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バ美肉とは、バーチャル世界でボイスチェンジャーで声を変え美少女のアバターを纏って、美少女風に振る舞うことを意味する「バーチャル美少女受肉」の略語です。
基本的には男性が美少女キャラを演じることのみを指します。
「理想の美少女として振る舞いたい!」
「かわいいと称賛されたい!」
などといった欲求は新しいものではなく、男性が美少女として振る舞うこと自体もインターネットの初期から行われてきたことです。
その中でバーチャルYouTuberやVRChatで美少女として行動することを特に「バ美肉」と呼ぶようになりました。
しかし、VTuberが一般的になった現在では特に男女を問わず美少女キャラクター、美少年キャラクターを演じる行為自体を「バ美肉」と呼ぶこともあります。
バ美肉をやる時に用意するのは
1.美少女アバター
2.ボイスチェンジャー
3.PC
4.マイク
5.WEBカメラ
の5つです。
一つずつ詳しく見ていきましょう。
バ美肉活動にまず必要になるのが美少女アバターです。
アバターを用意する方法は複数あります。
技術や知識がある人は「Blender」などを利用して1から自作することもありますが、初心者にはハードルが高い作業です。
初心者がバ美肉のアバターを用意するときには、デフォルトでアバターが用意されていてカスタマイズすることもできるVTuber支援アプリが役に立ちます。
代表的なVTuebr支援アプリは以下の3つです。
「FaceRig」は世界中で最も一般的に利用されているアバターアプリです。
美少女キャラをはじめとして利用できるアバターが多く、WEBカメラで取り込んだ自分の表情や唇の動き、頭部の動きをアバターに反映させることができます。
長らくライバーに親しまれてきた「Face Rig」ですが、2021年12月31日をもってのサービス終了が決定してしまいました。
しかし、後継ソフトとして「Animaze by FaceRig」がリリースされています。
次世代ソフトの「Animaze by FaceRig」は「FacceRig」よりも解像度が高く、トラッキングの設定もより直感的にできるなど使い勝手が大幅に向上しています。
しかも、無料プランでもバ美肉に必要な機能は揃っているのも心強いポイントです。
「VRoid Studio」はピクシブが提供している3Dキャラクター制作アプリです。
顔・身体・服の形・大きさ・長さなど豊富な設定項目が用意され、髪型も絵を描くような直感的操作で設定することができます。
さらに、
・メガネ・けもみみといったアクセサリ
・重ね着可能な衣装設定
などアバターの外見を理想通りにカスタマイズ可能です。
ただし、「VRoid Studio」はあくまでもアバターの作成アプリなので、アバターを動かす際には
「Animaze by FaceRig」
「3tene Free」
などVRM形式に対応したアプリを使うことになります。
「Vカツ」は「VRカレシ」といったVRコンテンツを制作しているIVR社がリリースしたVTuber支援アプリです。
顔、髪、体、衣装、アクセサリーをはじめ300を超える設定項目でキャラメイキングができ、イメージ通りにアバターを作ることができます。
また、マウスを使ってアバターのカスタマイズが直感的にできるほか、
・Vルームシステム
・VRデバイス
と活用すれば簡単にVTuberとしてアバターを動かすことができるのがメリットです。
さらに、動画サイトの
・バーチャルキャスト
・ニコニ立体
にVRMデータを出力できる(有料:5,000円)ので、配信が簡単にできるのももう一つの大きなメリットといえます。
美少女の姿を用意した後はボイスチェンジャーを使って声を変える必要があります。
いくら姿が可愛くても声がおじさん丸出しだと台無しだからです。
ボイスチェンジャーには
・ハードウェア方式
・ソフトウェア方式(アプリ方式)
の2種類があります。
ハードウェア方式は低遅延で音声変換でき、PCへの負荷も少ないというメリットがありますが、オーディオ機器に関する知識が必要で費用もかかることから初心者向きではありません。
そのため、安価で操作も簡単なソフトウェア方式が最近では主流となっています。
バ美肉VTuberが多く利用しているボイスチェンジャーアプリ5つについてまとめました。
「恋声」はバ美肉が広がるきっかけとなったボイスチェンジャーアプリです。
フリーソフトながら声のピッチとフォルマント(声質)を調整することで自然な女性の声に変できるため、多くの有名バ美肉VTuberに利用されてきました。
Skype、Discordなどのボイスチャットソフトや動画配信サイトでのリアルタイム配信にも対応し、WAVでダウンロードもできる用途の広さも魅力です。
ボイスチェンジャーアプリとしては初期のものなので、後発のアプリに比べるとUIが複雑に感じてしまうかもしれませんが、「M→W」をクリックする簡単操作で女声に変換設定ができます。
「バ美声」は自身もバ美肉VTuberとして活動している「はんそで」さんが開発したボイスチェンジャーアプリです。
