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博物館では、様々な展示物から美術、科学、文化、歴史といった幅広い分野の知識とインスピレーションを得ることができる。しかし、展示物それ自体の他に情報を伝えてくれるものは多くなかった。用意されているのはちょっとしたキャプションと、受付で貸し出してもらえる端末を使った音声ガイド程度のものである。
ときには学芸員が解説を行うツアーが催される。専門の学芸員に直接質問できる機会は貴重だが、それでも言葉で聞くのが精一杯である。
Google Tango対応の端末を使って、ARで展示物の詳細情報やかつての姿を見ることができる。展示物そのものと立体的な映像を目で見ることにより、理解と記憶が促される。
デトロイト美術館が最初のパートナーとなっている。デトロイト美術館の受付では、Tango対応スマートフォンLenovo Phab 2 Proの貸し出しが行われる。この端末を使えば、以下のような体験が可能だ。
ミイラは、人間や動物の死体に防腐処置を施して保存したものだ。エジプトの乾燥した気候のために長くその姿を保っているが、脆くて壊れやすくなっている。そのため、ミイラそのものを裸で展示するのは難しい。
ARを使えば、石棺の中にあるミイラがどのような姿で埋葬されているのかを見られる。まるでX線で見ているかのように、骨格が浮かび上がる。
現在展示されているモザイクアートが、この門のどこにあったのかを確認することができる。
現在は石灰岩そのものの色となってしまったレリーフ。しかしこの作品が制作されたときには鮮やかに塗られていた。Tangoによって、当時の色が再現される。
シリンダーシールは、麺棒のように粘土に押し付けることで署名や模様を付けるために使われていた。これまでは原版側を見ることしかできなかったが、Tangoを使って押し付けられた文様のイメージを見られるようになる。
現在、展示物とTangoを組み合わせているのはデトロイト美術館のみである。しかし、Googleはパートナーとなる博物館・美術館を拡大していくことを狙っている。
Phab 2 Pro以外のTango対応スマートフォンが登場し、Tango自体が普及すれば事情が変わるかもしれない。将来は来館者が自分の端末と専用アプリでARを利用することができるようになるのだろうか。
参照元サイト名:Googleブログ
URL:https://blog.google/products/google-vr/explore-museums-new-way-tango/
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