学校で英語を学ぶ子どもたちはもちろん、趣味や自分への投資として学ぶ大人も多いのが外国語。VRやARといった技術は教育・学習にも利用されているので、外国語の学習にもきっと役立つはずだ。


ところで、VRとARのどちらを使えばより効果的に学ぶことができるのだろうか。Mediumにそれぞれの特徴を論じる記事が掲載されている。


AR



利点


ARで語学学習を行うことの利点は、現実を教材として取り入れられることだ。


学習者がアプリを起動した場所や時間に応じて、内容を変化させるようなことができる。時間帯によって挨拶の内容を変えたり、場所に応じて地名を入れ替えたりすれば、すぐに使える会話表現を学べる。


Google翻訳アプリのように、看板やレストランのメニューに訳文を重ねて表示することもできるだろう。ARによる外国語学習は、実際に海外を訪れて本物に触れながら学びたいユーザにはぴったりだ。


欠点


欠点は、語学学習に適したARデバイスが存在しないことだ。


Microsoft HoloLensはまだ開発中であり、日常的に使えるようなデバイスではない。Google Glassは企業・団体で使われているが、公共の場で使えば不審に思われるだろう。スマートフォンのARはこれまでにも使われてきたが、便利ではないし、会話中にスマートフォンを触るのはマナーも良くない。ARの語学学習アプリを利用するなら、自然に身につけられるARグラスがほしいところだ。


VRヘッドセットは実用的かつ手頃なものが販売されている。こうした利便性で言えば、VRアプリの方が上かもしれない。


VR



利点


VRによる語学学習は、実際に会話する体験を再現できるのが強みだ。質の高いVRは脳を騙す(と語学学習アプリを開発しているデベロッパーは主張している)。もしその通りであるなら、実際に海外でそのシーンを体験するのと同様の学習効果が得られることになる。


非常に高価だったり人前で使いにくいデザインだったりするARヘッドセットと違い、学習に利用できる手頃なヘッドセットが多数存在することもVRを選択するメリットだ。VRによる学習ならば1人なので、ヘッドセットの見た目を気にする必要はない。


また、VRアプリはアプリ内で完結するのでAIの作り込みが行いやすい。高度な会話ができる人工知能を取り入れたアプリケーションであれば、本当に人間とやり取りするように会話をしながらの学習も可能になるかもしれない。


欠点


欠点として、不気味の谷現象の存在が挙げられる。VRアプリに登場するアバターは人間に似ているだけに、ときに気持ち悪いと感じるユーザもいるはずだ。CGで描かれたキャラクターが苦手ならば、ARアプリの方が向いているかもしれない。


現実であるかのように脳を騙すとは言っても、VRアプリ内で海外文化を学ぶのと実際に現地に行くのとでは、同じとは言えないだろう。この点ではリアルを学習に取り入れられるARアプリに軍配が上がる。VRアプリが内部で完結していることは、長所でもあり短所でもある。


学習方法の違い


現時点において、外国語を学ぶのに適しているのはVRだと考えられる。既にMondlyのような企業が外国語を学ぶためのコンテンツを提供しており、すぐにでも勉強を始められるのが強みだ。VRが提供するのは、従来の学習法の延長と言えるだろう。


場面に合わせて適切な返答を選ぶ、教師(役のAI)と会話するといった学習法は、これまでにも行われてきたものだ。新しい学習法ではない反面、効果が証明されている。AIが相手ならば気軽に間違えられるのも、恥ずかしがりな学習者にとってはメリットかもしれない。


一方でARは、外国語の学習に向いているデバイスが無い点が致命的だ。しかし、将来的には現地派にとって心強い味方になりそうだ。GPSを使った地図なども一体化させ、ガイドブックと辞書を兼ねた学習アプリ一本で海外に滞在できるようになるだろう。


どちらの方法にもメリットがあり、学習を助けてくれるものになりそうだ。


 


Modlyのサービスについては、VRInsideでも紹介している。VR版は先日登場したばかりだが、非VR版は2016年8月から提供されている。既に28ヶ国語に対応しているという。


 


参照元サイト名:Medium

URL:https://medium.com/@denishurley/the-future-of-language-learning-augmented-reality-vs-virtual-reality-679d6668db5b#.aukk37p2a


参照元サイト名:Mondly

URL:https://www.mondlylanguages.com/


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 外国語を学ぶにはVRとARのどちらがより適しているのだろうか