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まもなく開発者向けバージョンの販売が開始される予定になっている、HTCのVive Tracker。本体は小さく、安価に物体のトラッキングを可能にしてくれる夢のあるアイテムだ。
野球のバットやテニスのラケットに取り付けてVR用のコントローラーにしたり、身体に付けてモーショントラッキングを実現したり、ペットの猫に付けることでVR体験中に猫を蹴ってしまうことを防ぐというアイデアまである。とにかく応用範囲が広く、開発者・ユーザ次第で何でもできてしまいそうだ。
そんなVive Trackerについて、少し残念な(当然と言えば当然の)事実がHTCによって公表された。
便利な使い方がいろいろと考えられているVive Trackerだが、これだけで何かができるような独立した機器ではない。少なくとも、トラッカーと連携するベースステーションがなければトラッキングが実現しないからだ。さらに、必要なのはベースステーションだけではないという。
Viveportのフォーラムで、次のような投稿がなされた。
「Vive Trackerと、二つのベースステーションのみで(Vive本体を使わずに)動作させることができますか?」
というものだ。
この質問に対して、Viveのスタッフからはできないという返答がなされている。現在確認できる返答は
「それが可能になるという情報をお待ち下さい。開発者向けページを引き続きチェックしてください」
となっている。
この回答は投稿後に編集されたものらしく、UploadVRによれば以前は
「現時点では、トラッカーやコントローラーを使うにはヘッドマウントディスプレイが必要です」
という回答だったようだ。
現在の内容よりもはっきりとできないと言っているが、どちらも「現時点で」できないと言っているだけであって将来は対応することもありそうな表現である。特に編集後の回答では開発者向けページをチェックするように言われているので、現在のVive Trackerでもソフトウェアのアップグレードによって対応できるのかもしれない。
「Vive Trackerだけがあっても、Vive本体がないと意味がないのでは?」と思われるかもしれない。しかし、Vive本体を使わずにVive Trackerのみで動作するならばモバイルVRと組み合わせる用途も考えられる。
例えば、バットをコントローラーとして野球ゲームをプレイする場合。モバイルVRヘッドセット+バット+Vive Trackerとベースステーションならば、かなり安く済ませることができる。
Vive Trackerの価格は99.99ドルとされているので、モバイルVRヘッドセットとバットがあるならば370ドルで実現できる。日本円にして約4万円と、HTC Vive単体よりも安価だ。
VR以外にVive Trackerを使うことも考えられる。Vive Trackerの価格は安いため、身体に複数付けてボディトラッキングを実現することも現実的だ。
Viveの周辺機器であるVive TrackerをViveなしで利用するという特殊な例ではあるが、期待される利用法でもある。Viveで利用されているSteamVRのライトハウス技術のトラッキング精度は高い。この技術をVR以外にも使えるならば、ますますその活用法は増えるだろう。
現時点では非対応とされたアイデアだが、今後の変化に期待できる返答だった。
参照元サイト名:Vive Port
URL:http://community.viveport.com/t5/Technical-Support/VIVE-tracker-using-TV-NEWS-Virtual-Sets/m-p/6519
参照元サイト名:UploadVR
URL:https://uploadvr.com/vive-tracker-needs-headset-run-htc-confirms/
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