Vive本体とNvidia GeForce GTX 1070が999ドルで


VRヘッドセット、特にHTC ViveやOculus RiftといったPCベースのハイエンドヘッドセットの普及を阻む障壁の一つとなっているのは、その価格だ。


スマートフォンを持っていれば1,000円程度から利用できるモバイルVRヘッドセットと異なり、本体とコントローラーだけでも800ドルや600ドルかかる。


加えて高性能なパソコンも必要になる。こちらは、妥協して600ドル程度からだろうか。


HTCもユーザにとってViveが高価なことは理解しているらしく、アメリカの消費者向けに分割払いで購入を補助するプログラムを実施している。今回は、その対象が初めてPCとViveのセットにも拡大された。


Viveファイナンシングプログラム



HTCはイギリス、ドイツ、フランスといったヨーロッパの国々で、一部小売店を通してVive本体を分割払いで販売している。このViveファイナンシングプログラムは成功を収めているらしく、今年の2月からはアメリカや中国にもプログラムの提供を拡大した。


アメリカでファイナンシングプログラムを使えば、手数料なしの6回または12回払いと、手数料7.99%を支払う24回払いを選択できる。


24回払いならば毎月の支払いは40ドルと、かなり購入のハードルは低くなる。


中国では、いずれも手数料のかからない3,6,12回払いが可能だ。


さらに、Vive購入者には4本のVRアプリも提供される。合計価格75ドル分のアプリをおまけとして付属させ、お得感はかなり高まっていると言えそうだ。


このViveファイナンシングプログラムは当初Vive本体の単品購入でのみ利用可能だったが、4月18日から対象を拡大してViveとVR対応PCのセットでも利用できるようになった。


新たなプログラム対象セット



新たにViveファイナンシングプログラムによる分割払いでの購入対象となったのは、次の三つのセットだ。


Vive本体+グラフィックカード(Nvidia GeForce GTX 1070 Founders Edition)



VRヘッドセットHTC Vive本体と、ViveでVRアプリを利用するのに適した高性能グラフィックカードGeForce GTX 1070 Founders Editionのセット。


最先端のNvidia Pascalアーキテクチャを搭載したGTX 1070のスピードとパワーがVRアプリケーションの快適な動作を実現する。


ヘッドセットの購入に合わせてVR対応PCを自作する、あるいは既に持っているデスクトップパソコンのグラフィック性能だけを拡張してVR用に使いたいというユーザならばこのセットがちょうど良いだろう。


セット価格は999ドル(11万円)で提供される。両者の通常価格と比べると、200ドル(2万円)程度お得になる。


ファイナンシングプログラムを利用すれば、24回払いで月額49ドル(5000円)だ。


このセットは4月24日までの期間限定で販売される。


Vive本体+VR対応ノートPC(MSI GS73VR)



VRヘッドセットHTC Vive本体と、VRに対応したノートPCのセット。MSI GS73VRはVRイベントでも使われるようなモデルであり、持ち運びに適している上にパワフルなので屋外でもVR体験が可能だ。


セット価格は2498ドル(27万円)。


ファイナンシングプログラムを利用すれば、月額125ドル(1.4万円)で購入できる。


Vive本体+VR対応デスクトップPC(CYBERPOWERPC GXI970)



VRヘッドセットHTC Vive本体と、VRに対応したデスクトップPCのセット。CyberPowerPC Gamer XtremeはVRに最適化されたモデルであり、すぐに使える状態になっている。


セット価格2058ドル(22万円)。


ファイナンシングプログラムを利用すれば、月額99ドル(1万円)となる。


 


Oculus Riftが値下げされたことで、ViveはハイエンドVRヘッドセットの中でも特に価格が高い存在になってしまっている。Riftに対抗して値下げは行わなかったが、あれ以来キャンペーンが増えたようにも感じる。


値下げをしない代わりに、セット販売やおまけコンテンツを充実させていくのがHTCのスタイルのようだ。


ブログでこの三つのセットを発表するにあたっても、


私たちは常に、あなたがHTC Vive VRシステムを手に入れ、VRの世界に飛び込むのが簡単になるように努力を続けています


としている。


しかし、今回のセットは価格帯が高めに偏りすぎているようにも思われる。グラフィックカードとセットで999ドルはともかく、PCバンドルはいずれも2000ドルオーバーだ。


価格という壁を少しでも低くしようという姿勢は正しいのだが、こうしたPCを購入するユーザは既にViveを持っているような気もする。VRを普及させる意味では、もう少しお手頃なセットがあればより効果的になりそうだ。


今回のようなキャンペーンで流通量が増えると、日本への輸入価格にも影響するかもしれない。


 


参照元サイト名:Vive Blog

URL:https://blog.vive.com/us/2017/04/18/vive-financing-program-expands-to-pcs-and-graphics-cards-for-first-time/


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 HTC、分割払いプランをViveとPCのセットにも拡大