今年の年明け早々に、HTCがViveportのサブスクリプションサービスを発表した。CES 2017では2017年の初頭にスタートとされていたViveport Subscriptionsのサービスインが近づいているようだ。Varietyが続報を伝えている。


Viveport Subscriptions


このViveport Subscriptionsは発表当初からサービス開始を通知するメールの登録を受け付けている。ViveportのRikard Steiber社長がVarietyのインタビューに答えた内容によれば、メールアドレスを登録したユーザは14,000人を超えるという。


世界中のユーザが登録できる中での14,000人はあまり多くないようにも感じられるが、利用できるコンテンツやサービスの形態、料金の詳細について何も分かっていない段階としてはまずまずの数字だろうか?


サービスの方式については今回新たな情報も出ているが、料金はまだ明らかにされていない。


サービス料金


Steiberは新サービスの利用料金について「NetflixやSpotifyのサブスクリプション料金に近い」とコメントしている。テレビや音楽といった他のエンターテインメントとの兼ね合いから、ある程度は金額の予測ができそうだ。


日本でサービスが提供されるかどうかも不明だが、980円から高くても2,000円弱に落ち着くのではないだろうか。500円のように極端に安いとは考えにくいし、2,000円を超えればかなりユーザが少なくなりそうだ。1,000円台の前半がありそうなラインである。


サービススケジュール


HTCは、今後数週間のうちにViveport Subscriptionsを正式に開始しようとしている。Viveを所有するオーナーであれば、一ヶ月間の無料体験が用意される予定だ。


システム


Viveport SubscriptionsでVRコンテンツを利用するには、図書館のようにコンテンツをレンタルする必要がある。月額料金を払うことでVRコンテンツが遊び放題・見放題となるのだが、一度に全てのコンテンツをダウンロードできるわけではないのだ。


Steiberは同時に利用できるコンテンツについて一握りだと表現している。一本ではないにしても、あまり多くはなさそうな表現だ。ユーザが他のコンテンツを利用したいときには、満足したコンテンツと交換に新しいものをダウンロードすることになるという。一度に多数のゲームに手を付けたいユーザにとっては少し遊びにくい方式かもしれないが、問題になることは少ないだろう。


サブスクリプションサービスの意義


ユーザとサブスクリプションサービス


ユーザにとって、定額で好きなだけコンテンツを楽しめるサブスクリプションサービスはエンターテインメントの一つの形である。「いつでも利用できると思うと満足して、結局利用しない」「新作・人気作は少なく、定額でなければ手に取らないようなタイトルが多い」といったこともあるようだが、それでもサブスクリプションサービスは人気がある。


アメリカでは、家庭が使用するデータ通信量の6割がNetflixの動画だという調査結果も出ている。高画質な動画はファイルサイズが大きいため、音楽のような他のサブスクリプションサービスに比べても通信量が多くなるのは頷ける。それを考慮しても、Netflixのインパクトがよく分かる結果だ。


最終的には「ほしいコンテンツがあるかどうか」という問題に落ち着いてしまうのだが、サブスクリプションサービスは料金に見合うだけの価値があると考えるユーザが多いのだろう。映画で言えば、劇場で見たい作品、レンタルなら見たい作品、定額配信なら見る作品、地上波放映なら見る作品のように優先順位を付けられる。サブスクリプションサービスがあることで、他の方法では手を出さないような作品にも触れられる。


デベロッパーとサブスクリプションサービス


デベロッパーにとっても、サブスクリプションサービスは魅力的な選択肢だ。ViveportにVRコンテンツを登録しただけであれば、いずれは数あるコンテンツの中に埋没してしまう。既に1,000以上のコンテンツがあるので、それは仕方がない。Subscriptionsに登録するのは、作品が埋もれてしまうのを防ぐための良い方法だとSteiberは主張している。


ストアから有料のアプリを探し出して購入してくれるユーザは少なくても、遊び放題のコンテンツに並んでいれば「無料ならばダウンロードしてみよう」と考えるユーザは少なくないはずだ。実際には月額料金を支払っているのだが、追加課金不要の遊び放題はコンテンツに手を出すハードルを一気に下げてくれる。


体験者が増えて作品やデベロッパーがネット上で話題になれば、新作を買い切りでダウンロードしてくれるようなファンの増加にも繋がるかもしれない。


サブスクリプションサービスでは、売上の4割がViveportの取り分になる。それでも作品を登録するメリットは大きい。


Viveport Subscriptionsへの期待


ユーザ向けのサービス開始に先立って、デベロッパーによる作品の登録は既に開始しているという。知名度の高いパブリッシャーとも契約が進んでいる。


具体的には、 『Remembering Pearl Harbor』『Lumen』のTime In Inc.、『Mars Odyssey』のSteel Wool Studios、『Arcade Artist』のGroove Jonesが既に契約を結んだという。


来週、サンフランシスコでゲームデベロッパーのカンファレンスが開催される。ViveportはそこでデベロッパーやパブリッシャーにSubscriptionsに作品を登録するようにアピールするはずだ。


正式なサービスの開始までに、さらに作品のラインナップが充実することを期待したい。数週間後のサービス開始と発表されているので、料金やサービスイン時に利用できる目玉タイトルといった詳細な情報が近いうちに明らかになるだろう。


 


参照元サイト名:Medium

URL:http://variety.com/2017/digital/news/htc-viveport-vr-subscription-service-1201994366/


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 Viveportのサブスクリプションサービスがまもなく正式スタート