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Niantic社は「ポケモンGO」「ピクミンブルーム」「モンスターハンターNow」などの人気ゲーム事業と関連チームを、米国のモバイルゲーム大手であるスコープリー社に35億ドル(約5,200億円)で売却することで合意しました。
同社のゲームは世界中で累計1億人以上のプレイヤーを抱え、ユーザーは合計で300億マイル(約483億キロ)以上を移動しています。
また、リアルイベントでは開催都市に10億ドルを超える経済効果をもたらすなど、社会的にも大きなインパクトを与えてきました。
特に、「ポケモンGO」は2016年のリリース以来、毎年モバイルゲームのトップ10にランクインし続け、週間アクティブプレイヤー数は2,000万人を超えています。
買収先のスコープリー社は「MONOPOLY GO!」「Stumble Guys」などを展開する世界第2位のモバイルゲーム企業で、親会社はサウジアラビアのサヴィーゲームズグループです。
両社は事業移管後もゲームの長期的なロードマップを維持し、各タイトルは今後も継続してサービス提供されるとしています。
Nianticはゲーム事業の売却と並行して、ARプラットフォーム事業を新会社「Niantic Spatial Inc.」として分社化することを発表しました。
創業者のジョン・ハンケ氏がCEOを務めるこの新会社には、Nianticから2億ドル、スコープリーからの5,000万ドルを含む計2億5,000万ドルの資金が投入されます。
新会社が開発を進めるのは、位置情報とAIを組み合わせ、センチメートル単位の精度でデジタルと現実世界をシームレスに融合させる技術「ジオスペーシャルコンピューティング」です。
なお、Nianticのオリジナルゲームである「Ingress Prime」と「Peridot」は今後もNiantic Spatialが運営を続け、ジオスペーシャルプラットフォームのリファレンスアプリケーションとして位置付けられます。
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Niantic社は昨年「Niantic Spatial Platform」を発表し、空間コンピューティング、XR、GIS(地理情報システム)、AIを統合したプラットフォームの開発を進めてきました。
実際にこの技術は既に
「ポケモンGO」
「Ingress」
「Peridot」
といったタイトルにVPS(ビジュアルポジショニングシステム)として搭載され、3Dスキャンアプリ「Scaniverse」は日々数十万人のユーザーに利用されています。
これらは消費者向け技術からエンタープライズレベルのソリューションへと進化し、物流、観光、倉庫管理、教育など様々な産業での活用が期待されています。
Niantic Spatial社の長期的な目標は、「大規模ジオスペーシャルモデル(Large Geospatial Model)」と呼ばれる世界モデルの構築です。
これは人間や機械が物理的な現実世界をより深く理解し、AIエージェントがジオスペーシャルの観点から思考・推論できる基盤となります。
これが他のAI基盤モデルと連動することで、単一のモデルでは実現できない高度な世界理解が可能になると同社は考えているとのことです。
位置情報ゲームで世界中に一大ブームを起こしたNiantic社が、ゲーム事業の売却と事業再編を発表しました。
ゲーム業界、XR業界の双方に衝撃のニュースとなっています。
特に、新会社Niantic Spatialが本格的に開発を進めるという「ジオスペーシャルコンピューティング」は、XR産業を大きく変える可能性もあり注目です。
この技術が進化することで、
自動運転
スマートシティ
ロボティクス
など現実世界とデジタル空間を行き来する手段は大きく変わっていくかもしれません。
これからの展開に注目ですね。
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