実際にバ美肉をやっている人が開発しただけに、導入が簡単で使いやすさにも定評があります。
自然な女性の声に聞こえるように開発されたほか、
・高速の音声処理
・ささやき声もしっかり変換できる
・長時間稼働してもOK
という点が特徴です。
これまでは開発中の状態だったためベータ版という形で無料で配布が行われてきましたが、正規版がリリースされたのでベータ版の無料配布は終了しました。
>>「バビ声」製品版配布ページ(2,000円)[BOOTH]
「Gachikoe! Core」は「桜音サチ」さんが開発したボイスチェンジャーアプリ「Gachikoe!」のコア機能を抽出した無料配布バージョンです。
直感的な操作で
・声の高さ
・声の特徴(フォルマント)
・音声のゲイン
が調整でき、ピッチも75%から200%と幅広く設定できます。
また、ほとんどのボイチェンアプリがWindowsOSのみ対応している中、「Gachikoe! Core」はmacOSにも対応しているのが最大の特徴です。
そのため、Macユーザーでも簡単にバ美肉ができるようになります。
>>「Gachikoe! Core」配布ページ[BOOTH]
「REAPER」は米国のcocks社が開発した音楽制作アプリで、WindowsOSとmacOSの両方で利用することが可能です。
英語のソフトですが
・細かいところまで設定可能
・安定した音質
といったメリットがあるため、バ美肉用ボイスチェンジャーとして利用する人が増えています。
有料アプリ(60ドル)として公開されていますが、60日間は無料お試しとして利用でき、しかも60日を過ぎても機能制限なしの試用版をそのまま無料で利用可能です。
また、こちらのサイトでは英語版の「REAPER」を日本語で使えるようにする、日本語かパッチが配布されています。
外部サイト:REAPER日本語化パッチ[フリーソフトでDTM]
株式会社ユーザーローカルが公開しているWEBブラウザ上で音声を変換できるサービスです。
ダウンロードの必要がなくスマホでも利用することができます。
ブラウザ上で録音した音声やあらかじめ録音した音声を、変換パターンから「男声から女声」を選んで簡単に変換することが可能です。
変換した音声は音声データとしてダウンロードできるほか、Twitterでシェアすることもできるようになっています。
「バ美肉をやってみたいけど複雑な操作に自信がない・・・」
という初心者が最初の一歩として使うのに最適なサービスです。
バ美肉をやる場合、
・アバターを動かすアニメーション処理
・ボイスチェンジャーによる音声処理
・動画配信、録画作業
といった作業をPCは同時に行うことになります。
いずれも負荷のかかる作業なので通常のPCではスペックが足りません。
そのため、グラボを搭載し動画処理を得意とするゲーミングPCを利用するのがおすすめです。
バ美肉でも利用するマイクの選び方は大事になります。
ボイスチェンジャーだけを使いさえすればキレイな女性の声が出るわけではありません。
クリアな音質で声を拾うことができて初めて理想通りの女声に変換することが可能です。
マイクには
・ダイナミックマイク
・コンデンサーマイク
の2種類があります。
このうち、細かな音まで拾って繊細な表現ができるコンデンサーマイクがYouTubeやVTuberの配信で広く利用されています。
バ美肉では顔出しはしませんが、顔の表情や腕の動きをアバターに反映させるためにカメラが必要です。
トラッキング用に使うだけなので、高解像度カメラは必要なくHD画質のカメラでも十分です。
ただ、アバターがカクカクしないようにフレームレートに関しては注意が必要になります。
VTuber界隈では30fps以上のカメラが一般的に使われているようです。
機械やアプリの力を借りることで見た目と声を美少女に変換することができます。
しかし、外見だけ変わっても言動や仕草が男のまま、おじさんのままだと意味がありません。
バ美肉の醍醐味は
・理想の女性を自ら演じること
・そんな自分が「かわいい」といってもらえること
にあります。
バ美肉VTuberとしてしっかり配信活動をしていくのであれば、内面から理想の女性になることが求められます。
ですので、内面が滲み出る言動や仕草まで女性らしく振る舞えるように徹底しましょう。
その意味で、バ美肉VTuberとして活動する際には、キャラクター設定をしっかり固めておくことが重要です。
「バ美肉」という言葉が生まれる前からネット上で美少女として振る舞う男性は多く見られました。
かつては「ネカマ」などと呼ばれあまり良いイメージがない行為でしたが、バーチャル時代になり3DCGのアバターを使うことでポジティブな捉え方がされるようになっています。
メタバースの展開に合わせて今後も新しいカルチャーとして成長していきそうですね。
また、機材やアプリなどバ美肉をやるための環境も整備されてきています。
特にボイスチェンジャーアプリは無料で利用できるものも多いので、バ美肉に興味があるという人は最初に声を変えてみる体験から始めてみても良いでしょう。
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