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本メディアでも以前に報じたように、Intelはかねてよりスタンドアローン型VRヘッドセット「Alloy」を開発している。
2017年3月時点でVRヘッドセット市場は、以下のような3つのカテゴリーが共存している。
モバイル型VRヘッドセットとハイエンド型のそれのあいだには、大きな違いがある。その違いとはハイエンド型VRヘッドセットは、PCにコードで接続して使用しなければならないところだ。こうした制限があるのは、ハイスペックなグラフィック機能を実現するために、PCの性能が必要となるからだ。
Intelが開発中のVRヘッドセット「Alloy」は、モバイル型よりはハイスペックながらもハイエンド型のようにPCが必要ではないデバイスを目指している。「スタンドアローン」とはPCレスなことを形容しているのだ。
同VRヘッドセットの魅力はPCレスな点に留まらない。現存のハイエンド型VRヘッドセットはすべて、ヘッドセット部分のほかにユーザーをトラッキングするトラッキング・センサーを必要とする(このトラッキング方式は、「アウトサイド-イン」と呼ばれる)。
同VRヘッドセットは、外部トラッキング・センサーすら必要としない「インサイド-アウト」型を採用している。さらにハンド・トラッキングにも対応しているので、同VRヘッドセットはユーザーの手をコントローラーとして使うことができるのだ。
次世代のVRヘッドセットと呼ぶにふさわしい「Alloy」は、今年初めに開催されたces2017でデモを公開しており、その実力の片鱗を見せつけた(下の動画参照)。
以上のような「Alloy」は、まさに完全無欠のデバイスかというと、そうとも言えない。
海外メディアUploadVRが、IntelのPC周辺機器部門のトップAchin Bhowmikにインタビューしたところによると、同VRヘッドセットの処理能力は「典型的なノートPC程度」である、とのこと。確かに、スマホよりは強力な性能ではあるが、ハイエンド型VRヘッドセットと比べると、少しもの足りない印象が拭えない。
とはいうものも、問題は価格である。VIVE、Oculus Riftを快適に楽しむには、VR Ready PCも含めて$2,000(約23万円)の初期投資が必要とされている。
同氏によると、Alloyの価格は$599〜$899(約¥69,000〜¥103,000)を予定している。
また同氏は、Alloyの性能と価格を考慮したうえで、VIVEとOculus Riftとの関係に関して、以下のようにコメントした。
わたしたちは、AlloyがVIVEやOculusといったほかのハイエンド型VRヘッドセットと競合するとは考えていません。
Alloyとほかのハイエンド型VRヘッドセットは、同じ野球場にはいないのです。Alloyが、ほかのVRヘッドセットを葬るようなことはありません。
以上の発言から言えることは、Alloyは既存のVRヘッドセット市場に新たなカテゴリーを生み出すプロダクトとしてリリースされるだろう、ということである。
こうした同VRヘッドセットのリリース時期については、具体的な発言はえられなかったが、2017年内に興味のある企業に「何千もの」開発版を配布する準備があるようだ。
まとめると、VRヘッドセット市場に新カテゴリーを生み出すであろうAlloyの登場は、2018年まで待たなくてはならないようだ。
Alloyに関するIntel幹部の発言を紹介したUploadVRの記事
https://uploadvr.com/vr-headsets-powered-intels-project-alloy-will-cost-closer-1000/
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