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ValveのCEOであるGabe NewellのインタビューがPolygonに掲載された。彼がインタビューに応じることは珍しく、Twitterで世界に向けて情報を発信することもない人物なので貴重なコメントである。彼はVRについてどのように考えているのだろうか。
Valveは私企業なので、利益にうるさい株主に口出しされることなくリスクを取ることができる。これまでにも、Newellは危険な賭けに勝ってきている。
2003年、Valveは『Half-Life』のような自社のPCゲームを販売するデジタルストアを設立した。当時そうしたサービスで大成功した例は無く、リスクの大きい試みだった。しかし、この挑戦が間違いだったと主張する読者は居ないだろう。
このときに作られたのがSteamである。現在のSteamは、世界中に1億5,000万人のユーザが居る巨大なプラットフォームへと成長した。PCゲームにおけるiTunesやGoogle Play Storeのようなものである。
Steamの主力サービスは、ゲームやその他のデジタルコンテンツを販売・管理するプラットフォームだ。しかし、実は独自のハードウェアも販売している。
Steamストアで販売されているゲームを遊ぶためのコンソール、Steamマシン(独自のSteam OS搭載)の他に、ゲームをテレビにストリーミングするSteamリンク、Steamコントローラーといった周辺機器がある。
最近はゲーム以外のコンテンツも増えてきているなど、積極的にビジネス領域を拡大中だ。
NewellはVRの現状について、1981年におけるパソコンのようなものだと考えているようだ。多くの人にとって、まだVRは新しくて珍しいものである。
「パソコンが登場したばかりのころ、みんなレシピを見るために使おうと考えていました。スプレッドシートなんて奇妙なものは誰も使っていませんでしたよね」
しかし、今ではどこの企業でもスプレッドシートを利用して給与計算を行っている。当時の人々は、誰も正しい未来を予知できなかったのだ。
「私個人は、DSなんてダメだと思っていました。この世代の携帯用ゲーム機では、Sonyが任天堂を圧倒してしまうだろうというのが私の予想でした。しかし、実際には任天堂が勝者となりました」
現在、Steamには約1,300のVRアプリケーションがあるという。そのうち30本が25万ドル(約2,800万円)の売上を達成している。だが、利益を生み出していないアプリケーションも多い。
「我々は明るく考えています。VRは成長していますよ。でも、VRがいずれ失敗だと判明するという考えもいいですね」
「失敗しないことしか試さないのであれば、本当に面白いことに挑戦しているとは言えないのではないでしょうか。我々はゲーマーが『素晴らしい』と言うようなものを見つけ出したいと願っています」
NewellはVRのハードウェアについても楽観的だ。技術の発展が体験の質を高め、ハードウェアのコストを削減してくれるだろうと考えている。
ValveのVRに対する投資は、まだ報われたと言えない状態だ。しかし、Newellの読みが正しければいずれ十分なリターンが得られるだろう。
今回の発言はVRの成功を確信しての余裕が現れているのだろうか。それとも、ValveにとってはVRでの損失が許容可能な金額だからなのだろうか。今年もSteam VRの動きを注視していく必要がありそうだ。
参照元サイト名:Polygon
URL:http://www.polygon.com/features/2017/2/15/14616192/gabe-newell-interview-vr
参照元サイト名:Business Insider
URL:http://uk.businessinsider.com/valve-gabe-newell-vr-failure-2017-2?r=UK&IR=T
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