リリースが近づいている新しいARプラットフォーム「Phantom AR」についてNext Realityが伝えた。


Phantom AR


Phantom ARは、ハードウェアに依存しないARインターフェイスを提供するプラットフォームだ。iOS・Android用のヘッドセット、Microsoft Hololens、Meta 2との互換性があり、あらゆる機能をARによって制御可能にしてくれる。


アプリケーション再開発の手間を省く



Phantom ARのようなプラットフォームを使用せずにARアプリケーションを開発する場合、開発者は使用するハードウェアに合わせてアプリケーションを「再開発」しなければならない。他社のハードウェアで同じ機能を実現するためには、そのシステムに合わせたコードが必要になるからだ。


この移植作業には、手間がかかる。特に全く異なるハードウェアで動作させる場合には、一部の機能を削除しなければならないような事態も起こり得る。動作方式や性能の限界が異なるOS・ハードウェアにおいて全く同じ動作を実現するのは、一般のユーザが思っているよりも難しいのである。


しかし、Phantom ARを使えば細かなハードウェアの制御を考えなくてもARアプリケーションの開発が可能になる。Phantom ARのプラットフォーム上でアイデアを形にすれば、Phantom ARがハードウェアとの橋渡し役を担ってくれるからだ。ちょうどゲームエンジンとしてUnityを使って開発を行うようなものである。


Phantom ARでは、プログラマでなくてもARオブジェクトを作成・共有できる。もちろん、異なるハードウェアを使っているユーザ間でも問題ない。


HTMLやJavascriptでウィジェットを作成する


ハードウェアインプット



ARアプリケーションへの入力にはジェスチャーを用いる方法もあるが、Phantom ARではハードウェアによる入力を採用している。上の動画に登場する手袋型のコントローラーが使われる他、Google Daydreamのコントローラーによる入力にも対応している。


ハードウェアを使った操作はジェスチャーほど未来的に見えないかもしれない。しかし、こちらの方が高い精度を発揮できることも事実だ。現在の認識精度では、バーチャルタイピングよりもコントローラーを使って文字入力をした方が早くて確実である。


Phantom ARのこれまでとこれから



キックスターターでの資金調達は成功しなかったが、ハード・ソフト面の開発が精力的に進められている。プライベートアルファバージョンが数ヶ月以内に公開される予定だ。公式ホームページからメールアドレスを登録しておけば通知を受け取ることもできる。


Phantom ARは、これまでに発売されている主要なOS・ハードウェアに対応する。また、今年後半に登場するであろうMRヘッドセットにも対応していく予定だという。


創業者はNext Realityに対して

「私達は、ARに最適化されたプラットフォームを提供したいと考えています。これはWindowsがパソコン市場で行ったこと、Androidがスマートフォン市場で行ったことです。それをARの市場で行うのです」

と抱負を語っている。


 


ARアプリケーションの基盤を作り出そうというかなり野心的な試みである。キックスターターでの失敗にも怯まず開発が進められてきたPhantom ARの構想が実現した場合、AR業界全体の発展を後押しすることになるだろう。


 


参照元サイト名:Next Reality

URL:https://augmented.reality.news/news/phantom-ar-seeks-democratize-augmented-reality-0176258/


参照元サイト名:Phantom AR

URL:http://www.phantomar.com/


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 ARインターフェイスを広めるプラットフォーム「Phantom AR」がまもなく登場の見込み