬の作用で妊娠などの際に悪影響があるため、治療期間の前後しばらくは妊娠など避けなければならないなど、副作用への注意が必要な治療方法でもあります。
こうした副作用の強さや金額の高さが理由の一つとなって日本国内では未承認の治療法ですが、クリニックによって取り扱っている所があります。
ホルモン療法やイソトレチノインによる治療はニキビを解消しつつ、体質の改善を行っていくもののため、ニキビの根本的な改善に有効です。
ニキビの治療法は大きく分けて以上のようなものがあります。
大切なのは白ニキビや赤ニキビなどのニキビの種類や、単発のニキビなのか広範囲のニキビなのかなど「どんなニキビ」を解消したいのかという点と、今ある症状を改善したいのか、それともニキビが出来にくい肌質に改善したいのかといった「どう治したいのか」という点を考えて、最適な治療法を選択する事です。
ニキビ治療は価格も様々で、ついつい安い治療を選びがちですが、本当に必要なものを選ぶ事が結果的に最も経済的な選択肢となります。
それぞれの治療の特徴を理解して、最適な治療法を選びましょう。