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VRテクノロジーにおいて未解決な重要問題のひとつに、「リアルな移動の再現」がある。例えば、ハイエンド型VRヘッドセットのVIVEにおいては、ルームスケール内での移動はユーザーが実際に体験できるが、バーチャルな長距離移動に関してはVRコンテンツによってそれぞれ異なるシステムを採用しているのが現状である。
また、3DRudderのような移動を再現するアクセサリーも開発されているが、「業界標準の」解決策というものは現時点では確立されていない。
同メディアは、先日イギリスで行われたOculus社のメディア対応イベントにおいて、同社エグゼクティブ・プロデューサーのDavid Yee氏にVR移動システムに関する見解を尋ねた。すると、同氏は以下のように回答した。
私たちは、どんな移動体験を脳が快適だと感じるのか、あるいはヒトが何らかの新しい体験に慣れるということがどういうことなのか、まだわかっていないのです。
しかしながら、VR移動システムの確立に関しては、いずれ市場全体で標準的な解決策が見出されるでしょう。つまり、そうした解決策は、Oculusだけで決めるべきではないのです。
以上のように述べたうえで、VR移動システムの確立までには数年はかかるだろう、とも発言した。
「VR移動システムは市場全体で決めること」という見方には関しては、同氏はFPS(First Person Shooting:一人称シューティングゲーム)の歴史にも言及した。
およそ15年前にFPSが登場した頃は、「3D酔い」という現象が問題となっていた。すなわち、ディスプレイ上の3D空間を見ていると、不快感が感じられたのだ。しかし、こうした「酔い」もFPSが進化し繁栄するにつれて、自然消滅した感がある。
VR移動システムをはじめとしたVRテクノロジーが直面している諸問題は、結局のところ、その多くは時間が経てば解消するのであろうか。もっとも、時間が解決してくれるのであればこそ、「VRの火」は絶やしてはならないのだろう。
Oculus幹部のVR移動システムに関する発言を紹介したUploadVRの記事
https://uploadvr.com/oculus-perfect-vr-locomotion-solution-still-years-away/
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