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今回開発された「ドクターカー専用医療VR撮影システム」は、人工心肺(ECMO)などを搭載したドクターカー内に高精度VRカメラを設置し、病院側がリアルタイムに搬送患者の容態や処置の状況を、360度のVR映像で確認することができるシステムで、病院内に待機する医師・スタッフが搬送患者の容態を事前に把握することが可能になります。
これによって受入れ準備を最適化し、患者到着後には即座に適切な診療を素早く実施できることが期待できます。
また病院内に待機する医師からも、適切なアドバイスを車内の医師やスタッフに伝えることができるなど、医療体制を強化することにも貢献でき、様々な患者の処置をVR映像コンテンツ化することで、医療教育にも活用することもできます。
1分1秒を争う救急患者への初期対応においては、ドクターカー内での
・適切な医師の介入
・病院側での受入れ準備の最短・最適化
は大きな意味を持っていて、ジョリーグッド社では本VRシステムの開発と今回の救急センターとの共同検証を通して、救急患者の救命率向上を目指していきます。
救急医療は時間との戦いであり、患者を受け入れる病院側は時間内に知り得た情報で治療方法を判断するため、患者が搬送されてくる前に得られる情報は多ければ多いほど理想的である一方、実際は患者到着前に得られる情報は限定的であることから、事前準備が整えにくいという現状があります。
本システムは、そういった課題の一助となるように開発されています。
ドクターカー内での診療は、資機材やマンパワー不足から病院内とは異なる対応・判断が多く求められ、乗車する医師には豊富な知見に加えて多くの現場経験が必要になってきます。
そのためドクターカー内にいる医師は、病院にいる他の医師から音声でアドバイスを仰ぐなど、病院側と連携しながら緊急時対応を行なっており、現場の情報をVR化することで適切な指示を出せるようにします。
またドクターカーに乗車する医師の教育は、病院内での研修以上に同乗しながらの現場研修を行うことが難しい状況にあります。
本システムでは、多くの現場経験や知見を学ぶことができる新たな教育ツールとしての役割も期待されています。
今回の検証にあたり、本VRシステム導入の共同検証を行う日本医科大学付属病院高度救命救急センターの横堀將司さんから、コメントが寄せられています。
ドクターカーを用いた病院前診療は、病院内での診療以上に困難を極めます。
限られた車内空間、少ない医療リソースの中で、最大限の効果を発揮するためには強固なチームワークと迅速な情報共有が必須です。
診療リーダーが病院内から360度の映像を見ることで、チームの動きを俯瞰的に、かつ冷静に判断し、現場に的確な指示を与えることができます。
また指示と同時に、現場から情報を得ることで、病院内でのシームレスな診療に備えることができます。
また、これらのやり取りをアーカイブ化することで貴重な経験を共有することができます。臨床・教育ともに優れた効果を発揮できる、画期的な取り組みになります。
引用元:プレスリリース
様々なVRシステムを開発しているジョリーグッド社が、ドクターカー専用の医療VR撮影システムを開発しました。
車内での救急診療も遠隔サポートを可能にすることで救命率向上を目指しており、日本医科大学救命救急センターとの共同で導入検証が開始されます。
一刻も早い適切な処置が求められる医療現場では、垂涎もののシステムになりそうですね。
ソース:プレスリリース[@Press]
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