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『旧宮川町歌舞練場』は1916年京都市東山区宮川筋に建築され、築100年を超えるその大屋根は京都宮川町の象徴として親しまれてきましたが、2022年7月に解体され「元新道小学校跡地計画」の一部として新築建て替え工事が着工しています。
今回、『デジタルの活用により京都宮川町の歴史・文化を保存する』だけでなく、『新たな文化発信・交流スペースを創出する』ことを目指し、歴史的に貴重な『旧宮川町歌舞練場』の一部を建物デジタルアーカイブとしてメタバース上に再現し、今月28日より一般公開される運びとなりました。
この試みは”伝統伎芸とICTの新たな共存価値の創出”と、京都宮川町における“街の記憶の継承”を目的としており、新たに生まれ変わる宮川町歌舞練場の竣工後においては、”リアル”と”バーチャル”を融合しながら『花街文化』を発展させるための新しいツール作りのスタートと位置付けられています。
NTT都市開発社は街づくりパートナーとして地域住民の思いに寄り添い、エリア価値向上や課題解決に向けた取り組みを推進している企業です。
一方、NTTスマートコネクト社は、”Value Platform Partner”として、NTTグループのXR技術を活用し、日本全国に残る歴史的・文化的価値を有する建築物等のデジタルアーカイブの取組を通じ、更なる地域文化の発展に貢献することを目指しています。
この両社が今回『旧宮川町歌舞練場』をメタバース空間上に再現するにあたり、「地域との窓口」や「企画立案」、「全体プロデュース」をNTT都市開発社が担い、NTTスマートコネクト社は「点群データを活用した3Dデジタルデータの制作」や「メタバース空間内のコンテンツ制作」、「空間内データ構成の最適化」を担当しています。
今回再現された『旧宮川町歌舞練場』は、仮想空間プラットフォーム「DOOR」を通じ、2023年3月28日から2024年3月31日まで配信される予定となっています。
「DOOR」の利用料金は無料ですが、旧宮川町歌舞練場メタバースの内覧や提供コンテンツの閲覧の際には別途通信料が必要となります。
また、旧歌舞練場の再現には、現存中に旧歌舞練場全館を『3次元計測技術』を使用して計測して得た、座標と色情報を持つ無数の点からなる3次元データが活用されています。
これにより、『天井の高さ』や『舞台の大きさ』なども、現存していたころと変わらない高精細な3Dデータとして再現することに成功しています。
『旧宮川町歌舞練場』メタバースではユーザーはアバターとなって
・歌舞練場内の観客席を自由に移動する
・音声会話やテキストチャット等により交流する
・360度動画のVRコンテンツを視聴する
といった体験を楽しむことができます。
また、公開期間中に本空間上で対話型オンラインイベントの実施も検討されています。
メタバース内で提供される360度カメラで撮影したコンテンツには
・解体前の歌舞練場において開催された「第71回京おどり」のマルチアングルVR映像
・「旧宮川町歌舞練場」マルチアングル映像
・「宮川町芸舞妓の世界を覗いてみる」VR映像集(新作動画を順次公開予定)
などがあり、舞妓さんのお化粧の風景など花街文化の日常を、メタバース空間ならではの高臨場感で体験できる内容が企画されています。
2022年に解体された京都の『旧宮川町歌舞練場』が、NTT都市開発社とNTTスマートコネクト社によりメタバース上に再現され、「DOOR」にて配信されています。
『旧宮川町歌舞練場』メタバース内は新たなコミュニケーションスペースとして利用できるだけでなく、京都宮川町の歴史や文化の保存、貴重な建物のデジタルアーカイブとしての役割など、伝統伎芸とICTの新たな共存価値の創出と記憶の継承に向けた取り組みとなっています。
京都の春の風物詩がいつでも楽しめるようになるなんて、京都旅行気分でメタバース内に遊びに行きたくなるニュースですね。
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