統合失調症の患者では、健常者と比較すると脳活動に変化が起きている。しかし、そういった変化を捉えるためにはfMRIによる活動領域の測定のような大掛かりで高コストな検査が必要だった。


エクセター大学によれば、今回提案されたVRによるテストが統合失調症の早期発見と管理に役立つものだという。しかも、手頃な価格で実施可能かつ信頼性も高い。


調査チームは、以下のような試験を行った。まず、実験に参加するボランティアに決められた動作をしてもらう。次に、大きなスクリーンに映し出されたバーチャルなキャラクターと同じ動きをしてもらう。被験者が行うのはこれだけだ。


研究者は、統合失調症の患者に特有の動作を元に診断を下す。この実験の結果、従来の面接による統合失調症の診断よりも正確な結果が得られたという。その精度は高価な神経イメージング法に並ぶほどだった。研究結果は2月1日に統合失調症を扱った雑誌で発表されている。


チームは、臨床試験の実施を検討中だ。この診断方法が実用化されれば、専門医による不正確な面談や高価な画像診断に頼ることなく早期の統合失調症を見つけ出すことができるかもしれない。妄想や幻覚といった重い症状がなくても治療を始められるので、その後の管理も容易になるはずだ。


VRを医療に利用する研究は世界中で進められており、そのいくつかは実用化もされている。しかし、医師向けの手術シミュレータや患者用のリラックスコンテンツが主だった。外からは診断しにくい脳の異常をVRで見つけ出せるならば、全く新しい利用法と言えるだろう。


 


参照元サイト名:University of Exeter

URL:http://www.exeter.ac.uk/news/featurednews/title_567782_en.html?utm_source=exeter.ac.uk&utm_medium=billboard&utm_campaign=HomeMirrorgame


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 統合失調症の早期発見が可能となるVRを用いたテスト